きんでん
【東証プライム:1944】「建設業」
へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当期については、価格転嫁の進展や円安などの影響により、企業収益に改善の動きがみられた。建設業界においても、建設コストの高止まり等、一部厳しさは残るものの、好調な業績を背景に企業の投資意欲は底堅く、建設需要は堅調に推移している。
このような景況下、当期における当社グループの連結業績については、期首予想を上回り、完成工事高は7,050億5千8百万円(前期比7.7%増)、営業利益は609億7千9百万円(前期比42.9%増)、経常利益は645億4千6百万円(前期比40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は472億5千万円(前期比40.8%増)となり、前期比で増収・増益、完成工事高及び全ての利益について、創業以来最高値となる実績を確保することができた。旺盛な建設需要、建設コストの価格転嫁の広がり、とりわけ「担い手三法改正」をはじめとする業界全体で「適正工期・適正金額の確保」に向けた動きが進むなかで、お客さまのご理解はもとより、当社グループにおいても、適正工期の確保や生産性の向上、現場管理業務への支援、そしてエリアを越えてきんでん全体で連携した施工体制を構築することで、現場・お客さまに真摯に向き合い、対応してきたことが、このような業績に結びついたと考えている。
2021年に策定した中期経営計画『Sustainable Growth 2026 ~人、心、そして未来へ~』も4年が経過した。当社グループの持続的成長・発展に向け、2026年度成長Vision「連結7,000億円規模の経営」のもと、地域密着・事業拡大に向けた「事業戦略」をはじめ、「環境戦略」「人財・働き方戦略」「コーポレート戦略」により、事業基盤の整備・拡大や労働・職場環境の整備等を進めてきた。これらの取り組みの結果、成長指標「売上高7,000億円程度・営業利益500億円程度」を2年前倒しで達成することができた。
計画開始からの4年間を振り返ると、他社に先駆けて「人的資本」を重視し、当社の強み・最も大切な経営資源である「人」を中心とした中期経営計画を基本として、人と心を経営の根幹に置き、新きんでん学園や首都圏新事業所をはじめ、人財を軸とした成長投資を進めてきた。また、資本政策の推進により、株価・企業価値も大きく高まった。今期の業績は、グループ全体が一丸となって事業基盤整備等に取り組み、そしてお客さまニーズにお応えしてきたことの成果であると考えている。
2025年度からの中期経営計画については、このように成長指標は達成したものの、中期経営計画の目的はあくまで「当社グループの持続的な成長と発展」である。2025年度以降も、この事業規模を維持していく、そして将来さらに伸ばしていく、そのために必要となる事業基盤の整備・拡充に引き続き注力していく。今年4月には株式会社北弘電社を新たな仲間として当社グループに迎え入れた。今後、更なる地域密着の深化・事業拡大を進めていく。また、財務面においては、今年1月にアップデートした資本政策に基づき、資本効率向上に取り組んでいく。さらに、ガバナンス改革・強化として、経営執行役員制度を導入し、監督と執行の役割を明確化し、ガバナンスを高めながら、意思決定スピードをさらに高めていく。
2025年度の建設市場は、今期に引き続き高水準で推移することが期待されるが、その一方で、建設コスト高騰や米国の関税政策等による投資抑制にも注視が必要な状況である。しかしながら当社は、引き続き、お客さまニーズにしっかりとお応えしながら、更なる高みを目指して取り組んでいく。そして、あらゆるステークホルダーと向き合い、価値を共創していくことで、持続的な成長・発展を目指していく。
- 検索
- 業種別業績ランキング