ヤマハ発動機
【東証プライム:7272】「輸送用機器」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年3月26日)現在において当社グループが判断したものです。
当面の優先的に対処すべき課題の内容等
当社は、企業目的である「感動創造企業」のもと、2030年に向けた長期ビジョンとして「ART for Human Possibilities~人はもっと幸せになれる~」を2018年に発表しました。2025年からの新中期経営計画は、この長期ビジョンの後半6年間のスタートになります。
新中期経営計画の基本方針は、「コア事業の競争力を高め、人の可能性を拡げる新技術を獲得し、人の悦びと環境が共存する社会をヤマハ発動機らしい挑戦で実現する」としています。
詳細は、当社ウェブサイト「中期経営計画」をご参照ください。
(https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/mtp/)
○事業ポートフォリオ
当社は、前中期経営計画から、ポートフォリオ経営を実装しました。新中期経営計画では、ポートフォリオ戦略として、コア事業(二輪車事業、マリン事業)、戦略事業(ロボティクス事業、SPV事業、OLV事業)、新規事業の3つの領域に取り組みます。そして、将来的には、当社が保持する全ての事業がROIC 12.5%を上回る経営を目指します。
■コア事業領域
新中期経営計画では、コア事業の競争力を再強化していきます。二輪車事業とマリン事業へ重点的な投資を行い、魅力ある商品、サービスを提供することで、成長と収益性を両立させます。
[二輪車事業]
「移動に喜びを、週末に楽しさを、人々と共に創る」ことを目指し、魅力的な商品ラインアップ、デジタル技術を活用したユーザーサービス強化に取り組みます。
アセアン、新興国では、これまで注力してきたプレミアム戦略をさらに強化します。また、マーケティング力を強化することで、デジタル技術の活用とユーザーに寄り添った体験の提供により、顧客エンゲージメントを高めます。電動領域は、自社でのプラットフォーム開発と外部との連携の両輪で推進していきます。
[マリン事業]
「信頼性と豊かなマリンライフ 海の価値を更に高める」ことを目指し、船外機大型モデルのラインアップ拡充、統合ボートビジネスの推進により、顧客価値の向上を追求していきます。
統合ボートビジネスでは、これまで進めてきたマリン版CASE戦略を発展させ、次世代操船システムの導入、コネクテッド技術の活用、シェアリングシステムの提供、電動船外機の拡大など、多彩なボート体験を可能にしていきます。
■戦略事業領域
市場ポテンシャルの高い、ロボティクス事業、SPV事業、OLV事業(Outdoor Land Vehicle: RV事業とゴルフカー事業を統合)の3つを戦略事業領域とします。
[ロボティクス事業]
加速するデジタル社会と変革するモビリティを、ワンストップスマートソリューションで支えていくことで、成長と収益性を両立させます。成長する領域に経営資源を集中し、当社の強みであるワンストップスマートソリューションを進化させることで、シェア向上と事業活動の効率化を実現します。
[SPV事業]
地球環境に優しいモビリティである電動アシスト自転車を通じ、人々の挑戦を後押しすることで事業の成長を実現します。海外完成車ビジネス事業を見直し、中長期的な成長が見込めるe-Kitビジネスと国内完成車ビジネスに注力します。特にe-Kitビジネスでは、徹底したお客さま視点でOEM顧客の信頼を獲得するため、ダイレクトサービス機能の強化や供給リードタイムの短縮、開発スピードの迅速化に取り組みます。
[OLV事業]
陸から海まで、お客さまが生涯にわたりワンブランドで楽しめるアウトドア商材を持つ、当社の強みが生きる北米市場でのシナジーを創出していきます。
OLV事業の製品の市場規模は、付加価値化が進み、長期的に拡大すると見込んでいます。
こうした市場成長を捉えるべく、新中期経営計画では、2030年に向けた次世代プラットフォームの開発に注力します。
■新規事業領域
これまで、モビリティサービス、低速自動走行、農業・医療省人化の領域で事業化に取り組んできましたが、今後は、事業拡大の可能性を見極めながら、モビリティサービス、低速自動走行、農業の3領域に注力していきます。
■財務指標・株主還元方針
資本コスト以上のリターンを継続的に創出することを目標とし、ROE14%水準、ROIC8%水準、ROA9%水準(いずれも3年平均)を目指します。株主還元については、「業績の見通しや将来の成長に向けた投資を勘案しつつ、安定的かつ継続的な配当を行う」ことを基本方針とし、キャッシュ・フローの規模に応じて機動的な株主還元を実施します。総還元性向は中期経営計画期間累計で40%以上です。
■環境計画
新中期経営計画における環境計画は、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの柱で構成されています。
気候変動では、企業活動における自社のCO2排出量は2010年比で74%の削減、2035年にカーボンニュートラルを目指します。また、お客さまや社員の製品使用からのCO2排出量はマルチパスウェイの方針で削減を進めます。
資源循環では、2050年までにサステナブル原材料使用比率100%を目指し、新中期経営計画では、現状の14%から18%に引き上げます。
生物多様性では、生態系と人間の双方に利益をもたらす課題解決方法を探求します。
■人的資本経営
グローバルエンゲージメント指標を導入し、人的資本経営の重要な指標として高いレベルを維持していきます。DE&Iの推進に加え、タレントマネジメントではグローバル人財プログラムを拡充します。多様な社員がチャレンジの機会を得ることで、個人と会社が成長し未来を切り開いていける組織を目指します。
■リスク・コンプライアンス経営
当リスク・コンプライアンス経営の強化を重要な方針として位置づけ、Global、Integrated、Agileの3つを柱に、当社の経営・事業に想定されるリスクを特定し、適切にコントロールしていきます。
これらを通じて、環境の変化を素早く捉え、責任と権限のグローバル化を図る経営をさらに促進していきます。
なお、2024年6月3日公表の二輪車の型式指定申請における不適切事案につきまして、ステークホルダーの皆様に多大なご心配・ご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申しあげます。皆様からの信頼回復と再発防止に向けて、コンプライアンス及びガバナンスのさらなる強化を図ってまいります。
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