企業ダイキョーニシカワ東証プライム:4246】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 CO2排出による気候変動が大きな社会問題となり、政府より2050年カーボンニュートラルが宣言されました。自動車業界も脱炭素に向けた取り組みが一段と加速しており、パワートレインの電動化に加え、ものづくりにおけるCO2排出量の低減も急務となっております。また、車と外部の情報通信、自動運転技術等の新しいモビリティー社会実現に向けた技術開発も重要な課題となっております。このような業界動向に対し、当社は製品の軽量化や植物由来材料の採用、ものづくりの中で排出される廃棄物『ゼロ』を目指した取り組みにより、CO2排出量の低減を推進しています。また、樹脂と電装デバイスの融合による操作性の向上や、センシング技術の組み込み等で安全に貢献する技術開発も進めています。これらの独自技術の深化により、心地よいクルマ社会に貢献してまいります。
 当社において、R&D本部、開発本部、技術本部が中心となり、材料、加工、構造等の要素技術の研究から新製品の開発まで、一貫した研究開発活動を行っております。本社移転を機に、研究開発、設計、生産技術の拠点を一か所に集約するとともに、研究施設を拡張・充実することで、効率的な開発体制を構築しました。製品の信頼性試験を実施しているテクニカル試験センターも、計画通り2023年2月に本社へ集約しました。また、関係会社との連携体制としては、加工技術分野の金型、機械、治具等の研究開発は、主に子会社のデック株式会社と共同で行い、構造設計分野におけるCAD設計・CAE解析の研究開発は、主に子会社の帝恩汽車部件(上海)有限公司、DaikyoNishikawa Korea Co., Ltd.と共同で行っております。その他、材料研究を中心に、大学・研究機関・外部企業と幅広く共同研究活動を行っており、特に本社近隣の各研究機関との連携強化を図っています。
 当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は2,473百万円であり、主な研究開発の活動内容は下記に記載しております。また、当社グループは当社の商品戦略に基づき、日本を中心とした研究開発活動を行っており、この研究開発費につきましては、90%以上が日本セグメントであることから、一括して記載しております。

(1)脱炭素社会に向けた技術開発
 外装部品領域においては、内製ブレンド樹脂材料、独自成形工法を用いたテールゲートなどの新規の樹脂化開発により、スチールに比較して約30%軽量化するとともにコスト低減も達成しました。軽・小型自動車に加えて乗用車に採用を広げております。更なる車種展開のため、機能・付加価値向上と原価低減の開発を推進しております。また、植物由来材料(セルロースナノファイバー)の軽量・高リサイクル性の特性を生かした工法の基礎開発を完了し、製品開発に移行しています。
 内装部品領域においては、内装トリム、トランクトリム部品、空調ダクト等に樹脂発泡成形技術を展開し、約25%の軽量化を達成しました。発泡成形技術は、内装部品の適用拡大に加え、外装部品への適用を目指し更なる高発泡・高外観工法の開発を推進しております。また、循環型社会に貢献するため、捨てられる素材を再利用した新たな価値を付加する加飾部品の開発にも力を入れています。
 パワートレイン部品領域においては、電気自動車などの電動化対応として、大型バッテリーパックの高付加価値化やインバーターの樹脂化に取り組んでおります。また、電動化により冷却系統が複雑化しており、当社が開発した樹脂製の冷却パイプへの期待は高まっています。 
 製品開発の領域においては、MBD(モデルベース開発)に取り組み、使用材料の最小化、量産立ち上げ時のロスの削減、製品開発期間の大幅短縮を目標に開発力向上を図っています。
 ものづくりの領域においては、製造する上で排出される廃棄物を再利用するための技術開発を進め、廃棄物『ゼロ』を目指した活動にも取り組んでいます。
 

(2)快適性向上開発
 自動車の車内における快適性を向上させる加飾、塗装、縫製技術等のデザイン提案を行い、次世代車の内装部品への適用を目指しております。乗員の触れる内装部品の質感、触感向上においては、表皮材やウレタンフォームの研究を完了し、車両搭載を実現しました。また、電動車では高い車内の静粛性が求められるため、車内の遮音・吸音性能を向上させると同時に車の走行距離を伸ばす熱マネージメント技術の開発にも着手し、商品化を進めています。
 

(3)樹脂と電装デバイスの融合
 デザイン性や安全性を向上させるため、光透過表皮技術と電装技術を融合させた先進的な操作デバイスの開発を推進しております。また、電子部品の機能安全を保障する開発プロセスを構築し、お客様に安全なデバイスを提供する開発体制を整備しました。

(4)独自技術の深化
 新製品開発を支える要素技術である樹脂材料、成形技術、金型技術の領域において、独自の技術開発を実施しております。要求品質を満足するため、自社独自の樹脂材料ブレンド技術を開発し、バンパー、樹脂ボディ部品の薄肉化や低比重化を実現し、車両の軽量化に貢献しております。また、要素技術開発領域ではMBR(モデルを用いた研究開発)を大学と共同で進め、高度分析技術と現象のモデル化により、短期間での材料開発を目指しています。

(5)次世代技術の研究開発

 当社は、4つの中期商品戦略(コックピット、フロントエンド、パワートレイン、テールゲートモジュール)の中で、軽量化、遮音性、断熱性等の商品価値を高める技術開発を進めております。特にコックピットにおいては、製品枠を超えた機能統合を進めており、革新的な製品の実現に挑戦しております。

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