ジェコス 【東証プライム:9991】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 中期経営計画における施策
当社グループは、前中期経営計画期間(2018~2020年度)を『ジェコスグループ10年VISION』の第一段階と位置づけ、既存事業の収益力強化、事業拡大分野の体制整備、生産性と働きやすさ向上のための投資といった、基盤確立の施策を推進してまいりました。
これに続く第二段階として、2021年4月に策定いたしました中期経営計画では、重仮設事業の競争力をさらに高めて業界トップシェアのポジションを盤石化するとともに、周辺事業の規模拡大を加速させ、事業規模・利益水準ともに拡大を目指します。
堅調な需要は想定されるものの、温暖化・自然災害・感染症等、その影響が想定し難い環境変化も予想される中、さまざまな変動要因に柔軟かつスピード感をもって対応し、『10年VISION』で掲げる「安心、安全な社会の建設に貢献し、働きがいの向上を追求する企業」の実現に向け、企業価値向上を進めてまいります。
[事業環境認識]
中期経営計画対象期間(2021~2024年度)における当社グループを取り巻く事業環境として、建設需要は長期的には、再開発案件、老朽化インフラの更新、災害対策等により、堅調に推移するものと想定されます。また、首都圏以外でもリニア、大阪万博、北海道新幹線といったプロジェクトに関連する案件が控えています。
[主な取り組み]
① 重仮設事業のコスト競争力向上とシェア拡大
主力事業である重仮設の賃貸、工事については、直接的なコストの削減のみならず、管理業務関連を中心とした生産性アップ、技術レベル向上による顧客指向提案力の強化等、総合的なコスト競争力を磨き、売上規模・利益水準の拡大に注力いたします。
② 加工事業の規模拡大
もう一つの柱である加工事業については、専用工場を有するという特色を活かしてシナジーを最大限に発揮するとともに、全国各地域での営業強化、対応可能製品の拡充を進め、事業規模の拡大を図ります。
③ 地下工事一式受注、仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業の成長加速
地下工事一式受注は、前中期経営計画期間に水処理、地盤改良、本杭工事等で実績を積み重ねてまいりましたが、さらに技術レベルの向上を進め、「地下工事のプラットフォーマー」としてのポジション確立を目指します。
仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業では、受注活動の強化、競争力のある新商品開発を進め、特色ある事業として市場で存在感を持つ規模まで育成してまいります。
これらの事業については、JFEグループとの連携強化、M&Aを含めたパートナー企業選定を進め、成長を加速させます。
④ 建機事業の収益力向上
堅調な需要が見込まれる土木分野をはじめ、新たな需要を掘り起こし、これに合わせた体制強化、新商品投入を進めます。併せて、自社及び提携等による事業エリア拡大にも、引き続き取り組みます。さらに、建機関連システムのリフレッシュ等により管理業務の生産性を改善し、収益力を向上させます。
⑤ 海外展開における事業モデル再構築
ベトナム事業については、進出当初に想定していたODA案件対応だけではなく、現地パートナーとの提携、ジェコスの技術力を生かした事業の展開等により、収益を上げられる構造に転換することを目指します。
⑥ ICT推進、人材育成
上記の施策を遂行するにあたり、昨年来のコロナ対策として従来以上に進めてきたペーパーレス・押印廃止等の執務環境整備をICTによりさらに推進します。あわせて社内のチャレンジ・マインドを高め、意思決定をスピードアップするために、キャリアや年齢、性別を問わず、すべての社員が生き生きと活躍できるよう、各階層でレベルアップした人材育成に向けた取り組みを進めます。
なお、主要財務指標の、最終年度(2024年度)における数値目標は以下の通りです。
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| 中期経営計画 (2024年度目標) | 参考 | |
2021年度実績 | 2022年度実績 | |||
収益目標 (連結) | 売上高 | 1,400億円 | 1,140億円 | 1,205億円 |
経常利益 | 100億円 | 52億円 | 49億円 | |
ROS | 7% | 4.6% | 4.1% | |
財務目標 (連結) | ROE | 10%程度 | 5.7% | 5.8% |
自己資本比率 | 60%程度 | 55.2% | 54.2% | |
D/Eレシオ | 実質無借金継続 | 3.6% (実質無借金) | 3.8% (実質無借金) | |
配当性向(連結) | 30%程度 | 38.3% | 36.8% |
[SDGsへの取り組み]
当社が掲げる「安心、安全な社会の建設への貢献」というコンセプト及び鋼材をリースし再利用するという事業モデルそのものが、SDGsに合致するものと考えております。
その上で、個別には再生可能エネルギーやゼロカーボン投資に関連する案件を通じた持続可能な社会の実現、ベトナムはじめASEANでの活動による発展支援も行っています。また社員との関係では、安全と健康の確保を最優先とすることはもちろん、性別を問わず活躍の場を用意し、働きがいの向上に資する施策を進めています。
中期経営計画期間においてもこれらの取り組みを継続してまいります。
(2) 次期の経営環境と課題
2023年度の事業環境は、足下は厳しい状況が続くものの、大型物件の立ち上がりが徐々に本格化し、需要は上向くと見ています。一方、諸物価の高騰は当面続くものと見込まれます。
そのような中、重仮設事業ではコストアップを反映した価格適正化に最重点を置き、LRBの追加導入や㈱オトワコーエイとの連携強化による工事採算性アップ、敷鉄板供給拠点の新設、工場への多品種水洗機導入等による生産性向上も進めます。加工分野においては、対応品種を拡大すること等により受注増加に注力します。また仮設橋梁を自社品化し、東西にヤードを新設して事業拡大を図ります。海外については本格的展開の第一歩として、シンガポールのFUCHI Pte. Ltd.へ資本参加を行います。これらの施策を実施するものの、売上高は引合物件の形態構成差により微減、経常利益も人的資本への投資等による販管費の増加があり微減の計画としております。
建設機械事業では、ジェコスとの協業や拠点間の連携を強化し、賃貸用資産の機動的配置や構成見直しを行うとともに、BROKK(無人施工ロボット)の拡販を強化すること等により、増収増益を計画しています。
以上により、2023年度の連結業績見通しにつきましては、売上高120,000百万円、営業利益4,650百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,300百万円を見込んでおります。なお、セグメント別の業績見通しは下表の通りです。
(単位:百万円) | |||||||||
| 2023年3月期 実績 (2022/4~2023/3) | 2024年3月期 予想 (2023/4~2024/3) | 前年同期比 | ||||||
第2四半期(累計) | 通期 | ||||||||
第2四半期(累計) | 通期 | 第2四半期(累計) | 通期 | 増減額 | 増減率(%) | 増減額 | 増減率(%) | ||
売上高 | 54,575 | 120,521 | 56,500 | 120,000 | 1,925 | 3.5 | △521 | △0.4 | |
| 重仮設事業 | 48,754 | 108,744 | 50,300 | 106,700 | 1,546 | 3.2 | △2,044 | △1.9 |
| 建設機械事業 | 6,925 | 14,254 | 7,100 | 15,000 | 175 | 2.5 | 746 | 5.2 |
| 調整額 ※ | △1,104 | △2,477 | △900 | △1,700 | 204 |
| 777 |
|
経常利益 | 1,817 | 4,903 | 2,000 | 5,000 | 183 | 10.1 | 97 | 2.0 | |
| 重仮設事業 | 1,767 | 4,844 | 2,000 | 4,700 | 233 | 13.2 | △144 | △3.0 |
| 建設機械事業 | 202 | 206 | 100 | 450 | △102 | △50.4 | 244 | 118.9 |
| 調整額 ※ | △151 | △146 | △100 | △150 | 51 |
| △4 |
|
※ セグメント売上高の調整額はセグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であり、セグメント利益の調整額は連結調整であります。
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