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【東証プライム:6859】「電気機器」
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企業概要
当社グループでは研究開発活動としてコア技術である環境創造技術の深耕とネットワークシステム技術や電子デバイス計測制御技術との組み合わせにより、AI、自動運転分野や5G・IoTに関連する市場に向けた各種試験装置の製品開発を行いました。また、新たな事業領域である食品機械市場、マテリアル市場に向けた製品開発や、省エネルギー・地球温暖化対策といった環境負荷低減技術の研究開発を行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発費は1,343百万円であり、事業セグメント別の研究開発費は装置事業1,283百万円、サービス事業59百万円です。装置事業及びサービス事業の研究開発活動の成果は次のとおりであります。
(1)装置事業
①地球温暖化係数(GWP: Global Warming Potential)の低い新冷媒R-473Aを搭載した恒温恒湿器の各モデルの開発を進めております。冷媒R-23よりGWP値が88%削減された新冷媒を採用するとともに、独自技術により性能確保をしながら省エネを実現し、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量低減に貢献してまいります。
②環境試験器のグローバルスタンダードモデルである恒温(恒湿)器「プラチナスJシリーズ」について、ECOタイプ6器種を開発し発売を開始しました。ECOタイプは現行モデルと比較して定値運転時の消費電力を最大70%低減できます。特に、電池の充放電試験や電子部品・電子機器の性能評価試験など定値の長期運転において、高い省エネ効果を発揮します。
③急速温度変化チャンバーのハイパフォーマンスモデルを開発しました。本モデルは、半導体の業界試験規格及び国際試験規格に適合し、試料温度を20℃/分で勾配制御可能です。高集積化・高密度化により発熱量が増大する高性能半導体の信頼性確保に向けた試験需要に応えてまいります。
④急速温度変化チャンバーの大容量300Lタイプの発売を開始しました。一度により多くの試料に10℃/分の温度勾配での試験を可能としました。
⑤先端パッケージ、材料評価用の次世代のエレクトロマイグレーション測定装置を開発しました。ストレス電流50mAであった従来装置に対し、50nAからの微小電流印加を可能としました。Beyond 2nm配線の信頼性評価が可能な製品として、先端半導体の信頼性向上に寄与します。
⑥半導体パッケージや実装基板の反り変形を可視化する「熱変形計測サービス」において、新たにリフロー炉の温度環境(最大260℃)及び大型基板サイズへの対応を開始しました。さらに、放熱設計用途向けに高速・高精度の「熱画像解析サービス」を開発し、熱設計向け受託計測サービスを拡充しました。
⑦-70℃の超低温で食品を急速に冷凍し、生鮮食品も鮮度を保ちながら保存できる「超低温ショックフリーザー」を開発しました。環境試験器メーカーならではの独自の温度制御技術を活用し、フードロスの削減という社会課題の解決に貢献します。
⑧神戸R&Dセンターに設置されている全天候型試験ラボを活用し、新たな試験方法の開発を進め、学術講演会等において情報発信を行っております。全天候型試験ラボでは、温度、湿度、雪、雨、霧、太陽光、風のような地球上のさまざまな気象環境を動的に再現することができます。社外への情報発信を進め、顧客の最先端ニーズに応えてまいります。
(2)サービス事業
①オンラインコンバーター及び槽内監視カメラのモデルチェンジを実施しました。装置稼働状況の一元管理や試験データの可視化を通じて、顧客における製品開発の効率化及びDX推進に貢献していきます。
②新試験所「あいちバッテリー安全認証センター」で、国際規則UNECE R100.03 PartⅡに準拠した国内初のEVバッテリーモジュールのLPGバーナー式耐火試験装置を開発しました。LPGバーナー式耐火試験は、安定した温度で再現性高く試験ができる点で期待が大きい試験手法です。
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