他社比較
東京瓦斯 企業概要
(1) 経営方針、経営環境および対処すべき課題
当社グループは、2019年11月に経営ビジョン「Compass2030 エネルギーとソリューションを 暮らし、都市、地球の未来に」を発表し、①CO2ネット・ゼロへの移行をリード、②価値共創のエコシステム構築、③LNGバリューチェーンの変革、の3つの挑戦を掲げ、当社グループの変革の姿を示しました。
次いで2020年3月に2020-22年度中期経営計画、2021年11月に「Compass Action」を発表し、Compass2030実現のための具体的な道筋を示しました。
また、脱炭素化、デジタル化、価値観の多様化、エネルギー市場の競争激化など、当社グループをとりまく環境が大きく変わる中、こうした変化に正面から向き合い、今後も社会から必要とされる企業グループであり続けるため、グループ経営理念を新たにしました。
2023-25年度は、「従来のエネルギーの枠を超えたソリューションと事業群で、社会の持続的発展とお客さまへの一層の価値提供を追求すべく、東京ガスグループ自らがビジネスモデルを変革」する期間と位置づけ、グリーントランスフォーメーション(GX)・デジタルトランスフォーメーション(DX)・お客さまとのコミュニケーション変革(CX)を軸に3つの主要戦略を実行していきます。戦略実行にあたっては、エネルギー市場のボラティリティや不確実性に迅速かつ柔軟に対応すべく、「収益性」「成長性」「安定性」の視点から事業ポートフォリオマネジメントを強化し、新たな成長領域への経営資源のシフトを加速します。
◆東京ガスグループ 2023-25年度中期経営計画「Compass Transformation 23-25」の3つの主要戦略
①エネルギー安定供給と脱炭素化の両立:エネルギー安定供給を確保しながら、脱炭素分野を順次事業化・収益化
≪バリューチェーン全体の柔軟性を駆使した市場変動への対応・安定供給の推進≫
・エネルギー市場変動の増大に対応すべく、調整力や環境価値等の新たに成長する市場に適した資産形成・運用を行うとともに、デジタル取引プラットフォームの構築を通じ、お客さまのニーズに応じた安定性・環境性・柔軟性に優れたエネルギー供給を実現していきます。
≪責任あるトランジションの実行≫
・国内外でLNGの高度利用を一層推進しCO2削減を図りながら、その収益を再エネ(特に市場規模の大きい洋上風力等)、e-methane、水素等の先進的な脱炭素分野に投入・順次事業化を図ります。また自社排出削減はもとより、お客さまニーズに応じた最適なソリューションを提供し、お客さまと東京ガスグループがともに持続的に発展する好循環を確立することで、社会全体の脱炭素化と経済的成長の両立を図ります。
≪ガス・電力双方の脱炭素技術実現に向けた取組み≫
・エネルギー需要の大宗を占める熱分野の脱炭素化を積極的に推進するため、e-methane に関する取組みをこれまでの小規模実証から大規模サプライチェーン構築へと強化・拡大します。電力分野では太陽光・バイオに加え、洋上風力の大規模化・低コスト化に向けた取組みを推進し、国とも連携しながら早期にGXの実現を目指します。
②ソリューションの本格展開:GX・DXを取り入れたソリューションをブランド化し、拡充することで、エネルギーに次ぐ事業の柱へ
≪統合事業ブランド構築とソリューションの拡充≫
・お客さまへの提供価値を「レジリエンス」「最適化」「脱炭素」と再定義し、これらに関わるソリューションを統合する新たなブランドを構築するとともに、「ご家庭」「法人」「地域・コミュニティ」のお客さまにとって、分かりやすい・使いやすいソリューションメニューを提供します。
≪リアルの強みとデジタルを活用したお客さまとのコミュニケーション強化≫
・オクトパスエナジー社等の先進的なデジタル技術を活用し、お客さまとのコミュニケーションを強化することで、これまでのリアルな接点で培ったお客さまとの関係をより一層強固なものにします。
≪地域密着の強みを活かした最適ソリューションの提供を通じた地域社会との価値共創≫
・東京ガスグループとアライアンスパートナーの省エネから先進的な脱炭素技術までのあらゆる環境ソリューションを最適に組み合わせ、お客さまや地域社会の課題解決に貢献します。さらにソリューションや商圏・分野の拡大により、ESG型不動産開発やまちづくりも推進し、持続可能な地域の実現を目指します。
③変化に強いしなやかな企業体質の実現:DXによるビジネスモデル変革に加え、人的資本経営や財務基盤強化により不確実性への耐性を向上
≪DX主要3施策の推進≫
・先進企業の知見も取り入れ、デジタルの特徴を活かした仕組み・業務プロセスへと進化させるべく、DXの3本柱として次の施策を推進します。施策①:再エネの主力電源化に伴い今後成長が見込まれる調整力、環境価値等の新市場を見据え、将来の収益基盤となるデジタル取引プラットフォームを整備します。施策②:顧客管理システム基盤を一元化し、顧客体験(CX)を大幅に向上させます。施策③:スタッフ業務の業務プロセスを抜本的に見直し、間接業務の生産性を倍増します。
≪人的資本経営の実践≫
・カンパニー・基幹事業会社が、各々の市場でインパクトのある仕事を生み出し、収益力を高めるため、戦略的人員採用・配置・育成・リスキリングを行い、多様な人材がグループ全体で活躍できる制度を充実します。これらによりグループ員一人ひとりと東京ガスグループ双方が成長を実感できる人的資本経営を実践していきます。
≪財務基盤強化≫
・事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現します。
■主要計数
財務・環境指標 | 現在の姿(注)2 (20‐22年度平均) | 2025年度 | |
財務 | セグメント利益(注)1 (営業利益+持分法利益) | 1,300億円 | 1,500億円 |
ROA(注)1 | 3.0% | 4%程度 | |
ROE(注)1 | 7.3% | 8%程度 | |
D/Eレシオ | 0.91 | 0.9程度 | |
環境 | CO2削減貢献量 | 600万t(注)3 | 1,200万t(注)4 |
キャッシュフロー・投資計画 | 20-22年度見通し(注)2 | 23-25年度 | |
累積営業キャッシュフロー (純利益+減価償却費) | 9,600億円 | 1.1兆円 | |
投資 | 成長投資 (うち脱炭素関連投資) | 5,300億円 (1,900億円) | 6,500億円 (2,300億円) |
基盤投資 | 3,700億円 | 3,500億円 | |
合計(3ヶ年) | 9,000億円 | 1兆円 |
(注) 1 スライド差補正後利益
2 各数値は2023-25年度中期経営計画策定時の見通し値
3 20-21年度の平均、国内のみ
4 海外含む
(2) 新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの対応方針
新型コロナウイルス感染症については、現下の社会情勢を踏まえながら、引き続きお客さまへの対応等を行っていきます。
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