企業兼大株主ダイフク東証プライム:6383】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

 当社は、事業環境や社会環境の変化、デジタルトランスフォーメーションやサステナビリティ経営といった時代の要請に応えるため、2021年10月1日付で経営理念を改定し、「モノを動かし、心を動かす。」としました。当社グループの競争力の源泉であり、これまで培ってきた「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」、すなわち「モノを動かす技術」(マテリアルハンドリング)でお客さまへの提供価値を変革し、健全で心豊かに生きられる社会の実現を目指します。

 当社は、2021年4月からスタートした3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」(以下、中計)で、ニューノーマル(新常態)や、グローバルでの自動化ニーズの拡大といった当社グループを取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、DX2(DXスクエア)※を推進しています。

 ※DX2(DXスクエア)=Digital Transformation × Daifuku Transformation

 通常のデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation=DX)の推進だけでなく、ダイフク自身も変革し(Daifuku Transformation)、お客さまをはじめとするステークホルダーへの提供価値を変革していきます。

 中計の最終年度にあたる2024年3月期の経営目標は以下のとおりです。連結売上高については、前期末受注残高が積み上がっているものの納入までのリードタイムの長期化に伴い、翌期に売上計上する比率が低下しているため、微増に止まる見通しです。営業利益率についても、インフレ・人件費高騰の影響による減益を見込んでいます。なお、()内は2023年3月期の実績です。

・連結売上高6,050億円(6,019億円)

・営業利益率9.0%(9.8%)

・ROE(自己資本当期純利益率)10%以上(13.2%)

・連結配当性向:2022年3月期~2024年3月期の3カ年の平均で30%以上(33.6%)

 また、当社グループでは、中計と「サステナビリティアクションプラン」を経営戦略の両輪と位置づけ、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。環境面では、2023年5月に改訂した「ダイフク環境ビジョン2050」において、2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を実現します」と掲げ、3つの重点領域と2030年の環境目標を設定し、取り組んでいます。

 中計の詳細は、当社ウェブサイトの『新3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」策定 他のお知らせ』(2021年2月5日公表)及び『中期経営計画「Value Transformation 2023」経営目標の修正に関するお知らせ』(2022年5月13日公表)を、ダイフク環境ビジョン2050は『「ダイフク環境ビジョン2050」の改定について』(2023年5月12日公表)を、サステナビリティアクションプランは『「サステナビリティアクションプラン」の策定について』(2021年4月1日公表)をご覧ください。

  https://www.daifuku.com/jp/ir/assets/0205_2.pdf

  https://www.daifuku.com/jp/ir/assets/20220513_01.pdf

  https://www.daifuku.com/jp/sustainability/assets/20230512_1.pdf

  https://www.daifuku.com/jp/sustainability/news/2021/0401_01/

〔図〕中期経営計画「Value Transformation 2023」の概念図


〔図〕「Value Transformation 2023」最終年度の目標


(2) 経営環境

① 事業環境

 世界的なインフレや人件費の上昇、欧米における経済の減速懸念など、産業界全般の先行きは見通し難い状況にあります。そのような中、当社グループのお客さまは、「eコマースの拡大」「デジタル化の進展」「EV車へのシフト」「空港のスマート化」をはじめとする事業環境の大きな変化や、人手不足という社会問題にも直面しています。このため、当社グループが提供する「スマート・ロジスティクス」への期待はますます高まっていくものと確信しています。

② 競争環境

 マテリアルハンドリング市場の拡大に伴い、従来の欧米メーカーに加え、中国などの新興メーカーが参入・成長してきており、今後さらなる競争の激化が見込まれます。コンサルティングから、ものづくり・据付・アフターサービスまでの一貫体制、及びハードウエア・ソフトウエアの豊富なラインアップを通じて、グローバルに最適・最良のシステムを提供するという当社グループの強みに磨きをかけ、厳しい競争に打ち勝ってまいります。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 中計の根幹となる事業ポートフォリオについては、従来どおり、①一般製造業・流通業向けシステム、②半導体・液晶生産ライン向けシステム、③自動車生産ライン向けシステム、④空港向けシステムの4つをコア事業とし、グローバル市場で継続的な発展を目指します。

2023年3月期は、グループ全体の収益性向上と成長と図るため、

・事業構造の再点検と改革による収益性向上

・先端技術・新規事業開発による成長戦略の構築

・DX推進の加速によるさらなる生産性向上

 などに取り組みました。

 すでに実績のある一般製造業・流通業向けシステムの生産改革手法を参考に、2022年3月からコストダウンに取り組んでいる半導体・液晶生産ライン向けシステムで順調に成果が出てきているほか、空港向けシステムも欧州現地法人の体制変更等を断行し、収益性が改善しました。2024年3月期は、特に海外現地法人の収益性向上を加速するための構造改革に取り組んでまいります。

 担当役員を新設して取り組んでいる先端技術及び新規事業開発については、先端技術ではAIをテーマとした人材の育成に注力していきます。新規事業はテーマや主幹事業部門を絞り込んでいくステージに入ります。

 また、DXについては、エンジニアリング・設計の効率化や安全対策などにAIを活用し、具体的な成果が出てきています。DX本部の主導で、引き続き、情報システムや業務改革でも活用を推進していきます。

 当社グループの2023年3月期の海外売上高比率は約67%となりました。さらなる売上拡大や持続的成長に向けた「生産能力の増強」と「生産の現地化」については、2023年3月期は、北米(Jervis B. Webb Company)の新工場が稼働を開始したほか、中国(大福自動搬送設備(蘇州)有限公司)、インド(Daifuku Intralogistics India Private Limited)、韓国(Clean Factomation, Inc.)の生産能力増強を進めました。今後は国内(滋賀事業所)でも、生産能力増強を含めた再開発等を進めていきます。

 また、「サステナビリティ」「コンプライアンス」「ガバナンス」「安全」についても引き続き重要な課題であると捉えています。

① サステナビリティ経営

 当社グループでは、中計と「サステナビリティアクションプラン」を経営戦略の両輪と位置付けています。サステナビリティ経営の推進組織としては、CEO(代表取締役社長)を委員長とする「サステナビリティ委員会」を2020年4月に設置し、その取り組みについては適宜、取締役会に報告しています。

「サステナビリティアクションプラン」は、SDGsに沿って「スマート社会への貢献」「製品・サービス品質の維持向上」「経営基盤の強化」「人間尊重」「事業を通じた環境貢献」の5つのテーマを設定し、それぞれのテーマに関連する18のマテリアリティを特定するとともに、3カ年の行動計画をまとめたものです。

 これに先立ち、2020年に「TCFD提言」に基づく気候変動のリスクと機会の分析結果を公表しました。2021年10月には、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って「ダイフクグループ人権方針」を策定・公表しました。

 2022年11月より、当社グループ最大の工場「滋賀事業所」では、敷地内に設置しているメガソーラーの活用を中心に事業所内で使用する電力をすべて再生可能エネルギー由来へと切り替えました。これにより国内CO2排出量のスコープ1、2の約60%(海外を含めると約16%)を削減できます。

 なお、2023年5月12日付で改定した「ダイフク環境ビジョン2050」の主なポイントは、①パリ協定が求める1.5℃目標の水準を充足するため、2030年の自社CO(スコープ1、2)排出量削減目標(2018年度比)を「25%以上」から「50.4%」に引き上げたこと、②水資源、及び生物多様性保全、啓発活動についても新たに目標を設定したこと、などです。

 人的資本への投資では、多様な人材マネジメント制度を採用し、グローバルかつダイバーシティの観点で人材の育成・登用に努めています。

② コンプライアンスの徹底・グループガバナンスの強化

 コンプライアンスは、事業活動すべての前提になるものです。単に法律を遵守すればいいということに止まらず、当社グループの今と未来を支えているのは、一人ひとりの高い倫理観と責任ある行動であることを、教育・研修などを通じグローバルベースで徹底していくとともに、不正が起こりえない事業の構造に改革していきます。

 コーポレートガバナンスについては、2022年3月期は取締役9名中4名の社外取締役を選任しており、企業経営経験者、財務・会計や法律の専門家、海外経験者、女性の登用など取締役会の多様性を確保しています。

 また、2021年4月に「リスク・ガバナンス室」(現「ガバナンス推進室」)、2022年4月に「リスクマネジメント委員会」(委員長:CEO)を新たに設置しました。さらに、2023年4月より新たにグループチーフオフィサー(CxO)を設置し、ガバナンスの強化・意思決定のスピード化を図りました。

 各グループオフィサーとその役割については次のとおりです。

・CFO(Chief Financial Officer):最高財務責任者

・CHRO(Chief Human Resource Officer):最高人事責任者

・CIO(Chief Information Officer):最高情報責任者

・CPO(Chief Production Officer):最高生産責任者(生産担当役員を改称)

・CTO(Chief Technology Officer):最高技術・R&D責任者(先端技術・新規事業開発担当役員を改称)

③ 「安全専一」の徹底

 一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを発揮できる職場環境づくりに努めていくうえで、社員やその家族、お客さま、お取引先の生命・健康・安全を確保することが何よりも優先されます。「安全は、『第一』『第二』と相対的な順位を付けるものではなく、絶対的なもの、『専一』なものである」という意識をグローバルに浸透させ、引き続き、グループ一体となって災害や不安全行為の撲滅に取り組んでいきます。

※「安全専一」は、古川機械金属(株)の登録商標です。

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