フコク
【東証プライム:5185】「ゴム製品」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針と経営戦略
当社グループは、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、お客様の要望に真摯に向き合い、創業以来のモノづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、常に新しい価値創造に挑戦し続ける企業として、持続的な成長を遂げてまいりました。
現在、自動車産業は電動化や自動運転などの次世代技術への移行が進みつつあり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。
当社グループは、これらの大きな変化をチャンスと捉え、より高い経営目標を達成するため、2023年6月に「新中期経営計画2026」(最終年度2027年3月期)を策定・公表いたしました。
2025年3月期は「新中期経営計画2026」の初年度として、計画達成に向けた取り組みを全社一丸となって進めているほか、中長期的視点においては、独自のコア技術で高付加価値製品やソリューションを提供し続けることで飛躍的に成長するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献する「あらゆる願いを、感動に変える。」心から愛される企業を目指しております。
(2) 中期経営計画 当社は、「新中期経営計画2026」を2023年6月に公表しております。 この「新中期経営計画2026」は、「中期経営計画(2021年度-2023年度)」にて培ってきた「体質改善(生産工程合理化・不良削減・間接業務効率化)」をさらに推し進めるとともに、「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」の事業戦略の両輪に加え、「ESGの各観点を重視した経営基盤の改革」を通じて、収益力の最大化を狙うことを戦略スキームとしております。 「新中期経営計画2026」の目標値と主な計画、及び初年度となる2025年3月期の実施項目は以下の通りです。 営業利益率 8% ROE 12% |
<「新中期経営計画 2026」戦略スキーム>
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①「既存事業の強化」
ⅰ)ソリューションビジネスによる拡販
・当社の主力製品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客要求(高払拭性能・迅速性)に応えるため、ラバーの形状だけでなく、ラバーの最適な動きを科学し、その動きに影響を与えるワイパーシステム側構成部品における設計仕様に対しても提案可能な体制を構築しております。
・このようなソリューションビジネスを通じて、顧客側のワイパーシステム開発期間が大幅に短縮し、多くの車種のワイパーブレードラバーの受注に繋がっております。今後も、顧客要求にスピーディにお応えできる体制を強化することで、ワイパー事業の拡大、および、グローバルシェアの拡大につなげてまいります。
ⅱ)強い成長地域への拡販
・強い成長地域の一つと見込んでいるインドにおいては、ダンパーの価格競争力向上による拡販を目的に鋳物工場を新設いたしました。また、技術開発サービスの拡充を目的にテクニカルセンター、及び顧客対応の迅速化を目的に営業所をそれぞれ新設するなど、インドにおける生産・開発・営業の各観点における体制強化を進めております。
・加えて、防振製品の拡販に向けては、新設したテクニカルセンター機能を更に強化すると共に、2025年3月に締結したInnova Rubbers社との業務提携を契機として、インドにおける事業拠点としての機能やサービスの拡張を目指してまいります。
② 「成長事業・新事業の拡大」
ⅰ)インダストリアル向け製品等の拡大
・ファクトリーオートメーションの分野においては、当社の高い開発力で生み出した高性能材料を必要とする「半導体製造装置向け精密シール部品」が量産を開始いたしました。航空・宇宙分野においては、エンジン内の気流を整流化する「ジェットエンジン向け製品」が量産を開始したほか、人工衛星に搭載される観測機器類の機能を十分に発揮させることに貢献する防振ゴム製品「衛星用アイソレータ」が先進レーダ衛星「だいち4号」に採用されました。新エネルギー分野においても、風力発電の風車向けとして「着氷防止コート」を開発したほか、農業機械の電動化への貢献を目的としてバッテリー保持機構の開発に取り組むなど、様々な分野で需要の掘り起こしを進めております。
ⅱ)CASE市場への拡大
・EV車への切り替え需要が足元で一服感が見られる中、バッテリー周辺製品の拡販も踊り場の様相を呈しております。こうした環境下において当社グループにおいては、「バッテリーホールドシート」が既に電気自動車に搭載され、他の車種での採用も目指して取り組んでいるほか、「放熱ギャップフィラー」は韓国メーカーに採用され、量産が開始されております。今後他社への販売も目指しています。
ⅲ)ライフサイエンス製品の拡大
・今年度から報告セグメント変更に伴い新設したライフサイエンス事業のうち、バイオ関連製品においては、当社の強みであるリンパ球用培地と間葉系幹細胞培地の拡大に軸足を置き、培地開発力の強化を進めるとともに、様々な販路を通じて拡販できるよう、体制整備を含め推進しております。さらに、アカデミア(大阪大学・金沢医科大学)との共同研究において、幹細胞の大量培養システム化の構築等を実施しております。
また、細菌検査の分野における「薬剤耐性菌検査チップ」については、2027年度の保険適用を目指し、医療現場への本格展開と事業拡大を目指してまいります。
③ 「ESGを主体とした経営基盤の改革」
ⅰ)環境への取組み(E)
・当社は環境負荷低減・脱炭素社会を実現するために「フコク環境目標」を設定し、この目標を達成するための重点取組事項に沿って、製造工程廃棄物の削減とCO2の削減に向けて活動しております。また、TCFD提言に賛同し、TCFDが推奨するシナリオ分析によって、気候変動が企業にもたらすリスクと機会を把握し、その影響に対する戦略策定を行っています。また、2025年2月には、国際環境非営利団体CDPの実施した気候変動分野の質問書において、「B」スコアを獲得いたしました。
・これらの環境への取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への取組み」をご参照ください。
ⅱ)社会への取組み(S)
・ダイバーシティ&インクルージョンへの対応や働き甲斐のある環境づくりに積極的に取組んでおります。
・人的資本に関する取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。
ⅲ)ガバナンスへの取組み(G)
・コーポレートガバナンスやコンプライアンスの強化に取組むとともに、従来の発想から抜け出し、価値創造に貢献する組織風土の醸成を推進しております。
・創業70周年を節目として、これまでの企業理念を刷新し、2023年に制定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の社内推進活動を行っております。
・2024年11月に公表した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当社の当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・強化を目的とした再発防止策を策定・推進し、ガバナンスの向上を図っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
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