企業兼大株主ニデック東証プライム:6594】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 ニデックグループは、研究開発活動における長期的な視点として、「社会の脱炭素化に貢献するモータの高効率化」と「省資源を促進するモータの小型・軽量化」を追求しています。同時に、基幹部品間の最適な組み合わせによるモジュール単位での付加価値創出にも注力しています。急速に変化する社会のニーズとニデックグループの持続的な成長を確実につなぐ研究開発体制の構築は、喫緊の課題です。

 このような認識の下、ニデックグループは持続的成長に向けて注力すべき5つの重点分野を定めました。

 ① AI社会を支える(熱マネジメント/冷却の電力削減)

  : データセンター、半導体検査装置/ウエハ搬送装置

 ② サステナブル・インフラとエネルギーの追求(再エネ化を促進)

  : スマートグリッド、発電機、エネルギー貯蔵システム(BESS)

 ③ 産業の生産効率化(オペレーション効率の向上)

  : 工作機械・プレス機、精密減速機、物流(ドローン)

 ④ よりよい生活の追求(空調の電化/効率向上)

  : 商業施設(空調/エレベータ)、ヒートポンプ、生活家電

 ⑤ モビリティイノベーション(電動化/ハイブリッド化)

  : 車載部品、電動バイク、空飛ぶ車(eVTOL)、ハイブリッド化(鉄道/船舶)

 これらの分野は、CO2排出量削減、データ量の増大、高齢化と労働力不足といった世界共通の社会課題を背景に生まれた新たなニーズであり、ニデックグループが培ってきた技術力を活かせる有望な市場です。経営資源を集中的に投下しこれらの重点分野に関連する製品開発を推進します。

 当連結会計年度におけるニデックグループ全体の研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、1,024億85百万円です。

 なお、各事業本部内に設置している開発部門のほか、各セグメントに帰属しない「全社(共通)」として研究開発部門があります。ニデック新川崎テクノロジーセンター及びニデック製品技術研究所台湾センターでは、将来の事業に不可欠なモータ全般の要素技術研究を担い、電子回路、熱、騒音・振動、制御といった要素技術の一層の高度化を進めています。また、ニデックけいはんなテクノロジーセンターでは、ロボットやIoTを活用したスマートファクトリーの実現、新素材・新システムの開発、検査技術革新、データ解析、シミュレーション等、既存の製造方法の枠にとらわれない生産技術の進化を主軸とした研究開発を行っています。これらの研究拠点は、各開発部門や多様化する国内外グループ会社間の技術シナジーを創出し、成長を加速させる役割を担います。

 更に、これらの製品開発及び技術開発を一層加速させるための戦略的な取り組みとして、「グローバル技術戦略コミッティ」を立ち上げました。ニデックグループには、創業以来50年以上にわたり培ってきたモータ技術のみならず、要素技術、加工技術、ソフトウエア技術等、広範なノウハウが蓄積されています。しかし、これらの貴重な技術資産が事業部の垣根を越えて十分に共有・活用されているとは言えない状況でした。この課題を克服し、グループ全体の技術力を結集して新たなビジネスを創出する強固なコアコンピタンスを確立すること、それがグローバル技術戦略コミッティの狙いです。本コミッティを通じて、グループ横断的な知見の共有と連携を深め、イノベーションを加速させていきます。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額は、51億47百万円です

 セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりです。

(1)SPMS

 当セグメントにおいては、精密小型DCモータ及びファンモータ等、精密小型モータ全般にわたる基礎及び応用研究、水冷モジュール等サーマルソリューションの提案、新製品の研究開発及び各拠点の技術的支援研究を行っています。

AIサーバを中心とした高性能演算サーバに搭載されるプロセッサーの最適な冷却ソリューションとして、CDU(Coolant Distribution Unit)・QC(Quick Coupling)・LCM(Liquid Cooling Module)・LCM(Liquid Cooling Module)の開発を行っています。また、通信・IT用ファンモータの開発にも注力しています。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額は、267億79百万円です。

(2)AMEC

 当セグメントにおいては、脱炭素社会の実現に貢献する電気自動車(EV)向けの駆動用をはじめとする車載モータやシステム、アクチュエータの新製品開発や量産化、品質向上に取り組んでいます。

 小型・高性能を特徴としたパワーステアリング用モータやブレーキ用モータを主力製品とし、車両に搭載される各種アクチュエータ用モータ(クラッチ、シート、サンルーフ等)及び付随する電子制御ユニットの開発を進めています。また、車両熱マネージメントに使用されるポンプアクチュエータや、マイルドハイブリッド車向けジェネレータ用モータの開発にも注力しています。更に、シャシー領域における次世代トレンドであるSteer By Wire用モータの先行開発を活発化させる等、将来の新システムに向けたアクチュエータ全般の開発を手掛けています。

 電気自動車(EV)向け駆動用システム(E-Axle)及び部品の開発を強化しています。これまでの3in1システム(インバータ、ギア、モータ)に電源系機能を統合し、7in1システムへと発展させました。車両レベルで複数の機能を統合することで、スペースや原材料の使用量を大幅に削減すると共に、徹底した現地調達化を図り、小型化・軽量化・低コスト化した第3世代EV向けE-Axleの量産を開始しました。更に、高回転化・新冷却構造・新制御技術を軸に、システム効率を一層向上させた次世代7in1E-Axleの開発に取り組むと共に、ステータやロータといった部品開発に注力しています。また、将来を見据えた取り組みとして、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が脱炭素社会の実現を目指して設立したグリーンイノベーション基金事業の一環として、磁石フリーの次世代E-Axleの開発も進めています。加えて、E-Axleや車載用モータにセンサや制御装置を組み合わせた統合型システムの開発も行っています。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、142億83百万円です。

(3)MOEN

 当セグメントにおいては、脱炭素化社会、AI、省人化・省エネ化の波を背景に、再生可能エネルギー普及を支えるバッテリーエネルギー貯蔵システムや、現在急増しているデータセンターに欠かせないバックアップ電源用発電機、省人化に直接寄与する自動搬送ロボット等、現在の市場・社会的ニーズとリンクした研究開発活動を行っています。また、更なる社会の発展を見据えて、次世代の移動手段の可能性を拡大する電動垂直離着陸型航空機(eVTOL)用のモータ・制御器の研究開発にも力を入れています。

 主な研究開発対象は次のとおりです。

・電力変換ソリューション

 -バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)

 -電気自動車充電スタンド

 -電力品質安定化システム

・産業用・データセンター用発電機

 -産業/商業/住宅/建設用発電機

 -通信基地局用発電機

・産業用オートメーション

 -自動搬送ロボット駆動機構モジュール

 -ロボットアーム向け関節モジュール

・建機・商用車電動化装置

 -多目的車両(Utility Task Vehicle)、ゴルフカート用モータ・ギア・制御装置

 -大型トラクションモータ

 -マテリアルハンドリング、高所作業車用モータ・ギア・制御装置

・駆動装置

 -小型汎用ドライブ

 -ポンプ用及び空調等各種産業向けドライブ

 -インフラ用高出力ドライブ

・エレベータ

 -MRL(マシンルームレス・エレベータ)用スリム巻上機、貨物エレベータ用ギアレス巻上機

 -制御機器及び周辺機器

 -巻上機及び制御機器のパッケージソリューション

・電気自動車関連部品

 -EVトラクションモータ

・その他、新市場向け開発製品

 -電動垂直離陸・着陸機体用モータ・制御装置

 -高高度(亜成層圏)対応機体プラットフォーム用モータ・制御装置

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、171億20百万円です。

(4)ACIM

 当セグメントにおいては、主に家電・住宅・商業・産業用のモータやポンプ、コンプレッサー、コンデンシングユニット、及び関連する電子制御装置の研究開発を行っています。特に産業用では、より高効率なモータ(IE4、IE5)や大型高効率インバータに注力しており、モータ全体の消費電力を削減することで、産業施設の省エネに貢献しています。

 主な研究開発対象は次のとおりです。

・家電用:洗濯機、乾燥機、食洗機、コンプレッサーに使用されるモータ、及び冷蔵庫コンプレッサー

・住宅/商業用:空調設備や商業冷蔵機器に使用されるモータ等

・産業用:IE3・IE4・IE5対応モータ(各種上下水道ポンプ、灌漑システム用ポンプ、エアコンプレッサー、

 石油・ガス・精製産業用ポンプ等)、大型インバータ(最大3MW)

・中型旅客機用の電気推進装置に向けた新規研究開発

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、118億46百万円です。

(5)機械事業本部

 当セグメントにおいては、人手不足解消に必要不可欠なロボットや自動化設備のキーコンポーネントである減速機関連製品の開発を日本、中国及びドイツで行っており、プレス機関連製品については、小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機、更には周辺機器である高速送り装置まで幅広い製品ラインナップの開発を日本、米国、スペイン及びドイツにて行っています。工作機械関連製品については、自動車・自動車部品、金型、建設機械、電気・精密機械向けの工作機械の開発を日本で行っています。

 減速機関連製品としては、精密制御用減速機であるFLEXWAVE(特に協働ロボット関節駆動用マルチセンサ内蔵の「Smart FLEXWAVE」)、同 大型減速機KINEXシリーズ及び高効率で機種バリエーションが豊富な高精度遊星減速機VRシリーズを中心に研究開発活動を行っており、日本のみならずアジア・欧米の市場をターゲットとして、産業用ロボット・工作機械、自動化設備への搭載を目的とした製品開発に注力しています。

 プレス機関連の研究開発としては、プレスラインの効率的な運用やメンテナンスコストの削減を目指した、予防・予兆保全システムの研究等を行っています。

 工作機械事業については、今後も成長が見込まれる中国、インドを中心に海外市場をターゲットとして自動化、高精度化、複合化、大型化/微細化等、キー技術を各製品に展開して開発を推進しています。

 歯車機械では、EV化に伴う歯車精度の高精度化・高能率化ニーズに応えるために本体、加工、ソフトウエアに搬送、計測等の周辺アプリケーションを含めた自動化、統合化を進めています。また、ホブと面取り工程を一体化した複合機として4月に中国で開催されたCIMT(中国国際工作機械展覧会)に出展しました。

 大型機は、EVやエネルギー市場で伸長するワークの大型化、高精度化に取り組んでいる門形5面加工機では、世界的に需要が急増中のデータセンター用発電機の大型エンジンを効率的に加工できるアタッチメント類の開発や自動車向け金型の生産性向上のためデジタルツイン技術や制御ソフトの研究開発に注力しています。

 レーザ加工機は、微細穴の更なる高精度化、高速化に加え、複雑で微細形状への対応、金属3Dプリンタは国内でも使用事例が出はじめている自動車や航空機分野でのニーズに対応する研究開発を行っています。

 マシニングセンタは、付加価値の高い5軸加工機、複合加工機の本体開発と共に自動化、省人化に注力しています。2024年にJIMTOF(日本国際工作機械見本市)に出展した立形5軸マシニングセンタVB-X650に付属した立体パレットシステムの機種展開を行っています。2025年9月にドイツで開催されるEMOショー(欧州国際工作機械見本市)にも出展する予定です。

 旋盤では、多品種少量生産や工程集約のニーズに対応し、「コンパクト複合旋盤TCYシリーズ」と、工作機械グループのシナジー効果を生かし、汎用機でのギヤ加工ニーズに対応した「ギヤ加工アプリケーション搭載の複合加工機TMX-4000Ⅱ、TS-4000YS」を上市しました。又、スイス式自動旋盤を展示会に出展し、小型旋盤市場への参入を表明しました。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、23億68百万円です。

(6)グループ会社事業

当セグメントでは、多様な分野で製品を開発しています。

モータ技術やサーボ技術を融合させた「カラクリ・トロニクス」製品として、ステッピングモータ、スマートフォン・ゲーム関連製品、モータ駆動ユニット製品群、システム機器関連の開発を行っています。

車載分野では、電動化・電装化の進展と同時に車両価格に見合った機能のニーズが高まっており、インターネット接続可能な車両ではサイバーセキュリティ機能の搭載ニーズがあります。高性能化と低コスト化のため一定の機能を統合したゾーンECUやアクチュエータ用ECU、HV用DCDCコンバータの開発に注力しています。更に、世界初のバイク用電動クラッチECUをリリースし、利便性向上と運転負担軽減を実現しました。海外開発体制の整備や要求管理ツールの導入を通じ、自動車メーカーのニーズにも柔軟に対応しています。

電子機器関連市場では、AIサーバ向け製品分野の設備投資が回復傾向であり、新型検査装置の開発を行っています。

空調・家電用モータでは、省エネ・省材料とモータ性能向上のため、磁気回路・制御回路の改良や巻線材料を銅からアルミへ置き換える取り組みを行っています。新興国へのエアコン普及に伴い、使用環境の多様化に合わせたモータ構造や保護回路の見直しにより堅牢性を高めた製品の開発を行っています。

産業用モータでは、効率性とカスタマイズ性を両立させた製品開発を進めており、自動化や再生可能エネルギー導入に伴う需要増に応え、市場拡大を加速しています。

主な研究開発対象は次のとおりです。

・自動車のボディ制御

 -ボディコントロールモジュール

 -パワーウィンドウスイッチを含むドア周辺制御ユニット

 -二輪車用スマートエントリーシステム

・パワーエレクトロニクス事業

 -電動パワーステアリングECU

 -電動車向けDC/DCコンバータ

 -車載充電器

・スマートフォン・ゲーム

 -スマートフォン用光学手ブレ補正

 -触覚デバイス

・モータ駆動ユニット

 -車載サーマルマネージメント

 -小型モータ、センサ、制御ソフト等を統合した製品群

・システム機器

 -各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化機器

 -液晶・有機ELディスプレイ関連機器

 -半導体ロボット関連機器

 -真空装置内搬送機器

・検査装置

 -半導体ウエハ用光学式自動検査装置

 -半導体パッケージ用自動検査装置

 -プリント基板、タッチパネル、FPC用検査装置

・空調・家電用モータ

 -家庭用・業務用ファンモータ

・産業用モータ

 -ポンプ(汎用ポンプ、油圧ポンプ、等)

 -ファン・ブロワ(送風機、シロッコファン、冷却塔、等)

 -荷役搬送機器(クレーン、ホイスト、巻上げ機、等)

 -防爆環境機器(粉砕機、撹拌機、計量器、等)

当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、249億42百万円です。

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