梅の花グループ
【東証スタンダード:7604】「小売業」
へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念である「人に感謝、物に感謝」の精神を根幹に据え、変化する経営環境(自然災害の多発、物価の高騰、少子高齢化の進行等)に的確に対応してまいります。
「花咲く、食のひとときを。」をスローガンに掲げ、食を通じたホスピタリティの提供を追求するとともに、次世代への食文化の継承、日本の食文化の魅力を国内外へ発信することで、持続可能な成長と社会への貢献を図ってまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経済環境は、日本国内における少子高齢化及び人口減少の進行に伴い、食市場全体の規模が縮小傾向にあります。こうした構造的変化に加え、ライフスタイルの多様化が進むことで、従来の消費行動や食のニーズが変化しており、当社グループの事業運営にも多方面にわたる影響を及ぼしております。
このような市場環境の中で、当社グループは柔軟かつ機動的な業態戦略やメニュー開発、マーケティングの強化等を通じて、変化への適応力を高めていく必要があります。
また、財務面においては、有利子負債による支払利息の負担が拡大しており、これが収益性の圧迫要因となっております。今後は、財務健全性の確保及びキャッシュ・フローの改善を通じて、資本効率の向上を図ることが、当社にとって重要な経営課題の一つであると認識しております。
そのため、有利子負債の圧縮に取り組むとともに、新規出店による店舗数の拡大を進め、事業の持続的な成長を目指してまいります。
① 事業展開
(第1事業部門)
外食業界を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少、ライフスタイルの多様化、さらには原材料価格やエネルギーコストの上昇等、様々な構造的課題に直面しております。こうした中で、当社グループが持続的な成長を実現していくためには、以下のような課題への対応が求められております。
外食事業においては、市場の縮小が進む中にあっても持続的な成長機会を確保するため、顧客層の若返りを図ること、従来よりも投資負担の少ない業態による出店、さらにインバウンド需要への対応として、日本の食材を活用した高級かつ高価格帯業態の開発及び計画的な出店を推進することが、当社にとって対処すべき重要な課題であります。あわせて、老朽化が進む既存店舗への対応として、改装や業態転換の実施、さらにはM&Aの活用による事業基盤の強化・拡大にも注力していく必要があります。
また、原材料費や水道光熱費等のコスト上昇に伴う収益圧迫に対しては、全社的な生産性向上を通じたコスト構造の見直し、効率的な運営体制の構築、価格政策の適正化が重要な課題となっております。加えて、付加価値の高いメニューの開発・展開により、客単価の向上とともに、収益力の強化を図ることが求められます。
テイクアウト事業においては、主要百貨店への出店に加え、百貨店以外の施設への展開を通じて販路を拡大し、収益基盤の多様化を進めていく必要があります。同時に、価格改定やメニュー見直しを通じたコスト対応、並びに商品製造体制の適正化や廃棄・値引きロスの抑制といった店舗運営の効率化が課題として挙げられます。
さらに、顧客接点の強化も重要な課題です。グループ公式アプリ「うめのあぷり」を活用した既存会員の回遊性及び来店頻度の向上を図るとともに、SNS等のデジタルメディアを活用した情報発信によって認知度を高め、新規顧客の獲得を推進していく必要があります。
今後も、効果的なマーケティング施策を展開することにより、来店動機の創出と来店客数の増加を図ってまいります。
(第2事業部門)
外販事業の拡大に向けては、販路拡大を目的とした新規取引先の開拓が不可欠であり、同時に既存取引先に対して当社グループの定番商品の提案強化を図ることも重要な課題であります。これらの取り組みを通じて事業基盤の拡大を推進していく必要があります。また、通販においては、売上高及び利用者数の増加を目指し、通販サイトの機能・構成の見直しや初回購入特典の導入等の施策を講じております。加えて、他社通販サイトへの出店による販売チャネルの多様化と拡大も課題として認識しており、これらを着実に進めることが求められております。
今後も、販路拡大と顧客基盤の強化を継続的に推進し、外販事業の成長に努めてまいります。
(ストック事業)
当社グループが所有する土地・建物等の有効活用に関しては、既存建物の賃貸物件へのリニューアルを含めた賃貸事業の拡大が重要な課題となっております。収益基盤の多様化及び安定化を図るため、賃貸事業の拡充に向けた具体的なプランの検討・実施を推進していく必要があります。
今後も、資産の有効活用による収益確保に努めてまいります。
(海外展開)
タイ王国においては、2号店の出店準備を進めておりますが、現地の市場環境や消費者ニーズの変化に対応しつつ、着実な店舗展開を図ることが課題となっております。
また、新たな進出先であるベトナムにおいては、現地法人設立を予定しておりますが、現地の法規制や経済状況、文化的背景を踏まえた事業基盤の構築が重要な課題です。これらの課題に適切に対応し、海外事業の安定的な拡大を目指してまいります。
(人的資本)
セントラルキッチンにおける製造人員や飲食店舗での従業員不足は、事業運営上の重要な課題となっております。これに対し、外国人技能実習生共同受入事業や特定技能外国人支援事業、並びに関連する職業紹介事業を展開するPlum協同組合を活用し、積極的な採用活動を進めております。
また、店舗責任者及び経営幹部の育成に加え、安定的な人材確保を継続的な課題と位置づけ、今後はこうした取り組みの強化を図ってまいります。あわせて、多様な人材の積極的な活用と職場環境の整備にも注力し、持続可能な労働力の確保に努めてまいります。
② 収益改善策
製造部門においては、店舗調理作業の効率化や味・品質の安定を実現するため、セントラルキッチンによる内製化の効果を再検証し、それを踏まえた商品開発を継続していくことが課題です。加えて、機械化・自動化や類似商品の集約、生産性向上に向けた取り組みの強化が求められております。生産効率の低い商品のOEM化やアイテム削減、さらに保存期間延長を目的として導入した急速冷凍機の活用強化も、重要な課題となっております。
物流部門においては、配送に使用する資材の見直しを進めており、発泡スチロールやドライアイスから、リサイクルコンテナや再利用可能な高性能保冷剤への切り替えを通じて、コスト削減とCO₂排出量の低減に取り組んでいます。持続可能な物流体制の構築は、引き続き重要な課題です。
また、全社的な生産性向上と業務効率化を実現するため、情報システム再構築プロジェクトを通じたDXの推進も喫緊の課題であり、コスト構造の見直しと将来の競争力強化に資する取り組みとして継続してまいります。
さらに、当社グループが保有する土地・建物等の資産の有効活用に向けては、収益性の向上と事業の安定化を目的としたストック事業への取り組みを進めております。今後、既存建物のリニューアルによる賃貸事業の拡大等、資産活用計画の策定と実行が課題となっております。
(3)経営上の目標を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。
- 検索
- 業種別業績ランキング