企業兼大株主ラクスル東証プライム:4384】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1) 事業環境に関するリスク

①国内印刷EC市場について

 当社グループの主力事業である印刷事業が属する国内印刷EC市場は、年々拡大しております。今後もEC化率の継続的な上昇を背景に、同市場は成長を続けるものと考えております。しかしながら、上記の予測通りに国内印刷EC市場が拡大しなかった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、印刷事業で築いてきた顧客基盤とシェアリング基盤を活用し、販促サービスの拡張による既存顧客ARPU向上、紙以外の商材を中心としたオリジナル商品の追加による顧客基盤の拡大により対象市場及び収益拡張を推進しております。

②競合他社の動向について

 当社グループの主力事業である印刷事業においては、国内で印刷ECサービスを展開する競合企業が複数存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合等には、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、多様化する顧客ニーズに対応すべく商品ラインナップの拡充を進めるとともに、積極的なマーケティング活動やカスタマーサポートの充実、提供サービスの拡大及び品質向上に取り組んでおり、今後もユーザー目線に立ってサービスをより充実させていくと同時に、知名度向上に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。

③登録ユーザーの獲得について

 当社グループの主力事業である印刷事業の売上高は、提供サービスの登録ユーザー数、登録ユーザーの利用率、登録ユーザーの平均購入額により変動し、事業の成長は登録ユーザー数の順調な増加に依存しております。また、マーケティング手法別に効果測定を行いつつ、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーへの追加販売、既存ユーザーの離脱防止を図る施策を継続的に実施しております。上記に挙げたような各種事業KPIについては安定的に推移・改善してきておりますが、社会・経済情勢による顧客ニーズの変化、他の事業者との競合の激化、マーケティング手法が非効率になる等の要因によって登録ユーザー数の増加率が下がる場合には、売上高の増加ペースの鈍化、もしくはマーケティング費用の上昇により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、前年度以前の顧客獲得コストとの比較を常に行い、新規の顧客獲得手法を継続的にトライアルすること等により登録ユーザー数の増加ペースを維持、拡大するための取り組みを推進しております。

④システムトラブルについて

 当社グループの事業は、インターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。安定的なサービス運営や継続的な事業成長を実現するために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、ソフトウェアの不具合、外部からの不正な手段によるネットワークへの侵入、地震等の自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、監視システムの利用に加えて組織的・人的な対策と多層防御による技術的対策に取り組んでおります。

⑤印刷事業への依存について

 当社グループの売上高は、主力事業である印刷事業への依存が大きくなっております。国内印刷EC市場が拡大していることに加え、ユーザー数の増加やサービスの拡充等により、今後も印刷事業は拡大していくものと考えておりますが、運営する「ラクスル」の利用者の減少や市場規模の縮小等の要因により印刷事業の売上高が減少した場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、ダンボール・梱包材や印鑑といったカスタマイズEC領域や、物販領域への拡張、テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」をはじめとするマーケティング支援事業の他、今後においても中長期的にソフトウェアやファイナンスといった複数の事業領域への展開を推進してまいります。

⑥シェアリングエコノミー形態による生産体制について

 主力事業である印刷事業について、印刷会社をはじめとするサプライヤーをネットワーク化する、いわゆるシェアリングエコノミー形態による生産体制を構築しております。各社における原材料等の調達価格高騰や各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、一部の印刷資材については、集中購買により安価に提供する体制を整備し、定期的なコミュニケーション等によるサプライヤーとの良好な関係の構築に努めることで、生産体制の安定化を図っております。また、一部の印刷商材においては、製造の内製化を進めることで、生産能力の強化に努めております。

⑦在庫について

2025年7月期の連結貸借対照表において商品及び製品521百万円を計上しております。在庫として保有する商品について販売状況が想定していたものと大きく異なる結果となった場合には、販売価格の切り下げや棚卸資産の評価減を通じて、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、仕入れの際には慎重な検討を経て実施するとともに、在庫品の状況を注視し、適正な在庫管理を行うなど、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。

(2) 事業体制に関するリスク

①優秀な人材の獲得・育成について

 今後の企業規模の拡大に伴い、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感する多様なバックグラウンドをもつ人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後も引き続き積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、社員が働きやすさとやりがいを持って働けるよう、事業の成長を通して本人が挑戦し成長できる環境を作り、魅力的な人事制度の構築を継続的に推進してまいります。また、サービス品質の向上にはソフトウェア開発のためのエンジニアの確保が重要であると認識しており、日本国内での採用活動に加えて、日本国外において開発拠点を設立し、継続的に開発力の強化のための施策を推進してまいります。

②内部管理体制の構築について

 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業が急速に拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいります。

③情報セキュリティについて

 当社グループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業活動に伴い取引先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。万一従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、企業としての社会的信用を喪失し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、当社はプライバシーマーク及びISMS(注)を取得し、社内で運用するほか、従業員研修を繰り返し実施する等、これらの情報管理には万全な方策を講じております。

④自然災害等の影響について

 当社グループは、提携印刷会社や自社の製造拠点を通じて事業を展開しています。大規模地震、自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、当社グループまたはその取引先において、生産設備やシステムが損害を受けたり、操業が中断したりする重大な支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、商品の安定供給に遅延や困難が生じ、顧客満足度の低下や売上機会の損失を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、シェアリングエコノミー形態の生産体制を活かし、特定の地域やサプライヤーの機能が停止した場合でも、他の地域やサプライヤーへ発注を振り分けることができる代替可能な体制を構築しています。また、事業への影響を軽減するため、各種損害保険に加入するとともに、自然災害等の緊急事態発生時に事業を早期に復旧させるためのBCP(事業継続計画)を策定・整備しております。

⑤投融資について

 当社グループは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投融資については、リスク及び回収可能性を十分に事前評価し決定してまいりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合や減損処理が必要となった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、出資等の案件について、当社グループの目指すビジョンとの整合を確認し、ビジネスモデルを十分に検討した上で判断するとともに、出資後は定期的なモニタリングを継続実施してまいります。

〔用語説明〕

(注)

ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略

 

情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合性評価制度。継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証される。

(3) 法的規制に関するリスク

①訴訟等について

 当社グループは、事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や社会的信用の毀損によって、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、訴訟等や社会的信用の棄損に繋がる事象に対し、弁護士事務所と連携し、経営に重大な影響を及ぼし得る事象はリスク管理委員会においてグループ横断で審議する体制を整備しております。

②コンプライアンスについて

 当社グループが運営する事業は、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「景品表示法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といった様々な法規制の対象となっております。事業活動を行う中で、法令違反や第三者の保有する知的財産権の侵害等が生じた場合、信頼の低下や事業活動の制限、関連コストの増加、企業価値の棄損等、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、当社グループはコンプライアンスポリシーを定め、定期的な研修等の啓発活動を通じ、コンプライアンス体制の充実に努めております。

③個人情報の保護について

 当社グループは、会員登録情報をはじめとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクを踏まえ、個人情報保護方針及び個人情報保護規程を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。

(4) その他

①株式価値の希薄化について

 当社グループは、新株予約権制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。当該制度は、当社グループの役員、従業員及び社外協力者に対して、経営成績向上に対する意欲の向上及び経営参画意識の向上等に有効な制度と認識しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権の行使、譲渡制限付株式報酬制度に係る新株式の発行された場合には、既存の株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

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