企業ウエルシアホールディングス東証プライム:3141】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 また、当社グループは、これらのリスクに対する管理体制を「第4 提出会社の状況」の「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備し、当社グループではこれらの事業等のリスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応や取組を行っております。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

① 地政学的要因による経済変動について

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、欧米各国を中心にエネルギー資源の需給関係逼迫から端を発し、世界経済はしばらく発生していなかったインフレに見舞われております。グローバル化した経済は局地的な地政学的リスクを契機として、様々な要因が絡み合いながら連鎖的に大きく変動していく可能性があります。そのような状況下にあって、原油、天然ガス等のエネルギー資源を輸入に頼る我が国は、長年デフレ下にありましたが、光熱費の高騰に加え、食品・日用品を中心に様々な商品の価格上昇が進行しており、全国2,751店舗において幅広い商品を取り扱っている当社グループの業績に対し大きな影響を与える可能性があります。

 当社グループは、ウエルシアモデルという調剤併設や24時間営業のドラッグストアを展開しております。このモデルの目指すところはお客様に対し利便性、専門性を提供できる店舗運営を追求することにより、出店地域に根差した必要不可欠な存在になることです。そしてこのウエルシアモデルを追求することにより、当社グループがどのような環境下にあっても持続可能な存在となり得ると考えます。

② 自然災害・感染症のパンデミック等について

 昨年6月には(株)コクミン及び(株)フレンチが、さらに12月には(株)ふく薬品が当社グループの傘下に入り、国内で事業展開するエリアは北海道から本州全域及び四国・九州、さらには沖縄まで広がりました。地球温暖化による気候変動が懸念されるなか、毎年、台風、洪水等の自然災害が全国各地で発生し、当社グループの事業展開するエリアが被災することもございました。また、広範囲で甚大な被害が想定される南海トラフ地震や今回の新型コロナウイルス感染症のような世界的な規模のパンデミックが発生した場合、当社グループの設備の損害や従業員の人的被害等により当社グループの一部または全部にわたり事業継続不能な状態に陥る可能性があります。

 当社グループは、社会インフラの一部を担う事業を展開しているという自覚のもと、複数の状況を想定した事業継続計画(BCP)を策定しており、BCPによる復旧プロセスを通じて事業中断による影響を最小限に抑えるよう想定しております。また、BCPの実効性を高めるため、定期的にグループ全体で予行訓練を実施しております。

③ 業務上関係する法令諸規則等の改正について

 当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」上の医薬品を販売するにあたり、各都道府県等の許可・登録・指定・免許及び届出を必要としております。また、酒類、たばこ、食品等の販売についても、食品衛生法等それぞれの関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としております。関係法令諸規則等の改正等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、法令諸規則等の改正に対して計画的かつ効率的に準備対応できるよう、当社グループで横断的なコンプライアンス体制の強化に努めております。

④ 薬剤師及び登録販売者の確保について

 薬局及び医薬品販売業では、医薬品医療機器等法により店舗ごとに薬剤師または登録販売者の配置が義務づけられており、調剤業務に関しては薬剤師が行わなければなりません。薬剤師及び登録販売者の確保は業界全体の課題であり、計画どおり確保できない場合は、当社グループの業務運営及び今後の出店計画にも影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、登録販売者となる総合職の採用部署と、薬科大学の卒業生を対象とした薬剤師候補の採用部署に組織的に分け、それぞれ採用活動を行っております。さらに採用後の離職率を下げるため、各種のリテンションプランの充実を図っております。また、政府が進める働き方改革に則り、必要に応じて人事制度について継続的な見直しを図っております。

⑤ 薬価基準及び調剤報酬の改定について

 当社グループは、調剤併設のウエルシアモデルを推進すること等により「地域No.1の健康ステーション」の実現に努めております。調剤売上は、薬剤収入と調剤技術に係る収入から構成されており、これらは健康保険法に定められた、公定価格である薬価基準及び調剤報酬の点数をもとに算出されております。薬価基準等の改定は定期的に実施されていくため、薬価基準等の改定は与件として事業展開を進めておりますが、改定の内容によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、適正な人員配置や機械化等による対物業務の効率化、薬剤師による対人業務の充実のための教育等、対応を進めております。

⑥ M&Aに伴うのれん等の処理について

 当社グループは、M&Aを行う際に対象会社の財務内容や収益力等について、詳細なデューデリジェンスを行い、買収価格の決定、のれんの計上を行っております。対象会社の業績が悪化し、のれん計上時に作成した事業計画と著しい乖離が発生した場合、減損処理を行う必要が生じ、これによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような状況下においては、当社において関連会社株式として計上している対象会社の株式についても、のれんと同様に減損処理の必要が生じる可能性があります。なお、2023年2月期末におけるのれんの残高は36,482百万円であります。

 当社グループは、当社の保有株式比率に合わせて各社の経営の自由度を尊重しつつも、当初の事業計画の実現の蓋然性を高めるため、事業機会の拡大・経営効率の向上に資するようなサポートをグループとして行っております。

⑦ 店舗出店政策について

 予期せぬ商圏の変化等により業績悪化や当初計画との乖離があった場合、さらには閉店を余儀なくされた場合、固定資産の減損処理が発生する場合があります。その場合、特別損失が計上され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、当初計画との乖離が生じた場合の原因分析、出店基準を見直す等、計画からの乖離の最小化を図っております。なお、当社グループは2024年2月期において年間122店舗の新規出店を計画しております。

⑧ 調剤過誤について

 当社グループは、調剤併設のウエルシアモデルを推進すること等により「地域No.1の健康ステーション」の実現に努めており、2023年2月期末の国内の調剤併設店舗数は2,019店、薬剤師数は7,706名となっております。調剤業務においては、死亡事故につながる調剤過誤は発生しておりませんが、万一、そのような事故が発生した場合、当社グループ全体のレピュテーションが毀損し、影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの調剤業務においては、深刻な事故は些細なミスの先にあるというヒヤリ・ハットの考え方のもと、どのような小さなミスも漏れなく報告を求める安全管理体制を構築しております。グループ全体で共有すべき事象があれば、発生事象に対する原因分析に基づく再発防止に向けた研修を実施する等、所管部署より周知徹底し細心の注意を払いながら業務を行っております。

⑨ 個人情報管理について

 当社グループにおいて、ⅰ)WAONポイントサービスやTポイントサービスの提供に伴うお客様の情報、ⅱ)調剤薬局における患者様の情報、ⅲ)化粧品カウンセリング等におけるお客様の情報、ⅳ)ECサイトシステムにおいて管理しているお客様の情報等の個人情報を扱っており、個人情報を適切に管理する事を社会的責務と考えております。万一これらの情報が何らかの形で外部に流出、漏洩した場合、情報流出の規模、状況次第では当社グループの業務運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 情報漏洩防止のための対策として、関係諸規程を整備し関係する従業員へのマニュアル・社内教育を行うとともに、ネットワークシステムでの対策、従業員を狙った外部からの詐欺的なメールに対応するため、グループを挙げて大規模な抜き打ちの訓練を実施しております。

⑩ 従業員の法令違反等について

 当社グループは、様々な法令に基づいて事業展開を行っており、故意ではなく業務の習熟度に起因する人為的ミスとして、法令違反等を起こしてしまう可能性があります。そうした事案の発生した状況によっては、企業としての管理責任を問われ、当社グループ全体のレピュテーションを毀損し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、従業員が適切に業務遂行できるよう、各種業務マニュアルの提供、対面形式またはオンラインによる研修の実施等に注力しております。また、改正公益通報者保護法(2022年施行)を踏まえ、コンプライアンスホットラインの体制を整備し運用しております。

⑪ 医薬品の販売規制緩和について

 改正薬事法で解禁された一般用医薬品のインターネット販売(2014年施行)の市場規模は、化粧品を含めて継続的に拡大しております。このような規制緩和による一般小売店での医薬品販売の自由化が進み異業種との競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、一般医薬品の販売に限らず、薬剤師、登録販売者、管理栄養士、調剤事務員及び化粧品担当者等の専門人材によるカウンセリング営業については、ウエルシアモデルを形成する4大方針の一つに掲げ展開を進めております。

⑫ グループ会社に対するガバナンスについて

 当社はドラッグストア事業を行うグループ会社を中心に、国内外の十数社により構成されております。グループ各社はそれぞれ企業としての成長段階や、それに伴う経営資源の配分も異なります。当社の傘下に入るにあたり、当社から各社へ取締役、監査役を派遣し、親会社としてグループ会社に対するガバナンスに注力してまいりました。しかしながら、グループ全体の成長のスピードに対し、当社のガバナンスが行き届かないことにより、事業計画の未達、思わぬ事故及び不祥事案が発生する可能性があります。

 各グループ会社に対しては、上記のとおり役員を派遣する以外にも、当社監査役や内部監査室等による監査や、当社の各事業部門によるモニタリング等、様々な階層から統制を行うとともに、相互に連携、協力しながら、実効性のあるガバナンスを目指しております。

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