企業兼大株主AGC東証プライム:5201】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本報告書の提出日現在において判断したもの

 です。

(1)経営の基本方針

 当社グループでは、グループの全ての事業活動、社会活動を貫く企業理念として Look Beyond を定めています。この Look Beyond において、当社グループが世の中に提供すべき価値、グループの存在意義を示すものとして「私たちのパーパス:“AGC、いつも世界の大事な一部”~私たちは先を見据え、独自の素材・ソリューションで、いつもどこかで世界中の人々の暮らしを支えます~」を掲げています。

 当社グループは、“いつも世界の大事な一部”であり続けるために、それぞれの時代で求められる変革に取り組んでいます。その変革を加速するため、2016年に既存事業を「コア事業」、成長分野での新事業群を「戦略事業」と定義し、両利きの経営を推進してきました。2021年には長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定するとともに、「コーポレート・トランスフォーメーション第二章」として事業ポートフォリオ改革の方向性を明確にし、企業変革をさらに加速することを宣言しました。

(2)中期経営計画 AGC plus-2026 の進捗状況

 当社グループは、長期経営戦略「2030年のありたい姿」の実現に向け、コーポレート・トランスフォーメーションの加速による企業価値の最大化に取り組んでいます。2024年からの3年間を「コーポレート・トランスフォーメーション第二章:フェーズ2」と位置づけ、2024年2月に、2026年を最終年度とする中期経営計画 AGC plus-2026 を策定しました。

 当初、AGC plus-2026 において、その最終年度である2026年の財務KPIを以下のとおり設定していました。しかしながら、欧州や中国における景気低迷等、当社グループを取り巻く経済環境は、総じて厳しい状況が続くことが見込まれます。加えて、ライフサイエンス事業での販売数量が当初計画に対して大幅未達になることが予想されるため、今般、2026年の財務KPIを以下のとおり下方修正しました。

(3)株主資本コストを上回る収益性の実現に向けた取り組み

 前述のとおり、2026年の財務KPIは下方修正しましたが、長期経営戦略「2030年のありたい姿」に向けて掲げている財務KPI(営業利益:3,000億円以上、戦略事業営業利益:60%以上、ROE:安定的に10%以上、D/E比率:0.5以下)は堅持します。株主資本コストを上回る収益性の実現に向け、AGC plus-2026 の戦略に基づく取り組みを着実に実行することにより、2027年以降早期に、ROE8%以上の達成を目指します。

AGC plus-2026 の戦略(2024年2月発表)

 AGC plus-2026 の基本戦略は次のとおりです。

“両利きの経営”を推進することにより、市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオの構築を目指しています。

現状認識

「2030年のありたい姿」において、コア事業では、各事業の競争力を高め、強固で長期安定的な収益基盤を構築することを、戦略事業では、自社の強みを活かし、当社グループの将来の柱となる高収益事業を創出・拡大することを目指しています。しかしながら、一部の事業では改善すべき課題があり、2026年の財務KPIの下方修正に至りました。また、2022年のディスプレイ事業等及び2024年のバイオ医薬品CDMOでの減損損失や2024年のロシア事業譲渡に伴う株式売却損の発生もあり、ROEが低位で推移し、結果的にPBRが1倍を下回る状況が続いています。

<ROEの現状>

<ROCEの現状>

 当社グループでは、ROE向上のためにROCE*による事業管理を行っています。

 資産規模の大きい事業の収益性が不十分であることが全社ROCEを引き下げており、これらの事業の収益力向上と資産効率の改善が喫緊の課題と認識しています。

(*) ROCE (営業資産営業利益率) = (当年度営業利益)÷(当年度末営業資産残高)

事業ごとの取り組み

<ディスプレイ事業>

 大型ディスプレイ用ガラス基板への生産集中に向けた事業構造改革、価格政策の見直し、技術革新による競争力強化を実行し、2026年のROCE10%達成に向けて、収益性改善は計画どおり進捗しています。

<エッセンシャルケミカルズ事業>

 タイでの設備能力の増強により東南アジアの旺盛な需要を取り込むことや高いシェアを活かしたサプライチェーン戦略の実行により、収益力改善を図ります。

<ライフサイエンス事業>

 バイオ医薬品CDMOの米国、欧州の各拠点における収益改善策の実行により状況は好転しており、増加傾向にある見積もり提案を確実に受注につなげ、収益性を回復させていきます。

〔収益改善施策〕

〔ライフサイエンスセグメントの業績見通し〕

<パフォーマンスケミカルズ事業>

 半導体関連や輸送機器等の需要増に伴う設備能力の増強により、売上を伸ばしていきます。

<エレクトロニクス事業>

 EUV露光用フォトマスクブランクスは、2025年の目標としていた売上高400億円を1年前倒しし、2024年に達成しました。半導体関連部材については、AI向けなど最先端半導体の需要増により市場は引き続き成長し、ハイエンド市場に向けた販売を拡大していきます。また、オプトエレクトロニクスについては、スマートフォン市場の飽和により成長が鈍化し、一旦踊り場をむかえる見込みですが、さらなる高機能製品の投入により、中期的には成長を見込んでいます。

全社的な取り組み

 前述の事業ごとの取り組みに加え、全社的な取り組みとして、価格政策、費用削減及びタイムリーな構造改善施策により、収益構造の改善を進めます。引き続き、“両利きの経営”を推進し、市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオの構築を目指していきます。

<設備投資とEBITDA>

 生産能力拡大のための大規模な投資は2025年で一巡し、今後は投資の効果が発現します。これに加え、2026年以降は投資を抑制することによりキャッシュを創出し、次の成長に備えます。

<キャピタルアロケーションの方針>

 2024~2026年は、事業環境の悪化によりキャッシュインが減少し、戦略枠は1,000億円に縮小する見込みですが、2025~2027年は、業績の回復及び投資抑制により、2,000億円の戦略枠を確保します。戦略枠については、投資案件やキャッシュの状況などを勘案し、自己株式の取得も含めて、最適な資本配分を総合的に判断していきます。

<株主還元>

 株主還元は、株主資本配当率3%程度を目安に安定配当を継続する方針に変更なく、2025年の1株当たり配当金額は2024年の水準を維持する予定です。

まとめ

 以上が、株主資本コストを上回る収益性の実現に向けた戦略及び今後の取り組みです。

「2030年のありたい姿」は堅持のうえ、2027年以降早期に、ROE8%以上の達成を目指します。

 当社グループは、「2030年のありたい姿」に向けて、“両利きの経営”の進化により中期経営計画 AGC plus-2026 を着実に実行していくことで、世の中、お客様・取引先様、従業員、投資家の皆様、将来世代など全てのステークホルダーに様々な価値をプラスします。

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