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ジェイテクト
企業概要
当社は、JTEKT Group 2030 Visionで「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げております。
グループで保有する多様なコア技術やコンピタンスを掛け合わせ、製品やサービスを未来志向のソリューションとして成長市場へ投入することで、より多くのお客様の困りごとを解決するとともに、環境・安全・エネルギー・少子高齢化等の社会課題の解決に貢献しております。
祖業である軸受や工作機械で培った、トライボロジー(潤滑、摩擦)、材料、システム制御、計測・解析、成形・加工等、更には近年注力しているAIやWebアプリ等、多様な基盤技術を融合させ、新しい製品や製品を融合させたシステムやソリューションを発明することで、これからも変化し続ける世の中の多様なニーズに応えてまいります。
また、デジタル技術等を活用し既存領域の開発効率を徹底的に高める一方で、新規・先行領域の研究開発への投資を強化することで、更なる成長を目指してまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は55,865百万円であり、各セグメントにおける研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1) 自動車
自動車事業では、基盤技術を融合させたステアリング及び駆動部品の充実化と、車両(モビリティ)の「走る、曲がる」の領域を包括し、市場の新規ソリューションに繋がるシステムを提供することを目指しております。
ステアリング領域では、モビリティの運転支援・自動運転の高度化するニーズに対応する技術の開発を進めるとともに、商用車を含めた車両の電動化や電費向上に貢献する電動パワーステアリング(EPS)の開発とその小型・軽量化に取り組みました。
駆動領域では、電動車xEV(※1)の「電費向上」、「安全・安心な走りの質向上」に貢献する駆動部品の開発を進めるとともに、モビリティや工場、生活圏内等、さまざまなシーンへの適用を可能にするための高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の開発に取り組みました。当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
・電動パワーステアリング次世代仕様の拡販(人とくるまのテクノロジー展2024に出展)
小型軽量、グローバル最適生産を実現した次世代仕様のコラムアシストタイプ「C-EPS®」、ラックパラレルタイプ「RP-EPS®」の電動パワーステアリングで、電動化による車両重量の抑制に貢献します。
・リンクレスステアバイワイヤシステム「J-EPICS®」の量産(2025年度に販売開始)
モーター制御、アシスト制御、電源制御やセンシング等、様々な電気・電子・電装技術を融合させたステアリング機能で、手動運転の利便性に加えて自動運転との親和性で安全・安心に貢献します。
・自動操舵制御システム「Pairdriver®」の開発(IEEE国際会議でBest Paper Award(論文賞)を受賞)
EPSで培ったステアリング協調操舵技術ノウハウで、安全・安心・快適な自動運転に貢献します。
・操舵アクチュエータの量産(2025年日本国際博覧会自動運転バスに搭載、日野自動車株式会社の大型観光バス用に採用)
油圧式パワーステアリング(HPS)とEPS制御技術を組み合わせることで、あらゆる商用車に対し、自動運転/運転支援機能、乗用車レベルの高い操舵性能と安全性を実現します。
・低トルクハブユニットの開発(人とくるまのテクノロジー展2024に出展)
ジェイテクトの持つ潤滑技術とシール技術で、ベアリング部の転がり抵抗とシール部の摺動抵抗を低減し、モビリティの低電費・低燃費に貢献します。
・ポータブル水素カートリッジ用バルブの開発(トヨタ自動車株式会社開発の水素カートリッジに採用)
「水素を身近なエネルギーとして手軽に持ち運び、生活圏の幅広い用途で使う」というソリューションを提供し、クリーンで豊かな社会づくりに貢献します。
※1:BEV(Battery Electric Vehicle)等を含めた電動化された自動車の総称
(2) 産機・軸受
産機・軸受事業では、これまで培ってきた低損失、長寿命、材料・熱処理といった基盤技術を更に進化させることで、自動車や産業機械の小型軽量化、機械効率向上等に向けた様々なソリューションを提供しております。当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
・設計基幹システムによる設計プロセスの短縮
初期検討から作図までをシームレスに完了できる設計基幹システムを開発。短期製品開発が必要な現在の市場環境に対し、様々なソリューションの早期提供を実現しております。
・ハイアビリーJFAST™
ハイアビリーJFAST™は、グリース潤滑用にPEEK樹脂製の保持器を最適設計した、高速性と低昇温性に優れた工作機械主軸用軸受であります。付加機能により、製造現場のカーボンニュートラル達成に貢献いたします。
・LFT-V 量産開始 ~いすゞ自動車の新型「MU-X」に採用~
低トルク円すいころ軸受LFT®(※2)シリーズにおいて、2020年に開発した最新のLFT-Vは更なる低損失化を達成しております。いすゞ自動車株式会社の「MU-X」(1トン積みピックアップトラック「D-MAX」の派生車)のリアデファレンシャル用軸受として採用されました。新型「MU-X」の低燃費化とCO2排出量削減に貢献いたします。
・ONI BEARING®の技術を用いて ~ロードバイクから競技用車いすへ~
ジェイテクトが世界で初めて実用化したセラミックボール軸受の技術や長年培った知見を活かして開発した、ロードバイク用軸受「ONI BEARING®」。圧倒的な低トルクを誇る「ONI BEARING®」の技術を活用したソリューションを競技用車いすに提供しております。
※2:LFT®:Low Friction Torqueの略で、ジェイテクトの登録商標
(3) 工作機械
工作機械事業では、モノづくりの更なる生産性・付加価値向上に貢献するソリューションを提供することを目指しております。研究開発活動においては、ジェイテクトグループのコンピタンスを活かし、新しいニーズに応え続ける商品・技術開発とデジタル活用による効率化を推進しております。当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
・小型円筒研削盤「G1 Series Type Bt」を販売開始
円筒研削盤G1 Seriesに、小物量産加工に最適な「Type Bt」を追加。お客様の生産性向上に貢献いたします。
・工作機械ユーザー向け会員WEBサービス「my JTEKT Machinery®」を開設、JIMTOF2024に出展
機械の保全履歴をWEB上で簡単に確認でき、早期の困りごと解決をサポートするDXソリューションによって、機械の長期的な安定稼働に貢献いたします。
・2頭硬脆材料ウェーハ研削盤「DDT832」を開発(株式会社ジェイテクトマシンシステム)
2頭同時加工による生産性向上と高出力スピンドルによる安定した高精度加工を実現。独自設計によるスリム化で機械設置面積の削減に貢献いたします。
SEMICON Japan 2024では、ビトリファイドダイヤモンドホイール「nanoVi®」(株式会社ジェイテクトグラインディングツール)とともに、半導体ウェーハの研削加工に貢献するソリューションを提案いたしました。
・SiCパワー半導体用アニールシステム「RLA-4200-V」、「VF-5300HLP」を開発(株式会社ジェイテクトサーモシステム)
熱処理能力の向上や搬送機構の刷新によりSiCウェーハの生産性向上に貢献いたします。
・「超低電力電磁切換弁HD1Eシリーズ」(株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム)と「金属・工業加熱装置向けCNレトロフィットサービス」(株式会社ジェイテクトサーモシステム)が、一般財団法人省エネルギーセンターが主催する2024年度省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門「省エネルギーセンター会長賞」を受賞
カーボンニュートラル達成のための省エネやCO2排出量削減に寄与いたします。
(4) その他新領域
当社は、取り巻く環境の変化を先読みし、持続的な成長を図るために、新しい領域への取組みを継続しております。少子高齢化や環境・エネルギーといった社会課題に対するニーズと、これまで培った技術やノウハウといったシーズをまとめたコアコンピタンス・プラットフォームを掛け合わせ、また、事業性評価、的確な軌道修正を図る仕組みの構築と合わせて、事業の育成、拡大を加速させております。当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
◆アクティブ・ライフ事業
当社のコア技術である電動パワーステアリングのアシスト制御技術をベースに、医療・介護施設における作業の負担低減という社会課題の解決に貢献。以下、3商品を販売しております。
・介護用アシストスーツ「J-PAS fleairy®(フレアリー)」
介護作業でみられる腰の負担軽減に貢献及び要介護者が安心して身体を預けることが可能であります。また、土木・製造等の荷役作業への展開につきましても模索しております。
・介助用車いす電動アシストユニット「軽e®(かるいー)」
在宅介護での介助の負担軽減に貢献する介助用車いす電動アシストユニット「軽e®(かるいー)」を日進医療器株式会社へ納入し、同社から介助用電動アシスト車いすとして販売しております。
・病院ベッド用搬送アシストユニット「ラクステア®」
株式会社ジェイテクトマシンシステムが、病院ベッド移動を楽にする「ラクステア®」を開発しました。また、ベッドメーカーと共同で、病院での実証を経て、2025年4月より販売を開始しております。
◆蓄電デバイス事業
・高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy®(リバディ)」性能の向上
出力特性や低温特性に影響を与える内部抵抗を半減した次世代Libuddy®を開発、2026年に量産を計画しております。
・カーボンニュートラルラボの電圧安定化電源としての採用とその効果
太陽光発電、LIB、燃料電池等と共有化する直流バスに、電圧安定化用電源としてLibuddy®モジュールを接続し、負荷変動による直流バス電圧変化を抑制し、安定した電力供給を実現いたします。また太陽光発電効率の向上、及びLIBの負荷低減による長寿命化に寄与いたします。
・ドローン用姿勢制御システムとの連携
Libuddy®を搭載することで、限られた空間に配置された主電源からの電力不足を補い、外乱に対する飛行性能向上に貢献いたします。
・NEDO プロジェクトへ参画
2024年から5年間の計画でスタートした、「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」に参画。離着陸時や垂直飛行から水平飛行移行時の高出力をサポートするため、高応答電源制御システム(株式会社ジェイテクトエレクトロニクス)と電源(Libuddy®)をセットで技術提供しております。
◆歯車事業
・自動車事業、産機・軸受事業、工作機械事業、グループ会社で培った歯車関係技術を活用し、歯車装置の小型化、高効率化、静粛性向上に貢献する技術開発を推進。軸受と歯車のコアコンピタンスを活かしたソリューションとして軸受一体歯車(JIGB® : JTEKT Integrated Gear Bearing)の開発を目途付けいたしました。
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