企業PHCホールディングス東証プライム:6523】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献」することを経営理念に掲げ、自社のモノづくりの強みを生かし、世界に広がる販路を活用することで、グローバルヘルスケアトップ企業の一角として世界中の健康を願う皆さまのお役に立ち続ける企業を目指しております。

 また、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」をビジョンとして設定しており、「糖尿病マネジメント」、「ヘルスケアソリューション」、「診断・ライフサイエンス」の3つのドメイン間でバランスのとれた収益構造を目指してまいります。

(2)経営環境

 新型コロナウイルス感染症は、国内では感染症法上の2類相当から5類への位置付けの移行等も踏まえ、経済活動の制限の緩和が進められており、世界的にもワクチン接種の拡大等により収束傾向にあると考えられます。一方で、米中の通商問題の動向、ウクライナ情勢による影響等、世界経済の景気の不確実性は依然として残っております。刻一刻と変化するこれらの状況に対し、柔軟かつ迅速な対応を図ってまいります。

 当社グループを取り巻くグローバルなヘルスケアビジネスにおける環境は、先進国で進行する少子高齢化と世界的な生活習慣病の増加やがん患者の増加、それらに対する様々な技術革新が行われています。その一方で各種医療基準・規制の強化に加え行政の医療費削減の動きが見られます。糖尿病マネジメントに関して、血糖値測定(Blood Glucose Monitoring(以下、「BGM」))システム事業の市場規模は、先進国市場における保険償還額の見直しや持続血糖値測定器(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))の普及拡大等により、2022年では55億米ドル超となり今後3年間の年平均成長率は4%程度の縮小傾向と見込んでおります。一方、新興国市場では糖尿病患者数の増加等により市場規模は成長しております。ヘルスケアソリューションについては、日本の受託臨床検査市場では診療報酬改定を背景とした受託単価の下落影響はあるものの、それを上回る外部委託検査の需要があるのが近年の基本的な市場構造と考えております。競争環境は激化している中でも、医療及び健診需要の安定増加、新型コロナウイルスも含めた各種感染症検査、個別化医療進展に伴う遺伝子検査等もあり市場規模としては、増加傾向にあります。日本における電子カルテシステムの普及は未だ途上にあり、今後も新規開業時の導入や既存開業医においてもレセプトコンピュータ更新時に電子カルテシステムの導入が進むことが予想されます。直近では、2022年の医療制度改定等を後押しとした、病院やクリニック及び薬局におけるオンライン資格確認システム導入の2023年4月の原則義務化(2023年9月末まで経過措置が適用)や、2023年1月からの電子処方箋の運用開始等、医療分野でのデジタル化の動きが加速しております。また、「導入コストの削減」「システム運用・管理費用・人員の削減」「災害時対策」等を訴求点にクラウド型電子カルテが注目されており、導入が進む可能性があります。診断・ライフサイエンスにおいては、病理市場は、がんの発病や検査の増加及び個別化医療の進展によるがんの診断数の増加傾向等を背景に、デジタルパソロジーや人工知能(AI)を駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。ライフサイエンス向け研究・医療支援機器関連の市場は、米国や欧州、中国等を中心に、再生医療・細胞治療に関する研究や臨床応用が活発ですが、細胞を用いた創薬についても積極的に進められており、近年、世界的に再生医療領域への投資が加速していることから、今後も世界市場の規模拡大が見込まれています。その様な環境の中、当社グループは、これまで培った高品質・高性能なモノづくりとデジタルソリューションによる顧客基点のイノベーションを強みとし、事業推進に取り組んでまいります。

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」をビジョンとして掲げ、グローバルヘルスケアトップ企業の一角を目指しております。それらの到達を具現化するためには事業規模を拡大し収益性を向上させることが経営上重要であると認識し、売上収益、営業利益、(調整後)EBITDA及び(調整後)親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置づけ、事業の進捗とそれらの充足状況を分析し経営課題に対処していく方針です。なお、(調整後)EBITDAについては、①営業利益をベースとした指標であり、事業の収益性を示す指標であること、②事業の収益性を評価する指標としてグローバルに活用されている指標であること、③キャッシュ創出力を示す指標の1つであり、成長に向けた投資余力を示す指標であることから、当社グループにおける重要な経営指標の1つとして位置付けております。(調整後)EBITDA及び(調整後)親会社の所有者に帰属する当期利益の算定方法については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① グローバル規模での中長期の成長を支える社内体制の構築・強化

 当社グループは、2016年のBayer AG社の糖尿病ケア事業の買収、2019年のThermo Fisher Scientific Inc.からの病理事業の買収及び株式会社生命科学インスティテュート(現三菱ケミカルグループ株式会社のグループ会社)からのLSIMの買収を経て、事業基盤の強化、事業拡大を進めております。一方で、急激な拡大に伴い海外子会社、従業員数等も増大しているため、グローバルでのグループガバナンスの向上、内部統制に係る体制の強化、各国での法令順守の徹底に向けた社内体制の構築・強化に努めてまいります。

② 事業及び収益基盤の拡大

 当社グループは、顧客ニーズや技術革新の変化・進展が目覚しいヘルスケア業界の中で、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」ことを目指し、「糖尿病マネジメント」、「ヘルスケアソリューション」、「診断・ライフサイエンス」の3つの事業ドメイン間でのバランスの取れた成長を図るために、常に新たな事業成長・収益基盤の拡大・確立の機会を探し求めております。

 当社グループは、2022年11月に中期経営計画「Value Creation Plan」の改定を実施し、2022年度~2025年度の中期経営計画を策定しました。

 中期経営戦略として、下記のとおり、基盤となる3つの既存事業の更なる強化と、事業間シナジーを追求した3つの成長領域に取り組み、新たな顧客や市場を拡大していきます。

■ 基盤領域

<糖尿病マネジメント>

・血糖値測定システム (BGM)における成長セグメントの強化。

<ヘルスケアソリューション>

・デジタルヘルス領域におけるサービスのクラウド化や政策関連需要の取込み。検査サービス及び小型測定機器事業における、がん・遺伝子検査等の充実による、グローバル治験やPOCTの展開強化。

<診断・ライフサイエンス>

・省エネ性能とIoT化を追求したライフサイエンス機器の新製品開発、及び開発・製造のグローバルオペレーションの最適化。

・病理検査用機器のシェア拡大と、地域・セグメント別の販売チャネルの強化。

■ 成長領域

<個別化検査・診断ソリューション>

・持続血糖測定システム(CGM)拡販とPOCTの開発を強化。

<デジタルヘルスソリューション>

・事業間シナジーを通じた、従業員の健康・予防医療を支援する健康経営の充実、遠隔医療事務代行サービスによる医師向けソリューションの展開。医療ビックデータを統合・分析による、医療費低減・治療効率の向上に貢献。

<先端治療開発ソリューション>

・事業相互の製薬顧客ネットワークをフル活用した、グローバルでの拡販。細胞代謝分析装置や病理検査用機器の製品ライナップの拡充による、将来的な病院向けの高品質・高速モデの展開。

③ 借入金の返済について

 当社の借入金は、過去に行ったM&A等により総資産の過半を占める水準となっておりますが、今後見込まれるフリー・キャッシュ・フローにより返済可能な水準であると考えております。当連結会計年度におきましては、新規調達は行わず、手元資金を活用して事業投資や設備増強、及び借入金の返済等を実施いたしました。引き続き事業における資金需要に鑑みつつ、早期の財務体質強化に努めてまいります。

④ PHCグループとしての認知度の向上

 当社グループは、2014年にパナソニックグループよりカーブアウトし、2018年4月にはグループのコーポレートブランドを「PHC」に変更しております。各事業はそれぞれに長い歴史を持ち、長年お客様に親しまれてきた事業・製品ブランドを有しておりますが、2021年10月の東京証券取引所市場第一部(現在、東京証券取引所プライム市場)への上場を機に、今後はグループとしての認知度を更に高めるべく、各事業・製品ブランドの強化に努め、併せて様々な媒体を通じたIR・広報活動を行うことで、投資家をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆様に対してPHCグループの認知度をグローバルに向上させるよう努めてまいります。

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