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企業概要

 当社グループは月着陸、月面探査プロジェクトの達成に向けて、ランダー及びローバーの開発を実施しております。現在の研究開発は、当社のCTO室で実施されており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、9,233,718千円となっております。当該研究開発費の内訳には、本社で発生する研究開発費用(主にミッション1、ミッション2ランダーの開発に係るもの)8,323,589千円及び欧州子会社で発生する研究開発費用(主にローバー開発に係るもの)48,715千円及び米国子会社で発生する研究開発費用(主にミッション3ランダーの開発に係るもの)861,413千円が含まれます。

 当社は、2021年初頭にミッション1のランダー開発に係るCDR(Critical Design Review)を経て、フェーズC(詳細設計)を完了致しました。CDRは、ミッション要求からシステム仕様を経て設計結果に至るまでの一貫した整合性・実現性、開発計画を審査するものであり、一般的に宇宙機の開発において、設計段階が完了しモノ作りとしての製造段階への移行可否を判断する、開発上の中でも重要なマイルストーンとされています。CDRの実施に際しては、下記のとおり開発の各分野の外部専門家をレビュアーとして招聘し審議を頂きました。

 中須賀 真一氏(東京大学教授)

 低コストの超小型衛星の開発に精通しており、全体システムを俯瞰して技術妥当性を判断できる方であることからレビュアーとして招聘

 趙 孟佑氏(九州工業大学教授)

 深宇宙ミッションで特に重要となる帯電の影響について豊富な経験を有する方であることからレビュアーとして招聘

 高島 健氏(JAXA)

JAXAにて深宇宙探査宇宙機の開発に携わり、全体システムを俯瞰して判断できる方であることからレビュアーとして招聘

 一連の審査過程においては、社内エンジニアとは離れた中立的な外部専門家の立場から、設計(システム設計全般や帯放電環境等について)、試験(フライトモデルシステム試験計画等について)、運用(軌道設計等について)に関する一連の流れを審査頂いております。当社が実施したミッション1のランダー開発について、開発計画、設計の成果と、CDR後に実施する試験、運用の計画検討を審査頂いた結果、適切に進められていることをご確認頂きました。

 CDRの完了後は、次のフェーズD(制作・試験)の段階へと開発フェーズを移行し、必要な加工やテストなどが完了したコンポーネントが段階的にランダーシステムへと組み立てられていきます。当社のミッション1においては、2021年初頭から当社がランダーの組み立て作業を行っている千葉県成田市の株式会社JALエンジニアリングのエンジン工場において、パイプの溶接作業を実施しました。また2021年5月より開始したドイツのAriane Groupの工場における本格的な組み立て作業を実施し、2022年10月までにすべてのランダー製造工程及び最終試験まで完了しております。その後、打上げ地である米国への輸送を実施し、輸送後はロケットへの搭載作業、燃料充填等の最終準備を完了させ、2022年12月11日に米国フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地 40射点より打上を実施しております。ミッション1において、着陸シーケンスの前に計画されている全ての月軌道制御マヌーバを完了し、ランダーが着陸シーケンスを開始する準備が出来ていることを実証し、事前に設定した10個のマイルストーンの内、Success8迄を完了しました。その後、2023年4月26日(日本時間)に実施した着陸シーケンスにて、ランダーとの通信の回復が見込まれないことから、Success9「月面着陸の完了」および Success10「月面着陸後の安定状態の確立」の達成は困難と判断しました。

 また当社は、ミッション1の実施以降も、継続して高頻度ミッションを実現していく上で、ミッション1ランダーの開発と並行してミッション2及びミッション3ランダーの開発を開始しております。ミッション2は基本的にミッション1と同様のランダーを製造して、やはり同様にSpaceX社のロケットに搭載して打ち上げることを想定しています。基本設計がミッション1と同様のものを利用する予定のため、2022年7月にPDR(Preliminary Design Review)が完了し、現在フェーズC(詳細設計)へ移行しております。

 また2025年に計画するミッション3では、ランダーの設計をこれまでのサイズから変更し、500kgのペイロードを輸送可能なランダーのサイズアップを実行することを計画し、主に米国子会社の拠点において研究開発を開始しております。

(注) 上記は、現時点での想定であり、今後、変更される可能性があります。

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