MORESCO
【東証スタンダード:5018】「石油・石炭製品」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念である「ユーザーのための研究開発」をモットーに、境界領域(モノとモノとの接点における摩擦や磨耗など)におけるニーズに応えることによって、社会に貢献できる企業を目指してまいりました。現中期経営計画(2024~2026年度)においては、次の5項目を中期経営方針に掲げております。
① サステナビリティ経営の推進
② 製品ポートフォリオの高度化
③ 次世代事業の創出
④ 業務プロセスの革新
⑤ 資本収益性の向上
(2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内経済においては回復基調を維持しており、今後も緩やかな経済成長が期待できるものの、深刻な人手不足や物価上昇、金利上昇や急激な為替変動の影響が懸念されます。海外においては、2025年1月に発足した米国のトランプ政権による保護貿易主義の強化策等が世界経済に及ぼすマイナスの影響、中国の景気回復の遅れ、ウクライナ戦争や不安定な中東情勢による資源価格の高止まり懸念があり、先行き不透明な状況が続くことが想定されます。
また、持続的成長のためには環境問題に対する意識の高まりや少子高齢化に伴う労働力不足等の社会課題に対応した経営戦略の遂行が求められます。
このような経営環境のもと、当社は「持続可能な社会の実現」と「事業の付加価値の向上」の両立をテーマとし、2024年度から2026年度までの3年間を対象とする第10次中期経営計画を実行しています。米国では脱炭素の取り組みの揺り戻しの動きが確認されますが、この影響を注視しつつ、当社グループは、中期経営計画に掲げる①サステナビリティ経営の推進、②製品ポートフォリオの高度化、③次世代事業の創出、④業務プロセスの革新、⑤資本収益性の向上の5つの基本方針のもと、企業価値の向上に努めてまいります。
■ 第10次中期経営計画の取り組み状況について
① サステナビリティ経営の推進 ② 製品ポートフォリオの高度化
2024年5月、研究開発力の強化とグローバルビジネスの展開加速のために「機能材事業部」と「合成潤滑油事業部」を統合し、「特殊潤滑油事業部」を設置しました。それぞれの事業部が持つ機能を集約し、MORESCO Green SX製品※の拡充およびグローバル展開や半導体分野におけるPFASフリー潤滑剤の開発等をさらに進めます。サーキュラーエコノミー(循環型経済)への対応では、2025年1月に広域認定事業者に認定される等、マテリアルリサイクルの実現に向けて着実に進展しています。今後もこれらの活動を推進してまいります。
※ 当社は、製品の原料調達から廃棄までのライフサイクル全体を評価し、当社の7つのマテリアリティへの貢献要素が特に大きい製品を「MORESCO Green SX」として認定しています。
③ 次世代事業の創出
ライフサイエンス部門では、ナノエマルジョン技術の商品化、オートファジー活性化薬の導出の取り組みを着実に進めています。エネルギーデバイス材料事業では、次世代太陽電池向けにペロブスカイト用封止材の高性能化に注力しています。今後もこれらの活動を加速してまいります。
④ 業務プロセスの革新
従来は研究員の経験と勘を頼りにしていたのに対して、生成AIを活用して有望な候補を絞り込むデータ駆動型のアプローチを取り入れることで、ホットメルト接着剤の開発・改良の配合検討を迅速かつ効率的に行うことができるようになっています。また、製造現場でもDXの導入を進めており、装置の故障予測や製品の開発・改良に迅速かつ効率的に寄与していくものと期待しています。今後もこれらの活動を通じて「モレスコ・インフォマティクス」の実現を目指してまいります。
素材事業部では、新たな化学処理方法(単体処理法)の導入に向けて、実機生産の準備を順調に進めており、将来の需給状況に柔軟に対応できる生産体制の構築を進めます。
⑤ 資本収益性の向上
原材料価格高騰の影響等で厳しい収益状況にあるホットメルト接着剤事業では、高付加価値製品の開発・販売、製品ポートフォリオの転換を通じ収益性改善を進めてまいります。
また、全社的な取り組みとして事業部別ROIC逆ツリーの作成やROIC指標での目標管理を行っています。これらの活動を資本収益性の向上に繋げてまいります。
■ 第10次中期経営計画の海外戦略
海外グループにおいては、エリア特性に応じた製品展開を進めるため、タイや中国を中心にR&D体制の強化を図っています。また、中国の新工場における生産安定化、MORESCO USA Inc.の子会社であるCROSS TECHNOLOGIES N.A. INC.が保有する製品のグローバル展開を進めており、これらの活動を通じて、東南/南アジア・北米・中国を極とした海外成長市場での事業の拡大を進めてまいります。
■ 第10次中期経営計画の2026年度経営目標数値
・ 売上高:380億円、営業利益:27億円、経常利益:30億円
・ ROE:8%水準、連結配当性向:30%以上、MGS製品の売上比率:40%
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第10次中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、上記の経営方針および経営戦略等のもと、目標を下記のとおり定めております。
| 2023年度 (実績) | 2024年度 (実績) | 2025年度 (目標) | 2026年度 (目標) |
売上高(百万円) | 31,886 | 34,374 | 36,500 | 38,000 |
営業利益(百万円) | 1,225 | 1,391 | 1,750 | 2,700 |
経常利益(百万円) | 1,826 | 1,821 | 2,100 | 3,000 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 1,283 | 1,013 | 1,300 | ― |
経常利益率(%) | 5.7% | 5.3% | 5.8% | 7.9% |
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