グローバルダイニング
【東証スタンダード:7625】「小売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
将来の人口減少や高齢化、コロナウイルスパンデミックによるライフスタイルの変化、エネルギー価格高騰や急激な為替変動の影響による物価上昇など、外食産業においては戦略の見直しや業態・オペレーション・メニュー開発の改善を余儀なくされる事態に直面しております。このような経営環境が大きく変化するなか、当社グループの社員をはじめあらゆるステークホルダーの皆さまと当社グループの企業理念を共有することで、今後の持続的な成長と企業価値の更なる向上を目指してまいります。
■パーパス PURPOSE(存在意義)
世界に喜びと健康を
■ミッション MISSION(果たす役割・使命)
すべてのお客様に感動して頂き、社員も感動できる最高の舞台を提供する
■バリュー VALUE(大切にする価値観)
個の尊重 (組織運営の基本方針)
徹底した情報公開 (組織運営の基本方針)
本物志向 (料理・サービス・空間の品質を追求しよう)
革新性と創造性 (現状に満足せず常にチャレンジし、新しい価値を生み出そう)
健康増進 (健康的な食の提供&環境づくりや健康習慣を定着させよう)
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、収益性の指標としてはROA(総資産経常利益率)10%及びROE(株主資本利益率)5%を目標とするとともに、その他の指標として、既存店売上高の前年比プラスを目標としております。また、新規の投資案件としてはROI(投下資本利益率)20%以上を念頭においた出店を行ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
総人口の減少期が始まり、成熟社会として歩みはじめた我が国において、当社の属する外食産業は今後ますます企業間競争の激化が予想されます。加えて、2019年には消費増税、2020年には新型コロナウイルス感染症拡大によって人々のライフスタイルが変化し、デリバリー、テイクアウト、店舗やECサイトでの冷凍食品・ミールキットといった物販など、外食各社とも需要拡大が見込める中食事業への展開に力を入れ始めており、ますます食のボーダレス化が加速していくものと思われます。
このような環境下において、当社では、外食に対する価値を感じて来店いただけるよう、これまで以上に「エンターテインメントとしての外食」にこだわり、インバウンド対策も講じながら、既存店のブラッシュアップに経営資源を集中して盤石な収益基盤の確立を目指すとともに、首都圏ターミナル駅エリアを軸にした新業態や既存業態の新規出店を進めてまいります。さらには、昨今では深夜帯需要が減少傾向にあることから、郊外型(観光地含む)でアルコールに頼らない業態に取り組む必要性を強く感じ、宿泊設備付きの飲食複合施設を栃木県那須塩原市(那須ガーデンアウトレット隣接地)に建設し、2025年3月19日に全館グランドオープンを迎えました。この郊外型業態の確立によるマーケットの拡大と、「移動・アウトドアダイニング」といった運営形態の多様化による新業態の可能性についても調査・研究をすすめてまいります。
また、創業当時からの目標であった「世界に通用する企業」を目指し、米国をはじめとするグローバルなマーケットでビジネスの展開を行ってまいりたいと考えております。事業拡大という目的のみならず、外食ビジネスのトレンドや最先端事例等から得られる成功のエッセンスは国内事業の活性化にもつながるものと考えており、現在、米国ロサンゼルスにて子会社「グローバルダイニング,インク.オブ カリフォルニア」を通じて3店舗のレストランを経営しております。米国での展開を軸に、『権八香港』『権八上海』といった海外現地企業とのフランチャイズ契約による海外展開のほか、将来的には直接投資による海外展開も視野に入れてまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
我が国では2024年の訪日客消費が8兆円を超え過去最高となるなど、外食産業にとっては追い風となる経済環境ではありましたが、ロシア・ウクライナ情勢や円安による資源価格・原材料価格の上昇の影響が現在も続き、依然として先行き不透明な状況にあります。そのような中、当社グループにおいては次の課題に優先的に取り組んでまいります。
①人材の採用・発掘・育成
業績の維持・向上は、優秀な人材をいかに採用・発掘し、次世代リーダーとして育てあげるかにかかっているといっても過言ではありません。当社グループではこれらを「人材輩出」と呼び、幹部社員は次世代リーダーを発掘し、育てることを重要な任務としております。そのためには、企業理念の明確化や、健全な競争環境・待遇・だれもがチャレンジできる立候補制昇格人事といった当社独自の人事システムの構築と、集合研修・勉強会、海外市場の視察・店舗研修(子会社への出向・出張等)、各種認定試験、料理・サービスコンテストの開催といった従業員の意識・能力向上をサポートする環境づくりが重要であると認識し、それらの整備に努めております。
また、当社ではこれまでアルバイトからの昇格人事が中心でありましたが、幹部社員の中途採用や新卒採用の再開に取り組むことによって、優秀な人材の確保や組織の活性化を図っていくとともに、インバウンドをターゲットとした国内業態や、子会社、フランチャイズ形式による海外展開などを通じて、グローバル人材の採用・育成にも注力してまいります。
②競争力の強化
インバウンドの増加による経済環境の好転と値上げの浸透により、国内売上は11年振りに100億円を超えましたが、より一層の収益化に向けて、提供する商品・サービスの品質の向上に取り組んでおります。商品については、食材の海外現地調達に取り組むことで、当社でしか味わえない戦略商品の開拓と差別化を推進してまいります。サービスについては、ホスピタリティ向上のための具体的な行動指標を定めてサービスチェックを行っており、全店でのサービスレベルの底上げを推進してまいります。米国子会社店舗においても食材調達において国内同様の取り組みを模索し、品質向上と差別化によって当社グループの競争力強化を図ってまいります。
③新店・新業態の立ち上げと収益化
コロナ禍を脱し、今後の成長投資が可能な経営環境となりましたことから、日米ともに大型店舗の出店に取り組んでおります。米国ロサンゼルスのダウンタウン地区に『セッテチェント』(イタリアン業態)を、栃木県那須塩原市に宿泊飲食複合施設「那須パラダイスヴィレッジ」を、どちらもトレーニングを兼ねたソフトオープンスタイルで営業を開始しました。お客様からのご意見や感想をもとに改善を重ねて、新年度の2025年第1四半期中にグランドオープンしております。希少価値の高い立地・環境や、他にはない存在感のある魅力的な施設づくりによって、早期の収益化を目指してまいります。
④財務体質の健全化
あらゆる財政対策を講じてコロナ禍を乗り切り、当期で4期連続黒字化を達成したものの、今後の外食産業は国内外ともに物価高や人件費高騰がすすみ、より舵取りが難しい事業環境が続くものと思われます。厳しい環境下で培った営業体制のさらなる強化に取り組み、次年度以降の利益を確保しながら、コロナ禍及び大型出店の設備資金として調達した有利子負債の計画的な圧縮を着実に進めてまいります。
安心安全な食材の調達を大前提とし、より高いレベルの料理・サービス・空間の提供にこだわり続けることで、お客様に感動していただき、そして社員も感動できる最高の舞台を提供してまいりたいと考えております。
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