企業兼大株主KPPグループホールディングス東証プライム:9274】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。


KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ビジョンである「GIFT」に基づき、2030年に向けて策定した長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。このビジョンの下、当社ではグループ全体で環境負荷低減に資する商品やサービスの開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案に取り組み、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長していきます。

(2) 経営環境及び対処すべき課題

 紙パルプ産業の国内市場においては、デジタル化の進展により、情報媒体としての紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いています。また、パッケージング用紙についても飲料向け等で一部堅調な分野があるものの、全体として需要は伸び悩んでいます。海外市場でもグラフィック用紙の需要低下のトレンドは変わらず、また欧州の一部や中国における景気の低迷が紙の需要を下振れさせています。一方で、海洋プラスチック汚染に対する世界的な問題意識から、代替素材としての「紙化」需要の高まりが引き続き見られます。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきています。

 このような状況下、当社グループは、「グローバル展開」「DXへの対応」「グリーンビジネスの展開」「気候変動対策」「人的資本経営の推進」「ガバナンスの強化」「資本コストを意識した経営」を課題として取り組んでおります。

① グローバル展開

 情報媒体は先進国を中心に、「紙」から「電子」への移行が進み、特に新聞、雑誌、カタログ、帳票類などの需要減は業界の構造改革を促しています。一方で、世界の紙・板紙市場は2040年にかけて年率1.7%の成長が見込まれるとも言われています。

 今後の紙パルプ市場を牽引するのは段ボール原紙、紙器用板紙などパッケージ系の紙と衛生用紙であり、地域的には中国、インド、アセアンを含むアジア市場及びアフリカ諸国になります。当社グループはこのような紙パルプ産業の転換期に、地域戦略と事業ポートフォリオ戦略を着実に進めるとともに、事業会社間の事業シナジーを追求することでグループの総合力の強化を図っていきます。

② DXへの対応

 デジタル技術の活用による生産性向上やサービスの改善はグループの各事業会社に共通する課題であり、各社の状況に合わせ、内部管理システムの高度化・共通化やeコマース事業の基盤強化・利用推進等を進めています。

 また、グループ社員のコミュニケーションツールの導入やグループ会計システムの共通化検討等、グループ横断での施策も進展しています。

③ グリーンビジネスの展開

 当社グループは、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を具体化するべく、環境対応商品・ソリューションの展開を強化しています。具体的には、日本における紙を代替素材とする衣料品・人工芝の販売や、企業の製品から発生する古紙の再利用ソリューションを提供する「クローズドリサイクル」等が挙げられます。

 また、新規事業として、最新のテクノロジーを活用したデータ分析によって発電プラントの稼働率を向上させるソリューション提供や、バイオマス発電所への燃料供給、バイオエタノール原料のソルガムの生産・販売等、新しい分野にも積極的に展開を図っています。

④ 気候変動対策

 気候変動は、事業の継続性や財務状況に影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しています。当社は2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連リスクおよび機会の分析結果を経営戦略に反映しています。今後は、グループ全体でGHG排出量の削減を実効的に進めるべく、本年度中にスコープ1およびスコープ2の排出量を連結ベースで可視化する予定です。併せて、第4次中期経営計画において設定した排出原単位の削減目標に基づき、物流効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、具体的施策を推進していきます。

⑤ 人的資本経営の推進

 当社は、「人」を最も重要な経営資源と捉え、これを人的資本として位置づけています。トップマネジメントで構成される人事委員会の主導のもと、人的資本戦略の策定を進めるとともに、採用・育成・評価に関する制度整備を推進しています。また、グループ全体での人的資本の可視化を目的として、リスキリング分野では「教育にかける時間」、労働安全分野では「休業災害強度率」といったKPIの策定に取り組んでいます。エンゲージメントについては、各拠点で調査を実施し、その結果を加重平均することで、グループ全体の指標として反映していく方針です。

⑥ ガバナンスの強化

2022年のホールディングス化以降、当社は取締役への多様な人材登用を含め、コーポレートガバナンスの強化を進めてきました。グループガバナンスに関しては、リスク管理やコンプライアンスに関する共通基盤や投資基準などの整備は完了しており、今後は本社と各拠点の役割分担をさらに明確化し、自律性と統制の両立を図ることが重要な課題です。このため、本社によるガイドライン策定と現地判断の尊重を両立させる体制の構築を進めており、具体的には、各拠点の権限明確化やモニタリングKPIの整備などに取り組んでいます。今後も、地域起点での価値創出とグループ全体の持続的成長を両立するガバナンス体制の強化に取り組んでいきます。

⑦ 資本コストを意識した経営

 当社グループは、各事業会社の事業活動を通じて、「ROE8%以上」及び「資本コスト(WACC)<ROIC」を継続的に達成することで、持続的な株主価値創造の実現を図っていきます。具体的には、利益率の高い事業の拡大、資本コストを上回る事業や将来を見据えた成長事業への投資を推進していく他、株主資本と有利子負債の最適資本構成の構築による資本コストの低減及び資本コスト経営の情報開示の充実を今後も図っていきます。

(3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標

 当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定しています。

「第4次中期経営計画の基本方針」

(テーマ)

 業界トップクラスのグローバル企業へ

(基本戦略)

「事業戦略」

・事業領域の拡大

・事業ポートフォリオの転換

・グローバルシナジーの追求

・Eビジネスの拡大・DXの推進

「サステナビリティ戦略」

・グリーンビジネスの展開

・気候変動対策

・人的資本経営の推進

・ガバナンスの強化

「財務戦略」

・成長投資資金の確保

・資本効率と財務健全性の両立

・株主還元の充実

 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。

第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標

営業利益

EBITDA(※)

ROE

ROIC(※)

自己資本比率

連結配当性向

200億

320億円

8.0%以上

ROIC>WACC

20~25%

30%を目処

(但しDOE3.0%を下限※)

※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等

ROIC:投下資本利益率

WACC:加重平均資本コスト

DOE:連結株主資本配当率

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