企業リバーエレテック東証スタンダード:6666】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループは、水晶製品における革新的な研究開発を推進し、ユーザーの高度化する要求に応えるため、以下の取り組みを継続・拡充しています。本年度は特に、1GHz対応のサンプル出荷開始や新たな受賞実績など、複数の分野で新たな進展がありました。今後も、先端技術を活かした製品ラインアップの強化を図り、市場のニーズに対応するとともに、新市場開拓やイノベーション創出に寄与してまいります。

 主な研究開発活動は次のとおりです。なお、当連結会計年度における研究開発費は、総額302,887千円でした。

 水晶製品

(1)KoTカット水晶振動子 「KCR-04」

 当社独自の「KoTカット」技術を基盤とするKCR-04は、高精度と低位相雑音を両立させ、水晶振動子市場に大きな革新をもたらしています。こうした革新的な技術とその成果がもたらすイノベーションが高く評価され、令和6年度の文部科学省ARIM(マテリアル先端リサーチインフラ)が主催する「秀でた利用成果」において最優秀賞を受賞しました。その評価をさらに高めるべく、現在は様々な顧客向けにサンプルを提出しており、実際の使用環境での検証が進められています。すでに台湾・米国・英国・日本で特許を取得しており、中国でも登録が見込まれることから、グローバル展開がいっそう期待されています。

(2)KoTカット水晶発振器 「KCRO-04」

KCR-04の技術を発展させたKCRO-04は、最大1GHzの基本波発振を実現しつつ、極めて低い位相ジッターを提供する水晶発振器として、ハイエンド通信や大規模コンピューティングの分野で注目を集めています。特に、次世代の高速通信規格として期待される1.6Tクラスの光トランシーバー用途に向け、他技術では実現が難しい625MHzの水晶基本波発振を提供できる点が大きな差別化要素となっています。専用ICを搭載し、従来品とは異なる革新的なアプローチでLVDSやLVPECL出力にも対応するなど、多彩なニーズに応えるべく開発を進めています。これらの用途向けに既にサンプル提出を行っており、顧客において具体的な評価が進んでいます。

(3)低電圧0.9Vから駆動する水晶発振器 「FCXO-07F」

 低電圧0.9Vから駆動するFCXO-07Fは、進化を続ける微細プロセス技術の半導体に対応する水晶発振器として、高度な省電力設計を実現しています。近年、半導体の微細パターン化に伴い、受信側のICでは従来より低電圧化が進みつつあり、これにマッチした周波数ソースのニーズが高まっています。本製品は低電圧駆動専用に開発された回路構成となっており、低電圧領域において安定した発振精度を提供できるため、モバイル機器やIoTノードといったバッテリー駆動が中心の分野で特に優れた効果が期待されます。すでに複数の顧客へサンプル提供が行われ、接続試験や長期信頼性評価を通じて、さらなる低消費電力化と小型化が求められる市場への導入が進められています。

(4)クリスタルケースを用いた超小型ATカット水晶振動子

 当社のウェハレベル真空パッケージ封止技術(MDS)と「クリスタルケース®」構造によって、従来のサイズを大幅に縮小し、世界最小のATカット水晶振動子を製品化しました。従来品『FCX-08』が1.2mm×1.0mm×0.3mmであるのに対し、この新たな超小型品では0.8mm×0.6mm×0.3mmという極小サイズを実現しています。体積や重量を大幅に削減しながらも高い信頼性を確保しているため、ウェアラブル端末や医療機器など省スペース化が求められる分野での活用が期待されています。

(5)200℃まで使用温度範囲を広げた水晶発振器 「GTXO-04」

 オイル掘削などの極限環境下で用いるために開発されたGTXO-04は、200℃までの使用温度範囲をカバーできる点が最大の特長です。従来の水晶発振器では困難とされてきた高温下でも優れた安定動作を実現し、さらなる研究・実装が期待されています。すでに本製品は想定される使用環境での評価が終了しており、次のステージに進む段階です。

 これらの製品はいずれも、サンプル段階から顧客評価が進んでおり、それぞれの特長を活かした応用の可能性が大きく広がっています。今後も当社は、高周波・高耐環境・超小型化など多彩な要素技術を結集し、新市場の開拓と顧客ニーズへの迅速な対応を進めることで、水晶分野におけるリーディングカンパニーとして輝きを増してまいります。

PR
検索