企業ヤマトホールディングス東証プライム:9064】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 ヤマトグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 ヤマトグループは、社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、より便利で快適な生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げ、生活利便性の向上に役立つ商品・サービスを開発してまいりました。

 今後も、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、お客様、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的に貢献してまいります。また、生産性の向上を図るなど効率化を推進し、収益力の強化に努めることで、安定した経営を目指してまいります。

(2) 経営環境、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいるものの、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰などの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。さらに国内においても物価上昇に伴い、個人消費が停滞しているなど、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。

 また、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの定着、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、消費行動や生活様式が変化し、産業のEC化が進展しています。

 このような状況下、ヤマトグループは経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集したグループ経営体制の下、中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向けて、お客様や社会のニーズに対し総合的な価値提供に取り組んでいます。

 なお、当該中期経営計画の最終年度となる2024年3月期は、物価高や消費動向など外的環境の変化などを考慮し、連結営業収益1兆8,600億円、連結営業利益800億円(連結営業利益率4.3%)、ROE8.3%に見直しております。

 今後につきましては、外的環境の変化、およびこれまでの経営構造改革の進展を踏まえ、事業構造改革の取組みを深化させていきます。ネットワーク・オペレーション構造改革では、事業基盤である宅急便ネットワークの変革に取り組み、「EC物流ネットワーク」や「保冷専用ネットワーク」、「法人専用輸配送ネットワーク」などセグメントした成長領域の物流ニーズに最適化した専用ネットワークを構築・拡大するとともに、営業所の集約・大型化を起点とした既存のネットワークの強靭化を推進します。この新たな事業基盤をもとに、国内のみならずグローバルに広がる顧客のサプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大を図るとともに、事業構造改革を支えるデジタル戦略、人事戦略、環境戦略を推進することで、収益性と成長力を高めていきます。また、引き続き、サステナブル経営の強化およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組むことで、持続的な企業価値向上の基盤を強化していきます。

 なお、ヤマト運輸株式会社は、生産年齢人口の中長期的な減少傾向への対応や、2018年に公布された働き方改革関連法に伴う「時間外労働の上限規制(2024年問題)」への対応などの課題や物価上昇等に伴う継続的なコスト上昇に対応していくため、2023年4月3日より届出運賃等を改定しました。今後も外部環境の変化による影響を踏まえ、毎年、届出運賃等を見直しながら、物流パートナー等に対し適時適切に対応していくことなどにより、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客様により良いサービスを提供し続ける環境を構築していきます。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ヤマトグループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいるものの、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格や原材料価格の高止まりなどの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。さらに、国内においても物価上昇に伴い、個人消費が停滞しているなど、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。また、物流業界においては、生産年齢人口の中長期的な減少傾向への対応や、2018年に公布された働き方改革関連法に伴う「時間外労働の上限規制(2024年問題)」への対応などの課題に直面しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、引き続き、以下①~③の取組みを加速させていきます。

 なお、当社は、上記の物流業界における課題や物価上昇等に伴う継続的なコスト上昇に対応していくため、2023年4月3日より届出運賃等を改定しました。今後も外部環境の変化による影響を踏まえ、毎年、届出運賃等を見直しながら、物流パートナー等に対し適時適切に対応していくことなどにより、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客様により良いサービスを提供し続ける環境を構築していきます。

① ネットワーク・オペレーションの構造改革

 変化、多様化するお客様のニーズに応えるとともに、業務量の繁閑に応じて、より柔軟に対応していくため、ネットワーク・オペレーションの構造改革を推進しています。既存の宅急便ネットワークとオペレーションの安全・品質および、働きやすさや働きがいの維持・向上とオペレーティングコストの適正化を図るため、引き続き、拠点の集約・大型化を進めるとともに、職務定義の細分化・専門化、ITシステムを活用した作業オペレーションの効率化により、各拠点における働き方や人材配置、体制を刷新していきます。さらに、第一線の社員の管理間接業務を削減するため、業務の標準化、電子化によるBPR(業務プロセス改革)にも継続して取り組みます。

② 法人ビジネス領域の拡大

 ヤマトグループは、世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大する中、サプライチェーン全体に拡がる顧客の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを新たな成長領域と位置付けて注力しています。

 ソリューションの提供においては、営業とオペレーションが一体となり、お客様の産業、ビジネスの目的と戦略を深く理解した上で、国内外の拠点と輸配送のネットワーク、コントラクト・ロジスティクスや、国際フォワーディングなどの物流機能、ファイナンスやITシステムなど、ヤマトグループが持つ経営資源を最大限活用し、お客様の物流の管理や運営にとどまらず、ロジスティクスの戦略・企画まで関与するLLP(リード・ロジスティクス・パートナー)となることを目指しています。そして、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしながら、本社に集約した営業情報に基づく最適な提案を創出し、第一線の営業活動を促進させるとともに、ソリューション設計やオペレーション設計の高度化を図り、店舗やECの運営に係るバックヤード業務の効率化や、販売機会ロスの削減、在庫の最適化など、お客様に対し、国内からグローバルに拡がるサプライチェーン全体にわたる価値を提供していきます。

 さらに、2050年の温室効果ガス(GHG)自社排出実質ゼロに向けて、EVの導入やドライアイスを使わない保冷輸送などのグリーン物流を推進し、当社の排出量を削減すると同時に、お客様のGHG排出量を可視化し、より環境負荷の少ないサプライチェーンを構築しながら、お客様が保有する在庫や生産活動の最適化とお客様のGHG排出量削減を実現するなど、サステナブルな物流の実現に貢献していきます。

③ 持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進

 ヤマトグループは、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値を拡大し、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、デジタル戦略、人事戦略、サステナブル経営の強化、ガバナンスの強化に取り組んでいます。

 デジタル戦略については、DX推進体制を強化し、デジタル基盤を活用したお客様への提供価値の拡大や経営資源の適正化など、事業と一体となったDX推進に取り組んでいます。また、人事戦略については、新たな付加価値創出に向けた最適な人材ポートフォリオの構築や、多様な社員の働きやすさと働きがいの向上に取り組んでいます。

 サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した各重要課題(マテリアリティ)に取り組んでいます。環境については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向け、引き続き「EV20,000台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進していきます。また、社会については、引き続き、人材の多様性を尊重し、社員が活躍できる職場環境を整備するとともに、社会の諸課題に向き合い、共創による地域づくりを推進するなど、豊かな社会の実現に向けて取り組みます。

 ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化など、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンス体制の下で、構造改革を推進します。

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