ニチレイ
【東証プライム:2871】「食品業」
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企業概要
当社グループは、市場の変化に対応した新商品及び新技術の開発並びに新規事業の育成を目指した研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発費は2,206百万円で前期に比べ239百万円増加しました。セグメント別の内訳は、加工食品事業では1,436百万円、低温物流事業は479百万円、その他の事業は291百万円となりました。
セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。
(1) 加工食品事業
㈱ニチレイフーズでは、当社グループのマテリアリティ1番「食と健康における新たな価値の創造」の実現に向けて、2023年度に新たなブランドステートメント「おいしさと健康を、わかちあえる世界へ ~FoodJoy Equity®~」を策定しました。
当連結会計年度は、このステートメントの実現に向けて、冷凍が持つ機能を活かし、健康コンセプトの新ブランド『everyONe meal(エブリオンミール®)』を立ち上げ、販売を開始しました。
・『everyONe meal』シリーズ開発の背景
健康志向の高まりとともに、私たちの生命活動の維持に欠かせない重要な栄養素であるたんぱく質を含む、肉や大豆、プロテインなどの食品が注目を集めています。一方で、たんぱく質の目標摂取量は、全ての年代で不足している実態があり、日本人の1人1日あたりのたんぱく質摂取量は1950年代と同水準に低下しています。このような背景を踏まえ、おいしさと栄養の両立を目指し、冷凍技術で出来立ての品質を味わうことができ、たんぱく質が摂れる食事メニューを開発しました。
『everyONe meal』シリーズでは、一人ひとりのお客様を表す「エブリワン」と日常の食事「ミール」を組み合わせ、必要な栄養素を「ON」することをコンセプトとしています。
・商品特長
素材の味や香辛料を生かした調理法で配合をコントロールする「おいしさ再現技術」を活用し、100gあたりたんぱく質を9g以上配合した、主食から軽食まで、毎日の食事で手軽においしくたんぱく質が摂れるメニューを展開しています。
2024年6月のECルートを皮切りに9月には首都圏の小売店ルートで販売を開始、2025年3月からはアイテムを拡充し全国小売店ルートで販売を開始しています。
(2) 低温物流事業
トラックドライバー2024年問題による「運べなくなるリスク」や、物流現場における深刻な労働力不足など、様々な社会課題を解決し、持続可能な低温物流を実現することを目的に、作業の省人化や簡易化に資する技術検証、システム開発に取り組んでおります。
作業の省人化では、冷蔵・冷凍環境下における自動運転フォークリフトや無人搬送機(AGV)の実証実験及び業務実装を進め、効果検証を行っています。また、荷役作業においてもアームロボットやシャトル型ラックを活用して省人化を進めるとともに、様々な機器が連動することで一連の作業工程の省人化を実現すべく、研究・開発を継続しています。
一方、作業の簡易化では、タブレットを利用した入出荷作業や人工知能を利用した賞味期限管理機能などを実装し、データを活用して最適な作業示唆・指示を行う作業タスクマネジメントシステムの研究・開発を進める一方、IoTを活用することで、全国の物流センターに設置された冷凍機を遠隔監視するシステムを構築し、保守・メンテナンス業務の効率化を実現するとともに、新たな価値の創出に向けた研究に取り組んでいます。
(3) その他の事業(バイオサイエンス事業)
分子診断薬、イムノクロマト製品の開発を行っております。分子診断薬製品では自動染色装置HISTOSTAINER AT関連試薬(Kappa-CISHプローブ(AT用)及びLambda-CISHプローブ(AT用)、いずれもin situ ハイブリダイゼーション製品)を研究用試薬として販売開始しました。イムノクロマト製品では、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザを同時検査できる抗原定性検査キット「アンスペクトコーワW」をOTC医薬品(一般用医薬品)として製造販売開始しました。
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