ウェルネオシュガー
【東証プライム:2117】「食品業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、以下のパーパス・ビジョンを実現するために、判断・行動の基準となるバリューを定め、これに基づき事業活動を行ってまいります。
(2)資本政策の基本的な方針
当社の資本政策は、以下の4点により構成しております。
①中長期的なROE向上
当社は、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えています。売上収益利益率、財務レバレッジ、および総資産回転率を常に改善してまいります。
②安定性の上に業績連動を加味した株主還元
株主還元については、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)の目標値を設定し、継続性・安定性を保持した上で、当期利益に対する比率(連結配当性向(DPR))目標を設定し、業績が好調な場合の連動性を高めた配当を実施します。配当に加え、自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。
③長期的な成長と総資産回転率向上のための投資採択基準
長期的な成長と総資産回転率向上のための投資の規律として、リスクと戦略性のランク別に、投下資本利益率と投資回収期間を設定し、投資を厳選します。
④財務レバレッジの向上と安定性のバランス
成長投資の加速と株主還元の増大により、財務レバレッジを長期的に改善するとともに、継続的・安定的に企業理念を実現するため、健全なバランスシートを維持し、結果としてROEの持続的な改善を実現します。
当社では、こうした資本政策によって、成長投資と安定した株主還元を両立し、持続的な株主価値向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標
当社グループは、上記の「(1)会社の経営の基本方針」および「(2)資本政策の基本的な方針」に基づいて、以下の重点戦略を推進してまいります。
重点戦略1: Food&Wellnessの事業拡大
重点戦略2: Sugarの基盤強化
重点戦略3: 人的資本経営の推進
重点戦略4: サステナビリティ経営の推進
重点戦略の詳細については、「(4)経営環境および優先的に対処すべき課題」に記載しております。
また、目標とする経営指標につきましては、上記のとおり、ROEを中核的な指標と捉えております。
(4)経営環境および優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、消費の持ち直しが持続し、緩やかな景気回復が続く一方で、トランプ米政権の関税政策等、不安定な国際情勢や物価上昇による消費購買意欲の低下が懸念されるなど、2025年度においても先行き不透明な厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社は、2025年2月7日より東洋精糖株式会社の普通株式に対し金融商品取引法に基づく公開買付けを実施し、本公開買付けの結果、2025年3月31日付で同社は当社の連結子会社となりました。また、2025年10月1日付で当社を存続会社とし、連結子会社である第一糖業株式会社を吸収合併する予定です。業界再編を通じ、事業基盤拡充策を推進し競争力強化と最適なサプライチェーンの構築を実現することで、わが国の砂糖業界におけるリーディングカンパニーとしての責任を果たしてまいります。
(中期経営計画の進捗状況)
当社グループは、2024年度を初年度とする中期経営計画「WELLNEO Vision 2027」(2024年4月~2028年3月)に取り組んでおります。この中期経営計画では、「(3)中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標」に記載した4つの重点戦略を推進し、最終年度となる2028年3月期の経営目標を、営業利益(+持分法による投資損益)10,100百万円、当期利益7,000百万円、ROE9%としております。1年目となる当連結会計年度におきましては、営業利益(+持分法による投資損益)8,276百万円、当期利益5,565百万円、ROE7.7%となっております。
引き続き経営目標の達成に向けて4つの重点戦略を推進し、当社を取り巻く様々なステークホルダーの“Well-being”の実現を目指してまいります。
①Food&Wellnessの事業拡大
Food&Wellnessセグメントにおきましては、健康増進による人々の生活の質の向上に貢献するべく、フードサイエンス事業とフィットネス事業により、幅広い場面で活用される多種多様な機能性素材・サービスを提供してまいります。
フードサイエンス事業では、腸内・口腔フローラデザイン機能を持つ素材や、高付加価値製品の収益拡大に向け、各種施策を実行することで、Sugarセグメントに次ぐ収益の柱への成長を目指します。「沖縄・奄美のきびオリゴ」(フラクトオリゴ糖)は顧客ニーズに基づきパッケージデザインを変更し、テレビCMやデジタル広告・PR施策等の実行による拡販を継続しております。「カップオリゴ」(ガラクトオリゴ糖)については製造能力増強と機能性の訴求により更なる拡販を図るべく、美浜バイオプラントに設備投資を行い、2025年4月より稼働を開始しました。また、プラーク形成抑制効果を持ち、世界で当社だけが製造・販売する「CI(サイクロデキストラン)」の認知向上に向けた販売促進施策の実行、自社製造・増産に向けた設備投資を実施し、2025年度中に本生産を開始する予定です。さらに、プレバイオティクス素材を活用した産学連携による技術開発・共同研究の継続や、アドバイザリー契約を締結した株式会社メタジェン独自の腸内環境評価手法やデータベース、最先端の知見に基づいた助言により、機能性素材全体の新たな価値創出に取り組んでおります。加えて、ツキオカフィルム製薬株式会社、ツルヤ化成工業株式会社との更なる連携強化を図りながら、顧客課題の解決に向けたソリューションの継続開発、当社が強みとする糖由来機能性素材と東洋精糖株式会社の糖転移技術等の掛け合わせによる更なる可能性の深掘りなど、グループ会社の技術や知見も最大限活用してまいります。素材のラインナップの拡充に加え、更なるM&Aの有効活用により、事業領域拡大への挑戦を行ってまいります。
フィットネス事業では、会員数は徐々に回復傾向にあるものの、競合サービスの台頭など多様化が進み、経営環境は依然として厳しい状況にあります。顧客ニーズにあわせた健康・からだづくりの場の提供を行い、集客促進のための広告宣伝も実施し、総合型店舗における子ども向けスクール事業の強化と採算を重視した経営に努め、早期の業績回復を目指してまいります。
②Sugarの基盤強化
国内砂糖消費量は、家庭内調理機会の減少の影響を受けたものの、インバウンド需要の拡大により土産菓子、外食関係向けの出荷が改善しております。海外原糖市況については、外糖相場は主要生産国の天候不安は引き続きあるものの、足元での減産懸念の後退に軟調地合いとなっております。一方で、外部環境の地政学リスクや金融市場などの不透明感は継続しており、予断を許さない状況が続いております。
当社グループとしては、消費者の皆様に対して、生活必需品である安全な砂糖を安定的に供給することで社会的責任を果たしていくことを最優先に取り組みながら、有利な条件での原料調達やコスト上昇に対する売価への反映を進め、採算性を重視したオペレーションに努めてまいります。基幹システムの統合によるデータ利活用基盤強化・生産性の向上や、きび砂糖をはじめとする高付加価値品販売の推進を軸とする商品力・販売力の強化を図ることに加えて、今般の東洋精糖株式会社の連結子会社化や第一糖業株式会社の吸収合併による更なるシナジー発揮に向け、最適化・効率化に向けた各種施策を深耕してまいります。今後も予想される業界再編の動きにも適切に対応できるよう、引き続き、経営効率と経営品質の向上に取り組んでまいります。
③人的資本経営の推進
当社グループでは、従業員の思いを叶えながら、当社らしい価値創出のストーリーを示す人的資本経営を推進しております。会社と個の共創が成果を生み、優秀人材から選ばれる企業になるという考えのもと、個の能力を最大限に引き出し、企業価値を向上させることで、働きがいのある職場の実現(エンゲージメントの向上)により、従業員の“Well-being”の実現を目指してまいります。挑戦する文化の醸成、個の成長・自律の促進、HR-Techを活用した人的資本経営の基盤整備を推進することにより、経営戦略と人材戦略を連動させ、当社グループの持続的成長につなげていきます。
人的資本経営の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (人的資本関係)」に記載しています。
④サステナビリティ経営の推進
サステナビリティ経営の推進につきましては、2024年10月の完全統合を契機に、新生ウェルネオシュガーグループとしての決意を新たに、マテリアリティに基づく具体的な行動目標として「サステナブル・ビジョン2030」を策定しました。サステナビリティ経営に対するグループのメンバーの理解と共感を育み、グループ一丸となってサステナビリティ活動を推進することで、社会課題を解決しながら、社会的価値と経済的価値を両立する事業を展開し、企業価値の向上を目指してまいります。
「サステナブル・ビジョン2030」については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (サステナビリティ関連)(3)指標及び目標」に記載しています。
今後も社会環境、事業環境の変化を適切に捉えながら、ガバナンス体制の強化、既存事業の成長と事業領域の拡大を着実に進め、強固な経営基盤を構築することにより、プライム市場の上場企業として、更なる企業価値向上に努めてまいります。
※2025年5月28日に「2025年3月期決算・中期経営計画説明会」の詳細資料を公表いたしました。
上記資料は当社ウェブサイトに掲載しております。
以下のウェブサイトをご参照ください。
https://www.wellneo-sugar.co.jp/ir/event/explain.html
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