企業アクシージア東証スタンダード:4936】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。

(1) 会社の経営の基本方針・中期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「女性の染色体XXを美の象徴と位置づけ、アジア(ASIA⇒AZIA)の美を日本から世界へ発信する総合ビューティーソリューションカンパニーを目指す」という信念のもと経営に取り組んでまいりました。当社グループが強みを活かせるセグメントを発見し、そこに経営資源をつぎ込む「製品・市場特定化戦略」を基本戦略方針とし、局所的ナンバーワンとなることで競争優位を創出しております。

 消費市場としてのアジアが注目される中、当社グループは、化粧人口の拡大と消費の高度化で高成長が期待される中国市場に事業機会を見出し、中国本土での販売力強化に努め、売上を拡大してまいりました。

 今後は、持続的な成長を実現すべく、日本およびその他地域(東南アジア、北米、オーストラリア等)への展開を強化し、各地域の消費者の購買意識や行動に合わせた先進的かつ革新的なビューティープロダクツを発信・提案し続け、全ての人を美しく幸せにするグローバルビューティーカンパニーを目指してまいります。

 なお、中期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より迅速な意思決定を行うために、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降3ヵ年の中期事業計画の見直し策定を行っております。

 当社グループは、現在、成長段階にあることや、株主の皆様の成長期待に応えるために、特に売上高成長、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率を意識した経営に取り組んでおります。

 長期的な成長・発展を実現するために、以下の基本戦略をロードマップとして掲げております。

① 当社グループの中枢・中核となる強みを活かした事業展開

 当社グループの競争力の源泉は「日中各々の優位性を活かした事業展開」であると認識しております。

 当社グループでは、日本市場向けに投入した製品を中国市場に展開するのではなく、中国現地での市場調査を基に、中国での消費者ニーズが高いと想定される製品を企画、開発しております。また、NMPA認可成分・処方を重視した商品設計を行っており、スムーズにNMPA認可を進められる体制を構築しております。日系企業の化粧品は高品質と信頼感でアジアでの人気が高く、また、スキンケア、美白など東アジア人共通の美意識への対応力があることから、中国をはじめとする東アジア市場では優位性があると認識しております。

 以上のような中国でのマーケティング力、中国でのブランド認知度、中国人の生活・習慣・嗜好を熟知した中国人向け製品開発力を活かし、積極的に中国需要を取り込み事業の成長に繋げてまいります。

 また、中国市場で培った上記ノウハウを活用し、今後は中国のみならず、日本およびその他地域につきましても、それぞれの市場特性に応じた製品開発を行うことで、グローバルな事業拡大に取り組んでまいります。

② 組織の機動力を活かした製品開発スピードの速さ

 当社グループでは、当連結会計年度においてリニューアル品を含め計20品目の新製品を上市しておりますが、当社グループの強みは、組織の機動力を活かした製品開発スピードの速さであります。

 機動力を活かし、引き続き毎年10SKU以上の開発・上市を目標とし、市場ニーズに応じた新ブランドの創出にも取り組んでまいります。また、製品上市後もユーザーの声を踏まえた製品改良に継続的に取り組んでおり、既存の主力製品のライフサイクルの長期化を図っております。

 また、2022年4月には化粧品・医薬部外品の製造工場を持つ株式会社ユイット・ラボラトリーズの全株式を取得しており、連結子会社化しております。これにより、少量多品種は自前で、量産品は委託先で製造することでさらなる製品開発サイクルの短縮に努めてまいるとともに、同社との事業シナジーの拡大のため取り組んでまいります。

③ 「内外美容」をコンセプトとした製品ラインアップの拡充

 当社グループでは、化粧品とインナーケア製品との相乗効果により美肌を引き出す「内外美容」を推奨しております。基幹ブランドには、各々のブランドコンセプトを一にする化粧品とサプリメント等のインナーケア製品を取り揃えることで、ブランドを差別化し、存在感を向上させております。

 当社グループでは、引き続き、「内外美容」をコンセプトとして製品開発を進めブランドの存在感を向上してまいります。

④ 戦略的広告投資の強化

 化粧品のブランド力形成と販売において、メディアを用いた広告宣伝、インターネット上でのイベント、これらのタイアップなど、マーケティング活動は非常に大きな効果を持ちます。当社グループは、中国本土を中心に更にブランド認知度やブランドイメージを向上させるべく、主にユーザーと直接の繋がりをもつTaobaoオーナーへのマーケティングや口コミサイトとしての特性を活かすためのRED、Douyin、Kuaishouでのマーケティング(ライブ配信やKOLマーケティング等)といったボトムアップアプローチにより、販売促進や広告宣伝活動を実施してまいりました。特に、REDの費用は当社負担で売上に対する割合は相対的に小さく、またTaobaoはオーナーの費用負担であることから、全体的に当社の負担は少ないという特徴があります。

 昨今、中国における購買の手法としてライブコマースが主流となってきておりますが、当社は中国で培ったリレーションを生かし、有名KOLを確保することで、新規顧客の取り込みにも成功しております。今後も、中国市場における強固なリレーションを武器に、時流に応じた柔軟なマーケティング戦略を展開し、競争力を維持・強化してまいります。

 また、今後は日本事業の成長を加速させるため、SNSにおけるインフルエンサーとのタイアップ等を継続的に行い広告投資を強化し、日本における認知度向上に取り組んでまいります。

(2) 経営環境

 当連結会計年度(2024年8月1日~2025年7月31日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、緩やかな回復基調が続いているものの、物価上昇が継続していることから個人消費には下押しの傾向も見られました。また、アメリカの通商政策の影響等もあり、依然として不透明感を伴う状況が続いております。

 国内化粧品市場においては、引き続き堅調に推移いたしましたが、インバウンド消費については、円高の影響による購買意欲の低下等の影響も見られました。

 中国化粧品市場においては、やや回復基調が見られたものの、景況感悪化に伴う消費マインドの低迷の継続や、中国ローカルブランドの台頭による競争激化を背景に、引き続き厳しい事業環境が続いております。

 このような市場環境のもと、当社グループでは、メイン市場である中国市場において状況打開に努め売上拡大を図るとともに、中国以外の地域における事業基盤確立及び販売強化を進めてまいりました。中国においては、消費マインド低迷による厳しい事業環境が続く中、主力製品である「AGドリンク」のリニューアルを行い、需要喚起を図ることで売上拡大を図るとともに、「AGドリンク」をコアとするエイジーセオリーブランドの化粧品の販売強化や、中国において需要が高まっているインナーケア分野への新製品の投入等に取り組んでまいりました。

 他方、日本国内においては、オンラインではインフルエンサーを起用したSNS投稿やライブ販売の実施による日本国内における認知度向上及び売上高拡大、オフラインでは主要直営店であるGINZA SIX店のリニューアル、渋谷ヒカリエShinQs店のオープン等による、ブランドイメージの向上及びインバウンド需要の取込を図ってまいりました。また、2024年2月に子会社化したエムアンドディ社が連結売上高に貢献し、日本売上全体が大きく伸長いたしました。今後、エムアンドディ社より、同社初の自社ブランド「BELLE BAI(ベルバイ)」を上市予定です。エムアンドディ社は化粧品輸入販売会社ですが、今後ビジネスモデルを転換し自社ブランド製品の企画開発を中心とし同社が持つ販路にて販売強化することで、グループシナジーの追求、利益率の向上を図ってまいります。

 その他の地域につきましては、ドバイや香港の展示会への出展や、東南アジア市場でのライブ販売及び百貨店へのPOPUP出店等、グローバルな市場開拓に取り組んでまいりました。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、連結売上高増加率、連結売上高営業利益率、自己資本当期純利益率の向上を重要な経営指標としております。足元の推移は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年8月1日

  至 2024年7月31日)

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

  至 2025年7月31日)

連結売上高増加率

7.5%

10.5%

連結売上高営業利益率

7.5%

3.8%

自己資本当期純利益率

9.1%

4.0%

(注)連結売上高増加率=(当期連結売上高-前期連結売上高)/前期連結売上高×100

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

① ブランド認知度拡大

 当社グループが事業領域とする化粧品業界では、ブランドの認知度向上が重要な課題であると認識しております。ブランド差別化のため、成分、容器、資材の全てを自社企画し、自社工場生産レベルでの高い品質管理基準を実践することで安心・安全なプレステージ化粧品を目指しております。ブランド力の維持のために、セキュリティ検証システムや社内担当者の目視による確認、トレーサビリティの強化を実施し、滞留在庫や横流し、偽ブランド品流通防止対策に注力しております。加えて、包装・出荷・在庫管理についても全て内製化することで供給過多とならないよう配慮しております。また、中国においては、Tmall Global、RED及びDouyinでのプロモーションに中国で著名なインフルエンサーを起用することで波及効果の拡大を狙っており、中国におけるブランド認知度は一定程度高まってはいるものの、持続的な事業成長のためには、中国における更なる認知度の向上に加え、日本における認知度の向上が不可欠と考えております。

② 中国以外の地域への事業展開強化

 当社グループが経営理念として掲げている「アジアの美を日本から世界へ発信する総合ビューティーソリューションカンパニー」を目指すには、中国以外の地域への事業展開強化により中国市場リスクの影響軽減が重要な課題であると認識しております。

 日本国内につきましては、事業成長の加速及び新規顧客取り込みのため、注力製品に集中して広告投下し、認知度向上及び売上拡大を図ってまいります。また、卸販売については、バラエティショップの取り扱い店舗数拡大によるタッチポイントの拡充に取り組んでおります。日本国内ECにつきましては、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングやCRMの強化による売上拡大を図ってまいります。

 中国・日本以外の海外につきましては、シンガポールをはじめとした東南アジア、北米(アメリカ、カナダ)、オーストラリア等への販売・チャネル拡大を進めており、現地在住の中国人にアプローチし売上拡大を図ってまいります。

③ 生産・研究開発の強化

 当社グループが事業領域とする化粧品業界では、スピーディーな生産および差別化のできる製品の開発が重要な課題であると認識しております。

 生産につきましては、2022年4月に連結子会社化した株式会社ユイット・ラボラトリーズを活用し、少量多品種は自前で、量産品は委託先で製造することで製品開発サイクルの短縮及び収益性の向上に努めてまいるとともに、同社との事業シナジーの拡大のため取り組んでまいります。

 研究開発につきましては、独自の中国での市場調査を基に、中国女性からのニーズが高いと想定される製品の企画、開発を進めております。また、「AGドリンク」や「エッセンスシート」といった、特定のテーマ性を持った製品の売上拡大に注力しております。特定の市場で主力製品が生まれることで、認知度が高まり、その特定のテーマでのシリーズ展開により収益基盤の拡大を図る戦略をとっております。市場要求や顧客ニーズを的確に捉えた製品開発を行うことで、更なるブランド力醸成を図ってまいります。

 また、2022年11月に設立したR&Dセンターや外部試験機関を活用し新製品・新処方開発に取り組むことで、知財出願や、効果効能を謳える機能性表示食品、医薬部外品の開発・取得も目指してまいります。

④ サステナビリティの推進

 当社グループでは、中長期的な企業価値向上のためには、サステナビリティに関する取り組みを推進することが重要であると認識しております。2024年には、サステナビリティ基本方針を策定し、重点的に取り組むべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定いたしました。今後、それらに沿った取り組み・投資を進めてまいります。

⑤ 人的資本投資

 今後の更なる事業拡大のためには、優秀な人材の確保や成長フェーズに応じた組織体制の強化が不可欠であると認識しております。人材の確保においては、企業風土にあった国内・海外の人材の採用・登用に努め、あわせて従業員の入社年数等の段階にあわせた教育プログラムを体系的に実施することによって、各人のスキル向上を図ってまいります。

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