企業兼大株主シスメックス東証プライム:6869】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループはヘマトロジーをはじめとした既存領域の成長を目指し、ダイアグノスティクス事業における技術拡充を図っております。

 また、個別化医療・検査の精緻化を実現するための、臨床価値の高い診断技術、リキッドバイオプシー技術の社会実装を目指して、新たな技術開発に取り組んでおります。

 新規領域への挑戦として、検査・診断の価値を検査の場及びその対象を拡大することで高めると共に、個別化予防・予後モニタリングを実現するための技術開発にも取り組んでいきます。また、メディカルロボット事業や再生細胞医療などの治療領域に対しても、シスメックスの強みを生かしていきます。

 当連結会計年度における、主な研究開発活動の状況は以下のとおりであります。

(1) 2024年4月 近畿大学と京都大学の研究グループは、当社との共同研究により、非小細胞肺がん※1に対するオプジーボ(一般名:ニボルマブ)をはじめとする抗PD-1抗体※2の効果を、血液中の「免疫チェックポイント関連因子※3」から予測できる可能性があることを明らかにいたしました。本研究成果は、今後、非小細胞肺がんの治療方針の検討の際に役立つものであると期待されます。

※1 非小細胞肺がん:

 肺がんの8~9割を占め、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん等に分類される。

※2 抗PD-1抗体:

 免疫チェックポイント阻害剤の一つ。がん細胞を攻撃するT細胞を阻害する、PD-1とPD-L1の結合を阻止する。抑えられていたT細胞の動きを亢進させ、抗腫瘍効果を発揮させる。

※3 免疫チェックポイント関連因子:

 免疫応答を制御する分子のこと。持続的に抗原刺激が起こると、免疫細胞であるT細胞の膜表面に発現し、T細胞の細胞増殖能やサイトカイン産生能、細胞傷害性が低下する。

(2) 2024年4月 当社と川崎重工業株式会社が共同出資する株式会社メディカロイドは、手術支援ロボット「hinotori™サージカルロボットシステム」の胸部外科領域(呼吸器外科)への適応について、厚生労働省より承認を取得いたしました。

(3) 2024年6月 当社は、再生細胞医療における細胞培養液中の分泌タンパク質を測定する研究用試薬(「(研究用)HISCL™ VEGF試薬」、「(研究用)HISCL™ PEDF試薬」)、(以下、本製品)を国内から販売開始いたしました。本製品が、再生細胞医療の研究開発や細胞製造において使用されることで、細胞医薬品の品質管理試験の自動化・効率化に貢献することが期待されます。

(4) 2024年6月 当社の子会社である株式会社理研ジェネシスは、東北大学病院との共同の成果により、結腸・直腸がんにおける治療薬の選択の補助として用いることができる体外診断用医薬品「OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キット」の国内における製造販売承認を取得いたしました。

(5) 2024年9月 当社は、抗アミロイドβ抗体薬の副作用リスクを予測するため、血液中のゲノムDNAからAPOE遺伝型※4を判定する検査試薬の日本における製造販売承認申請を実施いたしました。

※4 APOE遺伝型:

 脂質代謝に関わるアポリポタンパク質E(ApoE)をコードする遺伝子。112番目と158番目のアミノ酸をコードする2つの一塩基置換(rs429358,rs7412)の組み合わせにより3つの遺伝型(ε2,ε3,ε4)が規定される。

(6) 2024年9月 当社は、血小板第4因子とヘパリンの複合体に対するIgG抗体を測定する「HISCL™ HIT IgG試薬」(以下、本製品)を国内市場から発売いたしました。本製品は、HISCL™シリーズ※5の技術を採用した全自動血液凝固測定装置CN™-6500/CN™-3500用の検査試薬であり、ヘパリン起因性血小板減少症(以下、HIT)※6の血清学的検査において求められる高感度、更には高特異度を実現します。高特異度を可能としたことで、ヘパリン療法の副作用判定において課題である偽陽性の低減に寄与し、HIT診断の迅速化及び検査効率の向上に貢献します。

※5 HISCLシリーズ:

 全自動免疫測定装置 HISCL™-5000/HISCL™-800の総称

※6 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT):

 ヘパリンの使用により血小板減少症と血栓症を発症する疾患のこと 。

(7) 2024年12月 当社と株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(以下、J-TEC)は、再生細胞医療の産業化の加速と持続可能性の向上に貢献するために、革新的技術による再生医療等製品の製造機能の高度化(機械化や自動化)を目指すことについて、基本合意書を締結いたしました。また、3月には戦略テーマの一つとして、再生細胞医療における無菌試験に関する共同研究契約を締結いたしました。再生細胞医療の無菌試験に対し、J-TECの持つ知見やノウハウと、当社が持つ微細な粒子を流路に流して流路中を流れる個々の粒子を光学的に分析するフローサイトメトリー技術を応用することで、迅速かつ安全な無菌試験の開発を目指します。

(8) 2025年3月 当社は、国立大学法人大阪大学大学院医学研究科外科学講座消化器外科学の三吉 範克 先生及び箕面市立病院と、ICTによる訪問看護連携型の自宅採血サービスの有用性評価に関する共同研究を開始いたしました。

(9) 2025年3月 当社は、糖尿病の免疫検査C-ペプチド項目「HISCLTM C-ペプチド 試薬」を国内で販売開始いたしました。販売中のHISCLTMインスリン試薬と併せ、全自動免疫測定装置HISCL-5000/HISCL-800向け糖尿病検査パネルとしてご活用いただくことで、幅広い検査室のニーズにお応えすることが可能となります。

 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は31,455百万円であります。

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