企業日本農薬東証プライム:4997】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループは「研究開発型企業」として、技術革新をすすめ、安全性の高い環境に配慮した新製品の開発を行っています。

 当社グループにおける研究開発費の総額は、6,386百万円です。

 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。

(1) 農薬事業

・新規開発品目

 新規汎用性殺虫剤シベンゾキサスルフィル(開発コード:NNI-2101)は、本年度も一般社団法人日本植物防疫協会が実施する新農薬実用化試験に供試し、農薬登録申請に必要な有効な試験事例を集積しました。これら知見により幅広い殺虫スペクトル、既存剤に感受性の低下した害虫に対する有効性、優れた浸透移行性など、本剤の特長を示すことができたと考えております。また、多くの害虫や作物を対象に散布に加えて灌注処理での実用性が確認され、利便性の高い害虫防除剤として2025年に農薬登録を申請予定です。本剤はグローバル市場でも広く開発を検討しており、韓国やインドなど登録性や市場性の見込まれる国や地域から開発を開始しております。さらにこれに続く新規パイプライン候補として2剤を開発検討中です。

 水稲用殺虫剤ベンズピリモキサンは、日本ではオーケストラフロアブルに加えて混合剤(オーケストラロムダンモンカットエアー、オーケストラスタークルエアー、オーケストラロムダンモンカット粉剤DL)の販売を開始し、これら製品ラインアップにより本分野の市場シェア拡大および水稲本田散布剤としてのブランド確立を進めております。また、水稲の農薬市場が大きいインドでは、既に販売を開始したOrchestra剤に加え、速効性に優れるピメトロジンとの混合剤Orchestra Duetの販売を開始し、本剤ビジネスの最大化を目指した混合剤開発を継続してまいります。他の国ではベトナム(2023年12月登録)に加え、水稲栽培の盛んなアジア広域において市場ニーズに合わせて単剤および混合剤の開発を進めてまいります。

 汎用性園芸殺菌剤ピラジフルミドは、国内では無人航空機散布やセルトレイ処理など幅広い処理法での適用拡大(登録内容の拡大)を進め、市場拡大を目的とした混合剤の開発を進めました。また、カナダ、ペルーでは販売開始に向けた準備を進めており、ベトナム(2025年2月登録)、ウクライナ(2024年7月登録)では新規に登録を取得しました。米国、エジプト、シリア、パキスタン、ブラジル、コロンビア、チュニジアでは登録申請中であり、インドでは混合剤を開発中です。今後もさらなるビジネス拡大を目指し、その他の地域でも開発の可能性を検討してまいります。

・国内製品

2022年度から開発を開始した園芸用殺虫混合剤(開発コード:NNI-2210)は「フェニックスマストフロアブル」として2024年6月に、園芸用殺菌混合剤(開発コード:NNF-2220)は「パレードプラスフロアブル」として2024年8月に登録申請し、2025年3月に登録を取得しました。本製品の開発により自社原体ビジネスの最大化および最長化を図るとともに国内製品ポートフォリオの充実や当社市場シェアの拡大を図ります。また、コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社およびコルテバ・ジャパン株式会社(以下、両社あわせて「コルテバ社」といいます。)とは新規コルテバ社製品の導入や、それら有効成分を含む混合剤の開発について検討しております。また、新たに新規微生物殺虫剤(開発コード:NNI-2410)を2024年度の新農薬実用化試験に供試し、実用性が確認されつつあります。難防除害虫であるアザミウマ類に高い効果を示す製品であり、市場ニーズに沿った製品となる様に開発を進めてまいります。

 既存剤では、ドローン散布も可能な無人ヘリ航空機散布やセルトレイ処理など省力防除技術に関する適用拡大を積極的に進めており、フェニックス顆粒水和剤、アクセルフロアブル、コルト顆粒水和剤、パレード20および15フロアブルなどの適用拡大を行いました。また、和歌山県のももで問題となっているクビアカツヤカミキリに対して、同県からの早期登録要望を受けて殺虫剤アクセルフロアブルの適用拡大を申請し、2024年9月に登録を取得しました。

・海外製品

 殺虫剤フルベンジアミドはさらなるビジネス拡大に向けて検討を進めており、市場の大きなブラジルでもビジネスを開始しており、フィリピン、エクアドル、ザンビアでも販売を開始しました。また、コロンビアでは販売開始に向け準備中、アルジェリア、ジンバブエ、ニカラグアでは登録申請中、インドでは殺虫剤との混合剤を開発中であり、順次、販売国を拡大してまいります。

 殺虫剤トルフェンピラドは、新たにチュニジア、アルジェリアで販売を開始しました。エクアドル(2024年12月登録)、ホンジュラス(2024年6月登録)、エルサルバドル(2024年6月登録)でも販売開始に向けて準備中であり、ベリーズでは登録審査中です。インドでは殺虫剤との混合剤を開発中です。

 殺虫剤ピリフルキナゾンは新たにドミニカ、チュニジア、リビア、イスラエル、カナダ、ニカラグア、エルサルバドルで販売を開始しました。また、チリ(2024年8月登録)、ベトナム(2025年2月登録)で登録を取得し、2025年中の販売開始を目指して準備中です。ニュージーランド、台湾では登録審査中であり、混合剤と合わせて今後も登録国や地域拡大に向けた取り組みを進めます。

 殺ダニ剤ピフルブミドはタイで販売を開始し、ベトナムでも登録を取得し(2025年2月)、販売に向けた準備を進めております。また、エジプト、モロッコで登録申請中であり、その他の国においても開発の可能性を見極めるための評価を継続しています。

 殺菌剤イソプロチオランは水稲いもち剤として普及販売していますが、中南米、フィリピン等ではバナナ分野への適用に向けて開発を進めています。また、その他に殺虫剤ブプロフェジン、殺虫・殺ダニ剤フェンピロキシメート、殺菌剤フルトラニル、除草剤ピラフルフェンエチル、除草剤オルトスルファムロンについてもグローバルでの登録維持や登録拡大検討を進めており、ビジネスの維持・拡大を図っています。

 生物農薬・作物保護資材に関しては、グローバルで複数資材の開発を進めており、バイオスティミュラントではブラジル、インド、日本で販売を開始し、欧州で販売準備中など、ビジネス拡大に向けた検討を着実に進めております。

(2) 農薬以外の化学品事業

 当社がこれまで培ってきた創農薬技術を活用し、医薬・動物薬分野において有望な開発候補を見出しています。他社との共同研究を含む複数の有望プロジェクトを既に自走させており、当社ライフサイエンス分野の柱とすることを目標に研究を進めております。特に株式会社ADEKAとの共同研究では、本分野を中心に引き続きシナジーを追求してまいります。

(3) その他

 当社の研究ノウハウや独自技術が活用できるビジネス領域がないか検討を重ね、新たに事業化を目指す研究テーマを香料・化粧品分野に絞りました。それらの技術確立からビジネスモデル構築までに想定される課題を整理し、他社との連携やオープンイノベーション活用により、事業化に向けたプロジェクトとして前進させています。

 当社は引き続き研究開発型企業として、法令およびその精神遵守のもと、技術革新により安全で環境に調和した新製品を市場に提供することにより、顧客ニーズに応えるとともに、安定的な農産物生産を通してサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。また、新たに策定した中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」に基づきグローバル展開を加速し、各国農薬登録規制に対応した新規有効成分を継続的に創出していくとともに、将来の市場環境変化を見据えた事業領域の拡大に挑戦してまいります。

PR
検索