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【東証グロース:378A】「サービス業」
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企業概要
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 人材の確保及び育成について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の営業活動は、可能な限り広告主へ直接接触を行うことを重視していることから、常に一定数の営業社員の確保が必要となるため、毎年10名前後の新卒採用と若干名の中途採用活動に注力しております。また、広告媒体の開発及び設置・保守管理部門については専門分野に対応した人材の採用が必須となるため、採用した社員への教育・研修体制の充実・強化を図り、早期戦力化と人材の定着に努めております。
しかしながら、必要な数の人材の確保及び育成が計画どおりに進まない場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) システムトラブルについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、複数のITシステムを使用して業務処理・管理を行っておりますが、社内規程にて運用上のルール及びBCPマニュアルを定め、データバックアップを行い、社内ネットワークへのマルウェア侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃、災害等に起因するネットワークの不通、外部委託先の故意又は過失によるシステムトラブル等への対策を講じております。
しかしながら、当社グループの想定を超えた事象の発生によって、情報システムに何らかの障害が生じた場合、当社の業務に重大な支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経済状況の影響について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの広告事業は、日本国内外の景気変動の影響を受けやすい傾向があります。当社は、渋谷や池袋、大阪・道頓堀といった繁華街の屋外広告媒体と、首都高速道路や大阪・新御堂筋といったロードサイドの屋外広告媒体という、性質の異なる媒体設置場所に投資することで、景気変動や国際情勢の影響を低減し、多様な業種・企業からの広告掲出を獲得してきました。
しかしながら、国内外全体の景気悪化や物価上昇、大幅な為替変動、広告予算の削減等の影響により、当社の屋外広告媒体への出稿が減少した場合や仕入額が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 国際情勢の影響について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社のデジタル媒体で使用しているLEDパネル等は中国製のものを中心に使用しております。そのため、中国製LEDパネル等の供給が停止した場合、一時的にデジタル媒体の設置やメンテナンスに影響が出る可能性はありますが、台湾製、韓国製又はアメリカ製等のLEDパネル等を活用することによって、その影響は限定的なものになるものと考えております。また、日本国外からの広告出稿も多いことから、国際情勢等の動向を注視し、情報収集をタイムリーに行うことで適切な対応策を早めに講じる取組みを実施しております。
しかしながら、テロや紛争、政治・経済情勢の変動等の影響により、日本国外からの広告出稿の停止や減少、LEDパネルの仕入高騰や供給の不安定化といった事案が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制等について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、事業活動を営むうえで、「屋外広告物法」及び各自治体の屋外広告物条例、「景観法」及び各自治体の景観条例、「建築基準法」、「都市計画法」、「道路法」、「道路交通法」、「建設業法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「労働基準法」等、様々な法規制の適用を受けています。
中でも、当社グループの主要な事業となる国内での屋外広告業は、各自治体の屋外広告物条例によって直接的に、屋外広告物の規制(広告物の設置場所、広告物の大きさ・高さ等の規格、広告物の表示及び掲出物件の設置に関する首長の許可等)と、屋外広告業を営むために必要な登録に関する規制を受けています。当社では、事業活動を行ううえで、必要な自治体にて屋外広告業の登録を行っており、その有効期間は5年間です。現時点において、屋外広告業の登録が取消しとなる事由は発生しておりません。
また、これらの法的規制等に適切に対応すべく、リスク・コンプライアンス委員会にて改正法や新法が事業に与える影響を評価しており、事業に何らかの影響を及ぼす法改正が発生する場合は、具体的な影響範囲の特定や対応策の検討・実施を行って、コンプライアンスの遵守に努めております。
しかしながら、何らかの理由により、これらの法令等の改廃若しくは新たな法的規制が今後制定された場合、又は屋外広告業登録が取消され若しくはその更新が認められない場合等には、当社グループの業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点の当社の屋外広告業登録等の状況は以下のとおりです。
取得年月・許認可等の名称 及び所管官庁等 | 許認可等の内容 及び有効期限 | 法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
2021年4月5日 屋外広告業(登録) 千葉市 | 屋外広告業の登録 千葉市 第20200号 2026年6月13日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年4月19日 屋外広告業(登録) さいたま市 | 屋外広告業の登録 さいたま市 さ広(28-1)第913号 2026年6月22日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年7月12日 屋外広告業(登録) 東京都 | 屋外広告業の登録 東京都 都広(3)第856号 2026年7月11日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年7月26日 屋外広告業(登録) 大阪市 | 屋外広告業の登録 大阪市 第2801号 2026年7月25日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年8月31日 屋外広告業(登録) 札幌市 | 屋外広告業の登録 札幌市 第767号 2026年8月30日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年9月5日 屋外広告業(登録) 名古屋市 | 屋外広告業の登録 名古屋市 (登3-1)第1041号 2026年9月4日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2021年6月18日 屋外広告業(登録) 仙台市 | 屋外広告業の登録 仙台市 第796号 2026年9月14日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2022年5月27日 屋外広告業(登録) 神奈川県 | 屋外広告業の登録 神奈川県 第748号 2027年7月31日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
2012年10月4日 特例屋外広告業(届出) 横浜市 | 屋外広告業の特例届出 第1700号 2027年10月3日まで | ・不正手段による屋外広告業者登録 ・屋外広告業登録取消処分後2年を経過しないこと ・屋外広告物条例に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過しないこと ・営業所ごとに業務主任者を選任していないこと ・登録事項の変更の届出をしない又は虚偽の届出をしたこと |
(6) 個人情報の保護について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、提供するサービスに関連して取引先等の個人情報を取扱っております。これらの個人情報については個人情報保護方針を定めることに加え、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が認定するプライバシーマークを取得し、適切に管理、保護しております。
しかしながら、外部からの不正アクセス等による不測の事態によって、個人情報が社外に漏洩する可能性は排除できず、そのようなことが生じた場合には当社グループに対する社会的信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社グループが保有する商標、コンテンツ等についての保護を図るとともに、知的財産権の侵害につながるような広告放映を行わないよう、掲出素材の法務・コンプライアンス審査を実施しております。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者から保護されない場合や、第三者から知的財産権の侵害を主張された場合において、当社グループの主張に対する防御又は紛争の解決のために費用や損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは、本書提出日現在において、事業運営及び業績に影響を及ぼす訴訟や係争は発生しておりません。法的問題の発生を最小限に抑えるために、リスク・コンプライアンス委員会の活動や役職員への教育を通じて、リスクマネジメントに注力しております。また、クレーム管理規程を定め、クレームに対する組織的な管理体制を構築しております。
しかしながら、顧客、取引先、従業員、株主等を含む第三者の権利・利益を侵害したとして損害賠償請求等の訴訟を提起される可能性や、行政機関による調査等の対象となる可能性、又は今後の業界環境の変化や新規事業への進出、既存事業の拡大等により意図せぬ訴訟を提起される可能性があり、それらが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自然災害・感染症等の影響について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の屋外広告媒体は屋外に設置されていることもあり、媒体の損壊や設備故障、停電や節電によるデジタルサイネージや照明の消灯等、自然災害の直接的あるいは間接的な影響により、サービス提供が不可能となる可能性があります。直近10年でこれらに該当する事象は発生しておらず、万が一の事態への備えとしてBCPマニュアルを定め、早期に正常な広告掲出が再開できるように図っておりますが、今後発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症等の影響により、当社媒体の設置されているエリアの人流が著しく減少した場合、当社媒体への広告掲出が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 競合について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
屋外広告事業は、屋外広告媒体として価値のある設置箇所が限定的、不動産オーナーへ支払う媒体料が高額となること、不動産オーナーとの強固な関係構築が必要であること、法令対応を含めたノウハウ獲得が容易でない等の理由から参入障壁が高く、当社と同様の好立地かつ大型な屋外広告媒体を複数展開する競合企業は少ない状況にあります。しかしながら将来的に、優れた競合企業の登場、競合企業によるサービス改善や付加価値が高いビジネスモデルの出現等により、当社グループの優位性が低下する可能性も否定できず、そういったケースが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 大手広告代理店との関係について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、株式会社電通の子会社である株式会社OOHメディア・ソリューションと多くの取引があります。同社に対する2025年6月期の売上高は1,049,147千円、売上高に占める割合は23.7%となっております。現状、当社は同社と安定的な取引関係にあり、複数の役職員が定期的に交流・情報交換を行い、連携して重要顧客向けに販売戦略を練る等、親密な関係の維持・強化に努めております。
しかしながら、何らかの要因により取引関係に問題が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 与信リスクについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は取引先に対し、与信調査の実施、与信限度額の設定等、与信管理に努めております。また、初回取引時やアナログ媒体の販売時等に前金取引交渉を徹底し、回収リスクを低減する取組みも行っており、これまでに債権を回収できなかった事例はありません。
しかしながら、取引先の経営破綻又は信用状況の悪化により当社グループが保有する債権が回収不能になるリスクは否定できず、そういった事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 広告放映・掲出上のトラブルについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、デジタル媒体・アナログ媒体を問わず、関連設備の稼働状況や、掲出素材内容、制作内容に不備や瑕疵、欠陥等がないことの確認作業を行っており、人為的及び機械的なトラブルの発生可能性を可能な限り低減できるよう努めております。また、広告素材の審査を当社内にて実施しているほか、媒体運営時の周辺住民からのクレームについて、クレーム管理規程により適切に対応する旨定めております。他にも、万が一のトラブルへの備えとしてBCPマニュアルを定め、早期に正常な広告掲出が再開できるように図っております。
しかしながら、設備の故障や掲出素材内容、制作物等の何らかの瑕疵や欠陥、又は設置媒体へのクレーム等に起因して広告主等に損害が生じた場合や正常な広告掲出ができなかった場合、その損害やサービスの不足分の規模により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 技術革新及びメディア環境の変化について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
広告市場においてインターネット広告の成長は著しく、広告主は従前より多様な広告手段を選択できる環境となっています。当社グループは、屋外広告の良さを追求しつつ、インターネット広告との効果的な同時広告展開を可能とするサービスを提供しております。
しかしながら、今後当社グループの想定を超えて広告主によるインターネット広告の偏重が進行した場合や、日本の人口減少にともない人流に多大な変化が生じる等、屋外広告を取り巻く環境が大きく変化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 環境変化にともなう媒体価値の変化について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
屋外広告媒体は、設置されたエリアの環境変化による影響を大きく受ける広告媒体です。広告媒体の前にビルが建ち看板面が見えなくなった、地区開発により通行者の人流が大きく変化した等の理由により、広告媒体の価値が低下する可能性があり、また、周辺住民からのクレーム等により、法規制に適合した広告媒体であっても運営ができない事案が発生する可能性があります。当社では、媒体設置エリアの周辺開発情報を積極的に収集することで、媒体価値の維持やリスク察知を図るとともに、クレーム管理規程により周辺住民からのクレームを適切に管理する社内体制を構築しております。
しかしながら、主力である屋外広告媒体の価値低下や、クレームへ適切に対応できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16) 主要媒体への業績の依存について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の屋外広告事業の主力はデジタル媒体であり、その中でも売上高上位4媒体(シブハチヒットビジョン(※1)、OMOSANシンクロ(※2)、シンクロ7シブヤヒットビジョン(※3)、ツタヤエビスバシヒットビジョン(※4))で全体の売上高の50%超を占めております。そのため、当社では主力となりうるデジタル媒体の新設に注力しており、毎年新設媒体をリリースすることで売上の拡大と収益源の分散を図っております。
しかしながら、何らかの要因により当初の計画どおりに新設媒体をリリースできなかった場合や、設置した媒体の稼働状況が当社の想定を大幅に下回った場合、また、何らかの理由で主力デジタル媒体の稼働状況が悪化等した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
※1 渋谷スクランブル交差点前に設置された、単面かつ広告用では日本最大級の超大型デジタル媒体。渋谷エリアの様々な場所から視認できる視認範囲の広さが特徴。
※2 表参道交差点に面した合計6面を備えた、日本のファッションの中心地である表参道エリアで最大のサイズを誇る大型デジタル媒体。L字型を活かした“肉眼3D”放映が可能。
※3 渋谷駅宮益坂口エリアに位置し、全7面のサイネージを連動して放映するシンクロ放映媒体。スクランブル交差点付近や宮益坂下以外にも、渋谷エリアの様々な場所から視認できる視認範囲の広さが特徴。
※4 大阪・道頓堀エリアに位置し、上下2面を使った放映が可能。歩行者とサイネージ面との距離が近く視認性が高い点や、視認エリアの滞留性が高い点が特徴。
(17) 媒体開発について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、「好立地」「大型」を重視し、高額の設備投資を要する屋外広告媒体の設置を行っており、また、毎年新設媒体をリリースすることで売上の拡大を図っております。
しかしながら、設置先候補や不動産オーナーとの交渉、行政との折衝等により当初の計画どおりに媒体開発が進捗しなかった場合や、設置した媒体の稼働状況が当社の想定を大幅に下回った場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) 複数面展開の屋外広告媒体について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、複数のビルに設置した媒体を組み合わせたセット商品を、デジタル媒体・アナログ媒体ともに複数展開しております。これらの商品は複数の不動産オーナーとの賃貸借契約からなり立っておりますが、当社では予備面の設置や不動産オーナーとの関係性の維持、媒体設置ビル周辺の定期的な環境チェック等を通じて、セット商品の商品性を維持しております。
しかしながら、不動産オーナーとの関係性悪化や媒体周辺環境の変化等によりセット商品の商品性を維持できなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19) 不動産オーナーとの関係性について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の事業は、不動産オーナーよりビルの壁面や屋上を賃借し、賃借料を支払うとともに広告媒体を設置しております。役職員が定期的に不動産オーナーとの交流を行うことで親密な関係の維持・強化に努めており、いずれの不動産オーナーとも良好な関係性を構築できておりますので、主要媒体に係る契約解除の可能性は限定的だと考えております。
しかしながら、今後何らかの事象によって不動産オーナーと当社の関係が悪化し、主要媒体の賃貸借契約が解消された場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20) 資金使途について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の公募増資による調達資金の使途は、国内の大型デジタル媒体設備投資への充当を計画しております。デジタル媒体の新設やリプレイスの計画立案に際しては、その媒体価値や投資の必要性について詳細に検討しておりますが、事業環境の変化にともない、現在計画している資金使途を変更する場合や、計画どおり資金を使用したとしても、期待どおりの成果を上げられない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21) 屋外広告媒体施工・メンテナンス時の事故について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の保有する屋外広告媒体は、すべての施工・メンテナンスを外部委託しております。当社においては、仕入取引担当者が取引先の品質保証の体系や品質検査結果の情報を入手し、必要があれば当社の業務計画や媒体新設・管理工程等に支障をきたさないよう指導監督しています。また、媒体の新設施工や改修工事等において、状況に応じて途中工程での立会検査を実施しており、安全性を確認しております。
しかしながら、当社が保有する屋外媒体の落下、倒壊等により人的被害が発生した場合は、その事故の規模により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(22) 財務上のリスクについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの資金調達の状況は、有利子負債が2025年6月末では1,522,785千円となっており、総資産に占める有利子負債の比率は23.6%となっております。また、自己資本比率は52.4%であります。当社は複数の金融機関と友好的な関係を継続しておりますが、今後の事業展開や経済情勢、経営環境の変化等によって、機動的に資金調達を行うこともあり、有利子負債の金利負担が増加した場合や調達金利が上昇した場合、新たに計画した資金調達が不調に終わった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(23) 固定資産の減損について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社では、広告媒体ごとに固定資産を認識しており、営業活動から生じる損益、回収可能価額を著しく低下させる事象、経営環境の著しい悪化の有無等により、減損の兆候の有無を把握しております。減損の兆候がある広告媒体が十分な将来キャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(24) 配当政策について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要な政策の一つと考えており、企業価値を最大化するための中長期的な取組みや事業拡大に必要な内部留保とのバランスを勘案し、継続的かつ安定的な株主還元を実施していくことを基本方針としております。
当社は毎年配当を計画しておりますが、将来的には一層の事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながるとの考えから内部留保の充実を図る等、配当政策の方針転換を行う場合があります。
(25) 繰延税金資産について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得等を見積り、回収可能性があると判断した範囲内で繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が見積りと異なることで繰延税金資産の全部又は一部の回収可能性がないと判断され、繰延税金資産を減額することになった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(26) 株式の流動性について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
本書提出日の前月末現在(2025年8月31日)における当社の流通株式比率は、29.4%です。今後は、公募増資による当社の事業計画に沿った成長資金の調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(27) 新株予約権に関するリスクについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、中長期のインセンティブプランとして、当社の役職員に対するストック・オプション制度を採用し、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の決議において承認を受け、新株予約権を取締役、従業員に対して付与しております。
本書提出日の前月末現在(2025年8月31日)における当社の発行済株式総数は7,113,800株、新株予約権による潜在株式数は69,600株(発行済株式総数に対する割合1.0%)であり、これら当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、当社では、今後も優秀な人材確保のために、同様なインセンティブプランを継続して実施していく方針を有しており、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(28) 特定人物への依存について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)
創業者兼代表取締役会長である松丸は当社事業に関する専門的な知識、技術、経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において、屋外広告に関する専門的な知識や経験を活かした意見を述べる等の重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会やその他会議体においてその他の役職員への情報共有や権限移譲を進める等の組織体制の強化を図りながら、特定人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由により松丸が経営、業務執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(29) 海外進出について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)
当社はシンガポールに連結子会社であるHIT SINGAPOREを設置し、ASEAN諸国における事業展開を計画しており、2027年6月期には屋外広告事業での売上計上を目指しております。また、ASEANでデジタル媒体の保有・新設を行うための媒体開発資金として、当社よりHIT SINGAPOREに対し、2026年6月期の100百万を皮切りに総額300百万円の投融資を、2028年6月期までに行う予定です。ASEANにおける広告市場調査を詳細に実施し、進出先における協力者の選定を慎重に行う等、事業展開に際しての準備には万全を期してまいりますが、進出先における政治的・社会的・経済的混乱や予測不可能な法令変更等を含む何らかの要因により、当社子会社の海外事業戦略の変更を余儀なくされた場合、将来的な当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(30) 代表取締役の海外滞在について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)
当社代表取締役会長である松丸敦之は、当社子会社であるHIT SINGAPOREの社長を兼任し、広告市場調査や現地パートナーの開拓のため、1年のうち半分以上、現地滞在する体制をとっております。このような体制を採用した理由として、以下の3点が挙げられます。
① ASEAN進出を通じた事業拡大
長期的に当社が大きく飛躍するために、ASEANでの屋外広告事業の展開は不可欠であると判断しております。そのため、シンガポールに法人を置くことで、今後ASEANにて媒体獲得交渉を行う場合や協業先の現地資本企業を探す場合に一定の信用力を有して交渉ができるというメリットを享受できると考えております。また、現地での本格的な事業展開時の準備期間を短縮できる点や現地人材確保等の点においても有利に働くことが期待されます。
② 屋外広告媒体に造詣の深い人員の配置
松丸を現地に滞在させている理由としては、当人の長年にわたる業界経験に基づき、マクロでの屋外広告市場調査能力、ミクロでの屋外媒体の市場調査能力、現地パートナーとの交渉力等において最適な人材であり、加えて媒体開発までのリードタイム、収益を生み出せる屋外媒体の発掘力、費用対効果等に関してもメリットを生み出せると総合的に評価したためであります。
③ 海外進出を果たすうえで現地情報の精緻な把握が必須
屋外広告は、電波や印刷物を介して広範囲に伝達されるマスメディアの広告や、世界中どこにいても同質的に伝達されるインターネット広告とは異なり、広告媒体がどこにあるのか、そこはどんな場所なのか、ということが重要視される広告媒体であり、人流が多く視認性に優れた好立地での媒体確保ができるか否かが、屋外広告事業の成否を分けるポイントです。そのため、長期滞在を通じて、進出候補先の現地の情勢を常に把握しておくことが望まれます。広告コンテンツに関しても、どのようなメッセージやクリエイティブが好まれるのか(あるいは嫌われるのか)について、法令等の規制や文化的側面も含めて深く理解する必要があります。
以上の理由に加えて、松丸は情報収集能力や分析力に長けていることから、現地に長期滞在することは重要かつ効率的だと考えております。今後HIT SINGAPOREでは、従来よりも具体的な媒体開発に直結した活動が行われていく予定で、その存在意義はさらに高まるものと考えております。なお、ASEANの事業が後継者育成も含めて軌道に乗った際には、松丸を中心とした海外体制を解消する予定です。また、当社グループでは子会社の撤退基準(累積損失3億円以上かつ3年連続で営業赤字)を設けており、この基準を満たした場合、黒字化の目途が立つかどうかを含めた総合的な判断を行い、取締役会で撤退の決議を行うこととなっております。HIT SINGAPOREについては、新規デジタル媒体の稼働の始期となる2027年6月期を基準とする予定です。
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