企業ニチハ東証プライム:7943】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」「明るい風通しのよい職場づくり」を経営の基本理念として、株主・取引先・社員など当社グループを支えていただいている全ての関係者の信頼と期待に応え、共に栄えることを日々の経営活動の指針としております。

(2) 目標とする経営指標

 経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。販売拡大並びにコストの削減などによる利益の最大化を図ることに加え、資本効率を適正化することにより、中期経営計画(2021年4月~2024年3月)においてROE10%程度を目標としております。

 当連結会計年度においては、ROEは7.8%の実績となりました。2024年3月期は中期経営計画の最終年度としての利益目標の未達に加えて、円安による為替換算調整勘定の増加を通じた純資産の増大もあり、中期経営計画の目標である10%を下回る見込みです。

 本年3月31日には東証より「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い」が発信され、PBR1倍割れの企業に対する要請がされております。PBRは「ROE×PER」という算式で算出されますので、ROEとPERを各々増大させることでPBRを増大させることになります。

 当社グループとしては、まずは、これまで重視してまいりましたROEの向上に努めていく方針です。また、PERについては、株主・投資家に当社の海外事業や国内非住宅事業の成長性を理解して頂くべく、IR活動等を通じて開示を充実させることで改善を図ってまいります。

(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループでは、人口減少に伴う国内住宅市場の縮小やカーボンニュートラルへの取組拡大など社会構造・経営環境が変化する中、持続的な成長を実現するため、「中期経営計画」(2021年4月~2024年3月)に基づき、スピード感を持って次の重点課題に取組んでおります。

① 生産能力の大幅増強

 今後の安定したシェアアップと新市場開拓を確固たるものにするため、想定を上回る需要に対しても着実にビジネスチャンスを掴み販売量を伸長できるよう、余力のあるフレキシブルな生産体制の構築を進めており、これまで取組んできた生産効率向上も含め、国内と米国新工場を合わせて生産能力を約20%アップする計画としております。国内においては、2023年3月に当社名古屋工場の生産能力増強工事が完了し、5月より稼働を開始しております。また、米国においては、2022年6月に新工場の稼働を開始し、生産能力の増強を図っております。2024年3月までに目標通りの生産能力増強を達成する見込みです。

② 海外市場開拓

 米国新工場が稼働を開始し、主力商品「モエンエクセラード」の生産・供給能力が大幅に増強されました。この増強後の体制のもと、現地の顧客ニーズに寄り添った高付加価値商品の開発を一層推進するとともに、商業施設・公共施設等を対象としたコマーシャル事業に係る営業人員の増強や戦略の強化を図るなど、販売拡大に取組んでおります。

 また、米国市場以外では、カナダでの市場開拓を進めつつ、中国・オーストラリア・韓国などの既存の有望市場における販売を伸長させるほか、将来的には南米・欧州の市場も視野に入れた新たな販路の開拓を進めてまいります。

③ 非住宅市場開拓

 商業施設や中高層建築物向けなどの非住宅市場をターゲットに、顧客ニーズに即した工法の開発を行うとともに、当社商品のデザイン性や高い環境性能などのメリットをアピールし、非住宅市場の開拓を進めております。

 一例としましては、昨年、株式会社長谷工コーポレーションと共同で鉄筋コンクリート造(RC造)建築物における複合外装工法(当社窯業系サイディングの取付工法)を開発し、技術審査証明を取得しました。この工法では、多彩なデザインの外観が可能となるほか、国産の木材チップを原材料とした「モエンエクセラード」を使用することでCO2の固定化を図ることができ、マンションにおいても環境に配慮した外壁を実現することが可能となります。今後は、新築マンションの外装工法として当該工法の使用を推進してまいります。

④ 金属事業拡大

 金属サイディングは、新築住宅のほかリフォームにも使用されており、新築住宅が減少する中でストックビジネスとしての安定的な成長が期待されています。加えて、主力の窯業系外装材と同様に非住宅市場においても潜在的な需要が見込まれております。今後は、鉄骨造1時間耐火構造に対応した商品や、2021年度グッドデザイン賞を受賞した商品「スマートフラットプレミアム」のほか、2022年10月に発売した新商品「メタルガード光」シリーズなどを武器に、さらなる市場の開拓を進め、金属事業の拡大に繋げてまいります。

⑤ ESGの取組強化(環境対応)

 当社グループは、2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明すると同時に、CO2排出量の削減目標として「2030年度に2013年度比50%削減」、「2050年度にカーボンニュートラルとすること」を掲げました。

 また、昨今、カーボンニュートラルへの動きが加速する中で、環境に配慮した建材へのニーズが高まっておりますが、当社の窯業系外装材はデザイン性や性能だけでなく環境への貢献という点においても強みを有しております。例えば、「モエンエクセラード」をはじめとするオフセットサイディングは、本来であれば廃材となる国産の木材チップを原材料に使用することでCO2を固定化させております。このように環境対応の観点からも、当社のオフセットサイディングには大きなビジネスチャンスがあると考えております。

 さらに、当社グループでは、住宅等の建築時に発生する窯業系外装材の端材を回収し再利用することにより産業廃棄物の発生を抑制するリサイクルシステムを構築し、その普及にも取組んでおります。

 今後は、CO2排出量の削減目標達成に向け、生産効率の改善、燃料転換、CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に注力するなど、環境負荷軽減に対する各種取組を強化してまいります。

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