エスペック
【東証プライム:6859】「電気機器」
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企業概要
当社グループ(当社および連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」の実現に向けた4カ年ごとの中期経営計画(StageⅠ~Ⅲ)として、2022年度より最終ステージである中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」を推進してまいりました。2024年度に中期経営目標を1年前倒して達成したことから、2025年度を初年度とする中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」を策定いたしました。中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」では、基本方針を「筋肉質で持続可能な高利益体質の確立」と掲げ、持続的な企業価値向上を目指しております。
2035年のエスペックの姿を描いた長期ビジョンは策定中ですが、10年後も環境試験業界において世界的トップランナーであり続けること、当社の創業の精神であるプログレッシブを継承するとともにイノベーティブな発想・活動ができるエスペックグループを目指してまいります。
当社は、企業理念「THE ESPEC MIND」の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指すサステナビリティ経営を推進しております。当社が社会と共に成長し中長期の価値向上を果たすために、優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)を特定しております。具体的には、グローバルな事業を通じた社会課題解決、責任ある製品サービスの提供、環境への配慮、多様な人材の確保・育成、グループガバナンスの強化の5つを重要課題としております。これらの課題を中期経営計画の各戦略に反映し、取り組んでまいります。なお、重要課題は、社会の変化に合わせて柔軟に見直しを行ってまいります。
(1)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益、ROEです。
中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」(計画実施期間2022~2025年度)では、中期目標として2025年度に売上高650億円、営業利益75億円、営業利益率11.5%、ROE10.0%以上を目指してまいりましたが、2024年度に売上高672億円、営業利益75億円、営業利益率11.2%、ROE11.0%となり、1年前倒して達成することができました。新しい中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(計画実施期間2025~2027年度)では、中期目標として2027年度に売上高700億円、営業利益105億円、営業利益率15.0%、当期純利益76億円、ROE12.0%以上としました。持続的な企業価値向上に向けて「質の向上」に舵を切り、筋肉質な企業体質へと転換してまいります。
中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」の基本方針や中期経営戦略につきましては(2)③に記載しております。
(2)長期ビジョン及び中期経営計画
①長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」
<エスペックの姿>
・グローバルに〈環境〉をインテグレートするエスペック
・先端技術の安全・安心に貢献する企業
・クリエイティビティとバイタリティにあふれる成長企業
②中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」(計画実施期間2022~2025年度)
2025年度目標:売上高650億円、営業利益75億円、営業利益率11.5%、ROE10.0%以上
2024年度実績:売上高672億円、営業利益75億円、営業利益率11.2%、ROE11.0% 1年前倒し達成
<基本方針>
個と職場の慣性と惰性を打破し、先端技術の実用化に貢献する
・IoT・次世代自動車市場に貢献する商品・サービス提供に向けた積極的な成長投資
・ビジネスチャンスと不測の事態に対する変化対応力を高める
<中期経営戦略>
a.環境試験事業戦略
装置事業セグメント
(ⅰ)重点先端技術分野(IoT、次世代自動車)の製品ラインアップの拡充
(ⅱ)カスタム製品のグローバルでの競争力強化と新市場開拓
(ⅲ)オープンイノベーションの推進による新環境因子技術の拡充
サービス事業セグメント
(ⅰ)お客さまの悩みを解決するトータルテクニカルサポート業への転換
(ⅱ)先端技術分野向け試験の拡充と試験技術の高度化
b.グローバル戦略
中国、欧州、韓国におけるマーケティングの強化
c.新規事業戦略
新規事業の基盤確立と新たな分野へのチャレンジ
d.モノづくり改革とDX戦略
(ⅰ)デジタル技術による先進的カスタマイズモノづくり
(ⅱ)データ活用による顧客接点強化と社内情報蓄積・共有
(ⅲ)デジタル技術によるビジネススタイルの刷新
e.組織開発・人材開発戦略
(ⅰ)企業理念の浸透と自律的な社員が育つ組織づくり
(ⅱ)リーダーシップ改革と学び直しの推進
(ⅲ)DX、グローバル人材育成と多様な社員の活躍推進
f.経営基盤強化戦略
(ⅰ)安定調達と品質システムのレベルアップ
(ⅱ)持続的で健全な成長を支えるコーポレートガバナンス
(ⅲ)第8次環境中期計画の達成
<2024年度の主な取り組み>
a.環境試験事業戦略
装置事業では、恒温(恒湿)器プラチナスJシリーズECOタイプや急速温度変化チャンバーなど製品ラインアップを拡充いたしました。サービス事業では受託試験事業において「あいち次世代モビリティ・テストラボ」として愛知県常滑市に「あいちバッテリー安全認証センター」を開設するとともに豊田試験所の機能を拡張いたしました。
b.グローバル戦略
欧州では経済減速の影響を受けましたが、中国ではEV・バッテリーやIoT市場を中心に販売拡大に取り組み、韓国ではグローバル企業や受託試験機関への販売を強化いたしました。
c.新規事業戦略
サーマルソリューション事業では、半導体の実装基板の熱による影響を可視化するシステムなどを開発し受託計測サービスを拡充いたしました。食品機械事業では急速冷凍装置を発売いたしました。
d.モノづくり改革とDX戦略
受注残高の消化および生産負荷の平準化に向けて、要員の増加、生産スペース拡大、外注活用により国内の生産能力を増強いたしました。
e.組織開発・人材開発戦略
教育制度の拡充や次世代経営人材の育成に取り組みました。また、コミュニケーションの活性化を推進するとともに、新しい人事評価制度の立案やエンゲージメントの向上に取り組みました。
f.経営基盤強化戦略
企業理念の海外子会社展開などグループガバナンスの強化に取り組むとともに、サステナブル調達ガイドライン
を策定いたしました。また、環境中期計画のもと地球温暖化対策や生物多様性保全活動を推進してまいりました。
③中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(計画実施期間2025~2027年度)
持続的な企業価値向上に向けて「質の向上」に舵を切り、筋肉質な企業体質へと転換してまいります。
<基本方針と目標>
『筋肉質で持続可能な高利益体質の確立』
質の向上と利益成長により「筋肉質な企業」となることで持続的な企業価値向上を目指す
■ターゲット市場:AI半導体、自動運転、衛星通信
■中期目標:2027年度 売上高700億円、営業利益105億円、営業利益率15.0%
当期純利益76億円、ROE12.0%以上
※想定為替レート(米ドル)は145円
<中期経営戦略>
a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略)
装置事業ではターゲット市場であるAI半導体、自動運転、衛星通信分野の試験ニーズに、多彩な製品群やカスタム対応力、新製品開発によりお応えしてまいります。また、日本、米国、中国を重視するエリアとし、グループの総合力を活かしてグローバル市場での競争優位性を確立してまいります。さらに、IT・デジタル技術を駆使しモノづくりの省力化・自動化を強力に推し進め、収益性の向上に取り組んでまいります。
サービス事業では、受託試験事業において「あいち次世代モビリティ・テストラボ」を中心に収益拡大を目指してまいります。アフターサービス事業では、IT・デジタル技術の活用により、装置の遠隔監視など顧客の課題を解決するサービスを提供してまいります。あわせて、将来の収益の柱となる新たな事業創出を目指し、CAE(Computer Aided Engineering)に関連したサーマルソリューションサービスや食品機械事業の拡大に取り組んでまいります。
b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略)
「資本コストと株価を意識した経営」に向けて、総資産の効率化と、3年間のキャッシュアロケーションに基づく株主還元の実施、IR活動の強化に取り組んでまいります。
c.非財務戦略(ESG)
人材獲得・育成やエンゲージメントの向上など人的資本の取り組みを強化してまいります。また、環境への取り組みや、グループガバナンス・リスクマネジメントの強化といったガバナンス向上にも注力してまいります。
<2025年度目標及び取り組み>
2025年度目標:売上高680億円、営業利益85億円、営業利益率12.5%、当期純利益61.9億円、ROE11.0%
※想定為替レート(米ドル)は145円
中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」の初年度として、モノづくりの高効率化や新製品開発など成長投資を実行するとともに、2025年5月15日の新しい株主還元方針に基づき株主還元を実施してまいります。事業環境としましては、EV・バッテリーの主に生産用途の需要が減少すると想定しておりますが、AI半導体、自動運転、衛星通信市場の需要を獲得してまいります。また、製品リードタイムの短縮による受注残高の消化や原価改善・コストダウンにより収益性の向上を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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