エフテック
【東証スタンダード:7212】「輸送用機器」
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企業概要
文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 会社の経営方針
当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する “チャレンジ精神”、“環境・地域社会、株主・従業員との共生”を基本理念としており、優れた技術力に基づく 優良な品質の製品を適正な価格で提供することに努めております。
こうした企業活動を推進することで、「わたしたちは世界的視野に立ち、高い志と誠をもって価値を創造し、国家社会に貢献すると共に豊かな未来を築く事に全力を尽くす。」との社是を実践し、世界中の得意先からの顧客満足度No.1の評価を得るとともに、一般社会からその存在を期待される企業となるよう努めております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
第15次中期経営計画では全社方針を「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」と定めました。エフテックファミリー全体で「Back to Basics」「Challenge for New」を土台に事業基盤をしっかり固め、将来の持続的成長に向けた活動に取り組んでいきます。具体的な取り組みは以下のとおりです。
<Back to Basics>
① 稼ぐ力の強化
モノづくりの本質追求から稼ぐ力を強化し、収益の向上へと繋げていきます。
② 財務体質の健全化
第14次中期経営計画投資による成果の創出やモニタリング機能、分析力の強化により財務体質を健全化していきます。
<Challenge for New>
① 戦略的な成長ビジネス機会の追求
北米新子会社設立により、北米地域におけるEV自動車メーカーに対する営業活動及びこれらに関連する業務を強化していきます。
② サステナビリティ経営の構築
ESG経営の取り組みを通じて企業価値を向上させていきます。方針を策定し、サステナビリティの具現化に向けて組織的に推進していきます。
(3) 事業の経過及び成果
当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、完成車メーカーが戦略を軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しくなっております。 こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を進めました。中国では得意先の生産減へ適切に対応するため要員数の適正化や固定資産の減損により事業の構造改革を完了させました。
(4) 対処すべき課題
① 短期的な課題
翌2025年度における世界経済は、米国新政権の関税政策や、移民政策、更にはEV推進政策の撤廃により当社が事業を営む自動車業界においては、米国をはじめ関連諸国の生産台数減等の経済的な影響が激化すると想定しています。このような自動車部品業界の情勢悪化の中、「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」との全社方針の下、「モノづくりの本質追求」から稼ぐ力の強化と財務体質の健全化に繋げ、「得意先に対する新たな価値の提供」を通し、成長機会を深く追求することを全社一丸で取り組んでいます。
特に、
・海外課題拠点の課題解決と再建計画の遂行
・原価低減と併せ、労務費や物価上昇、追加関税影響に合わせた適正な価格転嫁
・EV化ニーズへの柔軟且つ的確な開発と生産対応
・前中期経営計画で大規模投資を行ったメキシコ拠点での効果創出
・財務状況モニタリング体制の強化による収支、投資の一元管理
・従業員エンゲージメントの向上施策実行による企業体質強化
・サステナビリティ経営に向けた基盤構築
以上について、当社の企業価値向上に直結する重要な短期的な課題と位置付けています。
② 中長期的な課題
[自動車産業の変化と課題]
日本においては少子高齢化、人口減少に伴い国内市場が縮小し、新車販売台数の減少が続いています。一方、海外では、中国市場は独自の進化を続けており、得意先の多様化が課題になります。安定的に高い需要が見込まれる北米と今後更なる市場の成長が期待されるインドでは、それぞれの市場ニーズを的確に把握し、新たな成長戦略の立案と事業展開を適切に行うことが求められます。
(サステナビリティ)
カーボンフリーなサステナブル社会の実現という世界的な潮流の中、米国では新政権誕生により、世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが停滞する可能性もありますが、当社の社会的な責任と捉え、地球環境を重視した取り組みを今後もしっかり継続していかなければなりません。サステナビリティ経営として、当社と社会の持続的成長の実現に向け、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の領域での重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの重要評価指標(KPI) を設定し、その実現に向けた取り組みを今後も進めていかなければなりません。
(人的資本)
企業がサステナビリティ経営を目指すうえで、従業員のモチベーションを向上させ、エンゲージメントを引き上げることが不可欠です。全従業員の個性を尊重し、個々の成長段階やキャリアに応じて能力を最大限に引き出すための人的資本戦略と人材育成の具体的取り組みが重要になります。
[当社グループの取り組み]
こうした環境下、当社グループとしては、以下の事項に積極的に取り組んでまいります。
・各極の市場動向変化に対応した新規開発受注活動の積極展開
・日本の生産技術力と現場管理力の更なる進化と海外拠点への伝承
・海外拠点のモノづくり力(安全・品質・コスト・納期)の強化と稼ぐ力の向上
・インド事業への経営リソースの投入強化
・カーボンニュートラルへの具体的取り組みの推進
・ESG重要課題への継続的取り組み
[当社の長期ビジョン]
当社グループは、世界中のお客様が求める価値を提供し、「足廻り機能領域の専門メーカーとして世界No.1を目指す」ために進化を続けてまいります。
「足廻り機能領域」とは、当社グループが得意とする「サブフレーム」、「サスペンション」、「ペダル」の3つのコア領域のことを指し、まさに当社グループのアイデンティティを表しています。また、当社グループが目指す「世界No.1」とは、売り上げ規模ではなく、社員全員が「モノづくりの本質」を誰にも負けないと自信を持って言えるまで追求することであり、最終的にはお客様の評価によって決まるものと考えています。
当社グループは、「高品質な製品を安全に、高効率、最少エネルギーで生産し、企業努力をしっかり反映させたコストレベルで、お客様にオンタイムで供給する。」との「モノづくりの本質」を追求することで、お客様の評価「世界No.1」を目指すべく、以下の5項目を徹底的に追求してまいります。
1. お客様から最高評価獲得 | :品質、コスト、納期、マネージメントのすべての領域においてお客様から最高の評価を獲得します。 |
2. 新価値提供 | :お客様が求める以上の価値を他社にはない形で提供します。 |
3. 新技術開発 | :新たな発想、新たなアプローチから生まれるアイデアを駆使し、独自の技術を世界に展開します。 |
4. ネットワーク構築 | :他専門メーカー様と知見を共有する協業ネットワークを拡充し、互いの専門性を融合させることで、新たな価値提案を行います。 |
5. 収益力強化 | :「モノづくりの本質追求」で既存事業の盤石化を図るとともに、新たな成長機会への投資を的確に実行できるよう収益力を高めてまいります。 |
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