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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」という経営理念のもと、2013年6月に設立いたしました。本当に知りたいゲームの情報が得られる場所が存在すればもっとゲームを楽しめるようになるという想いから、2013年9月にゲーム攻略情報メディアとしてウェブサイト「GameWith」をリリースいたしました。「GameWith」では現在、ゲーム攻略情報だけでなく、新作ゲームの紹介記事等を提供しており、ゲーマーにとって欠かせないインフラとなりつつあります。直近では、eスポーツや新規事業であるNFTゲーム、回線事業が大きく成長してきております。これらの新規領域について、中長期的にメディア事業に次ぐ第2第3の柱とするべく、現在注力しております。

当社グループの事業は、主に、ゲーム情報等の提供を行うメディア事業およびeスポーツ・エンタメ事業、ならびにゲームに関連する新規事業を展開しております。

(2) 経営環境

日本国内のインターネット普及率は毎年増加しており、2024年のインターネット普及率は85.6%(注1)となっております。これに伴い、2024年インターネット広告費は、前年比9.6%増の3兆6,517億円となっており、2024年のインターネット広告媒体費は、前年比10.2%増の2兆9,611億円と成長しております(注2)。

なお、国内モバイルゲーム市場の成長鈍化に伴い、メディアの閲覧数が減少する等の影響があった一方、広告単価は、向上施策により2025年5月期第4四半期は過去5年間で最も高い水準となっております。

また、当社はメディア事業に留まらず、ゲームに関する様々な事業を展開しておりますが、国内のゲーム市場規模は、2023年には2兆1,255億円まで成長しております(注3)。

(注1) 総務省「令和6年通信利用動向調査」

(注2) 株式会社電通「2024年 日本の広告費」

(注3) 株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2024」

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高及び営業利益を重視しております。

(4) 事業戦略方針

当連結会計年度においては、昨年開示した中期経営計画において、安定的な成長ではなく加速度的な成長を目指し、投資を積極的に推進する方針を掲げ、メディアに次ぐ第2、第3の柱とするべく、新規領域への投資を積極的に行っており、新規事業は順調に成長しております。一方で、メディアの市場環境の悪化への対応が遅れたことにより、回復傾向にはあるものの、全社の売上高が想定していた業績レンジを下回る結果となり、メディアの再成長が急務となっております。2026年5月期については、中長期的な成長を目指し、必要な投資は継続するものの、メディア事業の再成長と会社全体の利益創出及び黒字転換にもコミットする方針です。これにより、2026年5月期は中期経営計画の達成にむけて、その基盤をより盤石なものにする1年といたします。各セグメントの詳細については、以下の通りでございます。

① メディア

 メディアについては、主力事業として利益は生み出しているものの、過去と比較して売上、営業利益が低下しております。そのため、再成長が急務となっており、2026年5月期は売上高及び利益の増加にコミットしてまいります。

2026年5月期は、8年ぶりの新型コンシューマーゲーム機の発売など、ゲーム市場としては飛躍の年となることを想定しております。そのような事業環境のもと、攻略サイトの立ち上げ方針について、確実に大きな収益を生み出す大型タイトルのみ集中して立上げる方針から、ライターリソースの稼働率を最大限まで向上させ、一定程度収益を生み出す中規模小規模タイトルも数多く立ち上げる方針へ転換いたします。これにより、攻略サイトの立上げ本数を増大させることで、PV数の増加を実現いたします。また、前期から取り組んでいる広告枠の最適化施策等によるPV単価向上施策を継続することで改善したPV単価を維持させる見込みです。これにより「メディア広告」による収益の改善を見込んでおります。「メディアソリューション」については、直近注力しているアプリ外課金事業等をフックにクライアントとの接点を強化し、よりニーズにあった商材やソリューションの提案を行うことで、さらなる成長を目指してまいります。

 メディア領域における中期経営計画の骨子としては引き続き、国内と比較してPV単価が高い水準にある英語圏を始めとしたグローバル展開を柱に据えて注力することで、さらなる事業規模の拡大を目指してまいります。英語版GameWithについては、英語での記事提供の体制が日本語のGameWithと比較して弱いため、メディアにおけるタイトルカバレッジが少ないことが課題となっております。そのため、英語での記事作成人材に積極的に投資し、記事を量産することでタイトルカバレッジを一気に拡大してまいります。その結果、検索でも上位に表示されるようになり、PV数が急増していくという国内メディアでの成功の再現を狙うという戦略を考えております。また、シェアが向上し、PV数が増えることでメディア価値が向上することに伴い、タイアップ記事等、事業を横展開してまいります。さらに、資本業務提携関係にある株式会社デジタルハーツホールディングスの子会社であるDIGITAL HEARTS Seoul Co., Ltd.とのパートナーシップ締結による韓国市場への進出等、英語圏以外においてもグローバル展開を拡大していく予定です。

② eスポーツ・エンタメ

eスポーツ領域については、五輪採用に向けて、政府によるeスポーツ強化支援や日本eスポーツ連合(JeSU)の日本オリンピック委員会(JOC)への準加盟のニュースが話題になるなど、今後も市場規模は増加していくと期待されており、当社グループとしても注力領域としてさらなる事業展開を図ってまいります。eスポーツ領域におけるマネタイズ方法としては、スポンサー収入、大会賞金、支援金、グッズ販売、動画配信収益、イベント・タイアップなど多岐に渡りますが、不安定な部分も多く、マネタイズという意味ではまだ黎明期にあると考えております。そのため、将来市場が成熟した際に国内のみならず世界トップクラスのeスポーツチームとしての地位を確立していることが重要と考えており、その種まき段階として、中期経営計画においても戦略的に投資を行う領域として定めております。

 競技シーンにおいては、世界で注目されているゲームタイトルである「VALORANT」部門を中心に、環境整備による既存戦力の強化や新規戦力の拡充等を実施することでチーム価値向上に努め、「世界で勝てる」チームを目指す方針です。また、近年eスポーツ領域において重要なマネタイズポイントであるインフルエンサービジネスの強化についても課題であり、有名ストリーマーの獲得にも注力することで、ファンの裾野を広げて強さと人気の両方を兼ね備えるチームを目指してまいります。さらに、BtoBビジネスにおける強みを活かして、eスポーツを通じて、企業や様々なステークホルダーとの共創関係を構築することにも注力し、各方面で様々な接点を作ってまいります。

 これらの取り組みを行う上で、先行して戦略的に投資を推進していくことで、eスポーツ市場が成熟し、マネタイズポイントが拡大していった際に、トップチームとしてDetonatioNの地位が確立されていることを目指しており、中長期的に大きな収益を生み出す領域になると考えております。

③ その他

 その他について、今後も企業理念の達成に向けてゲームに関する様々な事業を展開していく予定ですが、現在は特に事業が立ちあがり成長フェーズに入ったNFTゲームと光回線事業を中心に中期経営計画を定めております。

NFTゲーム領域については、株式会社Kyuzanよりプロモーション等の受託をしているNFTゲーム「EGGRYPTO」が5周年を迎え、カジュアルなゲームにNFT要素を加え、ガチャ課金収入でマネタイズをするというビジネスモデルにおける運用ノウハウが確立されてまいりました。今後も「EGGRYPTO」については展開を続けてまいりますが、今後はこのビジネスモデルを活用した新作タイトルの開発も進めており、すでに発表している「EGGRYPTO X」については予定通り、2026年5月期中のリリースを計画しております。

 光回線事業については、2022年6月に資本業務提携を結んだアルテリア・ネットワークス株式会社との連携により、高品質な通信サービスを提供することに成功しており、多くのユーザーに安定性を実感していただいております。プロモーションやインセンティブばかりに頼らずユーザー目線でクオリティの高いインフラを提供することで、ニッチ市場にも関わらず順調に成長しております。ストックビジネスであるため、ユーザー数を最大化させることが重要であることから、ユーザー獲得のためのプロモーションを積極的に行ってまいりました。その結果、事業開始から3年が経過し、十分に利益を出せる状態まで事業として成長してきております。今後については、これまで先行投資として積極的に行ってきたプロモーションについて、徹底的な効率化を実施し、2026年5月期については、事業単独の黒字化を目指す方針へと転換いたします。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

① 新規事業の展開と新たな収益モデルの構築について

当社グループは、ゲーム情報メディアの運営を行っておりますが、当社グループが今後も継続的に成長していくためには、常にユーザーのニーズを把握し、新規コンテンツや周辺事業の展開を図ることにより、コンテンツを充実させ、かつ新たな収益モデルの構築に取り組むことが重要な課題と認識しております。

そのためには、既存コンテンツの拡充だけでなく、企業理念の実現に向けた新たな収益モデルを構築し、積極的にその拡充を図る必要があります。現在、eスポーツ、NFT、回線事業などの領域に関する新規事業を開始しており、新たな収益モデルの構築に取り組んでおります。

② 人材の確保及び組織力の強化について

 当社グループは、今後の継続的な成長のためには、人材の確保と社員育成が重要な課題と認識しております。引き続き積極的な採用活動と社内研修体制の強化及び社員が働きやすい環境を整備することで人材の確保及び組織力の強化に取り組んでまいります。

③ 内部管理体制の強化について

当社グループがユーザーに安定したサービスを提供し、継続的に成長し続けるためには、内部統制システムの強化が必要であると認識しております。そのため、事業等のリスクを適切に把握及び対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、引き続き内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

④ セキュリティシステム及び保守管理体制について

当社グループが展開する事業は、システムのセキュリティ及び保守管理体制の整備が重要であり、常にこれらの充実が重要な課題であると認識しております。今後も市場環境の変化に対応したセキュリティの維持及び保守管理体制の整備を進める方針です。

⑤ サービスの健全性と安全性の維持について

当社グループは、利用者が安心して利用できるサービスを提供することが、信頼性の向上及び事業の発展に寄与するものと考えております。これは当社グループが運営するゲーム情報メディアが、単なる情報メディアとしてではなく、ユーザー同士のコミュニケーションの場にもなっている点や、その他のサービスにおいてもユーザー接点が多いことから、当社グループとしてはその健全性と安全性に取り組むことが不可欠であると認識しています。具体的には、個人情報保護等の法令遵守に取り組むだけでなく、サイト自体の安全性を高め、利用規約の徹底やサイトパトロール等の体制強化のためにカスタマーサポート担当を定める等、監視、サービスの健全性の維持に引き続き取り組んでまいります。

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