文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは、「三方よしの精神」“売り手よし 買い手よし 世間よし”を基本理念とし、「レンティアグループは 顧客を創造し 社業発展 進歩を図り 社会に貢献する」ことを企業理念としております。その上で「レンタル事業を核として 顧客のニーズにこたえ 環境負荷低減に努め 未来との共生を図る」という環境ポリシーのもと、FF&Eの総合レンタルサービスを軸に、社会から必要とされる企業グループとして循環型社会や持続可能な社会の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、成長力向上を図るため売上高営業利益率とEBITDAを目標指標として採用しており、「売上高営業利益率7.8%」、「EBITDA29億5千万円」の達成を目標値として設定しております。また、株主資本を効果的に運用するために自己資本当期純利益率(ROE)も目標指標として採用し、「ROE12%以上の確保」を目標値として設定しております。
(3) 経営環境
新型コロナウイルス感染症の感染者が増減する中、ウイズコロナが進み各種制限の緩和により景気の回復が期待される一方、世界経済のリセッション懸念やインフレの高止まりに伴う各国の金融引き締め、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、台湾の地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループでは、このような状況の中、主力であるレンタル関連事業に関しましては、建設現場向け市場においては大型再開発案件の着工数の増加、生産設備の国内回帰等による設備投資案件は多数存在するものの、資材高騰による採算悪化や工事の延期も懸念されます。イベント向け市場においては、G7広島サミット、世界水泳をはじめ、音楽フェス及びスポーツイベント等は計画通り開催される予定であり、企業のPRイベントの回復も期待されることから出件数において増加することを見込んでおります。オフィス市場においては、現時点での官公庁主体のBPO案件の出件は未知数であるものの、BPO市場自体は今後も底堅い成長を遂げると予測していることから、引き続きBPО案件の需要を見込んでおります。また、当社グループでは、オフィス・工場等の移転業務のすべてをワンストップで提供するファシリティ・マネジメントサービスや、レンタルとして提供していた商品を独自のメンテナンス技術で再生し、リユース品として販売するサービスを展開しております。これらの取り組みを通じ、再資源化や新たな付加価値創造を推進することで真の循環型社会の形成に貢献してまいります。
スペースデザイン事業に関しましては、首都圏分譲マンション市場における2023年の供給戸数は前年比8.2%増加の3.2万戸(㈱不動産経済研究所調べ)と予測されており、東京23区、都下、千葉県が大幅に増加する見込みであります。特に都心部においては、東京駅周辺や港区、品川区、新宿区等で再開発が進み大規模なマンションの販売が予定されており底堅く推移すると予想されます。
物販市場に関しましては、主要販売先となる官公庁や郵政関連市場での設備投資の抑制が懸念され厳しい受注環境が継続するものと思われますが、民間企業向けのオフィス移転に伴う買い替え需要や2024年度に予定されている新紙幣の発行に伴う機器の需要もあり、売上の回復が期待されます。
また、市場を問わず企業のICT投資について、「ニューノーマルと呼ばれる多様な働き方へのバックアップ」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」等、今後の日本経済の成長を高めるための投資需要は継続して期待されております。
当社グループでは、ESG経営を標榜し、積極的なDXによる企業価値の拡大を目指しております。当社の連結子会社のコーユーイノテックス株式会社は、2022年10月にDX認定を取得し、より一層顧客のICTパートナーとしてデジタル関連製品や新しいサービスを提供し、業務改善や効率化を推進しております。加えて、当連結会計年度より連結子会社(孫会社)化した株式会社ジービーエス、株式会社ジービーエスシステムズ及び株式会社カインドビジネスと共に顧客のICTパートナーとしてDX化に貢献してまいります。このように、当社グループではサスティナブルな社会実現に向け、DXを意識した「人財の育成」と「環境ICTビジネスモデル」を構築し価値創造に努めると共に、SDGsの取り組みも強化してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①提供サービス、商品ラインナップの拡充
現在、当社グループでは、多くのラインナップと商品点数を保有し顧客から一定の評価をいただいております。しかしながら生産性向上やICTを活用したソリューションなど業界を問わないマーケットニーズや再生エネルギーへの関心の高まりによる「脱炭素」需要、また今後マーケット規模拡大が予測されているe-スポーツ向け需要など、個別業界におけるニーズを解決するために、より付加価値の高い商品やソリューションサービスの提供が当社グループの課題となっております。これらに対処するために、各メーカーや異業種企業など業界を問わずコラボレーションし、新規商品及びサービスを拡充することに加え、サステナブル調達についても積極的に推進してまいります。
②新たな収益源確保に向けたマーケットの開拓
当社グループは、建設向け市場、イベント向け市場、マンション市場、官公庁市場により安定的な収益を確保しておりますが、今後さらなる収益基盤の確保に向けて、オフィス市場におけるBPO案件やオフィスの移転業務等による収益の拡大を図ります。さらにICTサービスを成長市場と位置付け、中小企業が顧客基盤であるジービーエスグループにより新たな収益の確保に向けた取り組みも推進してまいります。
③人材育成の強化
人材育成は当社グループの成長の礎であり、いかに自律した「個」を備えた人材を育成できるかが重要な経営課題の一つと認識しております。この考えのもと、当社に人材開発部を新設し、各種研修制度の見直しのみならず専門性や経営視点の高い人材を育成するなど、人材育成制度の整備の強化に取り組んでまいります。
④リスクマネジメント、コンプライアンスの推進
リスクマネジメント、コンプライアンスの推進は、我々の未来を守るために非常に重要な課題と捉えております。当社グループでは、リスクの把握と未然防止を適切に推進できるよう、リスクマネジメント規程を定め、グループ全社に浸透させ継続的に取り組んでいくことを目的にリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会では、現場が直面しているリスクを把握し、重点管理リスクの決定を行い、リスクアセスメントを有効に実施し、リスク管理体制を拡充していくことにより、経営の健全性及び企業価値の向上に努めてまいります。
コンプライアンスについては、当社グループが事業展開している個別事業に関連する法令及び規則の遵守に努めております。加えて、単に法令及び規則の遵守にとどまらず、基本理念に則り企業倫理の遵守を徹底しながら企業活動を行うことがさらに重要であると考えております。この考えのもと、グループ全社員がコンプライアンスの意義を理解し、高い倫理観を持って企業活動のみならず社会活動においてもコンプライアンスを実践できるように、実効性のある教育体制の構築を推進してまいります。
⑤物流の2024年問題への対応
政府主導の働き方改革の一環で、2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間となり、物流業界ではドライバーの増員確保、車両の増車、荷主側のドライバーの待機時間や納品回数を減らす改善措置等への取り組みが喫緊の課題とされております。こうした中、荷主側ではこれらに伴うコスト増が予想され、価格への転嫁ができない場合は企業収益を圧迫する可能性があります。
当社グループの対応として、物流の2024年問題の課題解決の根幹が配送物流業者の労務管理であると捉えて、配送管理システムを活用した配送業務効率の最大化、ドライバーの待機時間の削減に積極的に取り組んでまいります。
⑥インフレ対応
各業界において、世界的なエネルギー価格や部材等の高騰により、商品の仕入価格の上昇が顕著となっている中、当社グループにおいても仕入価格は上昇基調にあり、調達を抑制するためには効率的な商品の運用を行うことが課題となっております。こうした中、当社グループにおいては、需要予測の精度を高めることにより効率的な商品運用を実現し、インフレによる調達への影響が最小限となるように努めてまいります。
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