新田ゼラチン 【東証スタンダード:4977】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
サステナビリティに関するガバナンス、戦略については、当社グループで共有しているものの、リスク管理、指標及び目標については、当社グループ各社がそれぞれの組織体制に応じて取組んでおり、具体的な数値設定等ができていないため、当社のものを記載しております。
1)ガバナンス
当社では事業が環境に与える問題を適切に把握し、対応を検討するため、気候変動問題を含むサステナビリティ課題について、審議・検討する「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長としており、その他サステナビリティ・タスクフォースの推進責任者を委員として構成しています。サステナビリティ委員会では、2021年に策定したサステナビリティ方針に基づく取組みの推進を担っており、気候変動問題を含む環境保全に関する活動を含む、企業の社会的責任に関する当社の基本姿勢を明確にし、CSR活動を全社的に推進しております。
サステナビリティ委員会にて審議・決定された内容については取締役会へ報告がされています。取締役会では、サステナビリティ委員会から報告されたサステナビリティに関する課題・対応の進捗状況について審議・検討を行い、その内容を基に同委員会へ指示を行う事としております。
また、当社ではサステナビリティ委員会の下部組織として、環境担当取締役を委員長とする「環境管理委員会」を設置しています。同委員会では、全社から収集・分析された環境関連データに基づいて関連部署に対し、年2回のマネジメントレビューを行い、環境目標の達成状況に応じた指示をしています。環境管理委員会にて審議・決定された内容については、サステナビリティ委員会に報告しております。
2)戦略
当社の事業はもともと畜産業や水産業の副産物であるコラーゲン素材を活かし、食品や健康・美容及び医療の分野へと有益なタンパク質を供給し、より豊かな生活の実現と、人々の健康寿命の延伸に寄与することを目標としています。また、当社製品の製造において必要となる水資源やエネルギーの削減はもとより、原材料調達から生産が無駄なく循環するビジネスモデルの構築を通して、地球環境の保全や地域との共生を図りながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社はサステナビリティ方針に基づいて持続可能な環境や社会の実現に向けて取組んでまいりますが、当社の基本理念である社是、固有のビジネスモデルを勘案の上、最も重点的に取組んでいくべき活動を中核主題として以下の6つを選択しております。
①環境
a.環境への影響を評価し、目標を定めて環境負荷の低減に取組みます。
b.関連する諸法令を遵守し、職場の保全に取組みます。
②消費者課題
a.安心・安全を最優先とし、製品・サービス・物流の品質向上に努め、お客様の期待と信頼に応えます。
b.健康・食・医療の各分野において社会課題の解決に貢献します。
③人権・労働慣行
a.人権と多様性を尊重し、人権侵害を防止します。
b.多様性を尊重し、安全・健康な職場環境の実現に努めます。
c.人材育成に努め、社員の働く意欲や能力の向上に取組みます。
④組織統治
a.コーポレート・ガバナンスを強化充実し、経営の透明性、効率性を高めます。
⑤公正な事業慣行
a.関係法律・規則を順守すると共に、取引先と連携しながら、社会に対して責任ある調達活動に取組み
ます。
⑥地域社会への参画
a.地域市民として、地域社会の持続的発展に貢献する活動を推進します。
3)リスク管理
当社において、全社的なリスク管理は、コンプライアンス・リスク管理委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクについては、サステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行い、共有することとしております。
当社の事業は多くの水資源・エネルギーを必要としており、当社の事業活動が環境に与える影響は極めて大きいと考えています。また、気候変動問題が当社に与える影響についても重大であると認識しており、社会貢献および自社の持続的な発展のために、当社では環境問題への対応をサステナビリティ方針の中核主題の一つとしており、全社で取組むべき課題としています。
気候変動関連リスクの特定にあたっては、各事業部門より抽出したリスクを環境管理委員会にて集約し、定性・定量の両面から評価を行い、リスクの回避・低減・未然防止に取組んでいます。この結果はサステナビリティ委員会に報告され、特に当社経営に重大な影響を与えると判断した項目に関しては「重要リスク」とし、同委員会にて、対応方針を審議することとなっています。また、「重要リスク」とされた気候変動関連リスクに関しては、コンプライアンス・リスク管理委員会にて特定されたその他リスクと共に報告・集約がされ、必要に応じ各リスクへの対応方針について、取締役会にて審議・決議し、関連部署への報告を行う事としています。
なお、気候変動に関する課題については、2050年カーボンニュートラルの移行期間である「2030年」時点を想定し、世界的に現状を上回る気候変動対策がとられない場合の4℃シナリオと、積極的な脱炭素化が推進された場合の1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオ)を参考に、定性・定量の両面から考察を行っております。
区分 | 項目 | 将来的に想定される事象 | 事業への影響(リスク/機会)と当社対応 | リスク/機会の潜在的な財務影響評価(レベル) | |
4℃シナリオ | 1.5℃シナリオ | ||||
脱 炭 素 社 会 へ の 移 行 に 伴 い 発 生 す る リ ス ク | 政策・規制 | 事業活動に伴うGHG排出量に対する、新たな炭素税等の法規制の公布 | 当社Scope1,2に対して、課税がなされた場合、対応コストが発生 スの利用、再エネ設備導入など) 度など) | - | 大 |
再エネ政策やエネルギーミックスの変化による電力価格増減 | 電力価格が上昇することによる操業コストの増大 用 | 中 | 大 | ||
化石燃料由来のプラスチック使用規制や価格の変化 | 原油の需要変化による価格の増減 | 中 | 小 | ||
製造プロセスにおける廃棄物への規制強化 | 規制準拠のための設備改修費用の発生 | - | 中 | ||
省エネ政策による設備什器への使用規制 | 高効率な設備什器への代替費用の発生 | 中 | 大 | ||
市場 | 国内外における、牛肉や豚肉へのミートタックス導入 | 牛骨や豚皮などの流通量変化による原材料コストの増加 | - | 中 | |
評判 | 顧客・投資家のESG/サステナビリティに起因する行動変化 | 気候変動への取組みが不十分と見なされた場合、ブランドイメージの毀損 減アイデアへの報奨制度 | 大 | 大 |
区分 | 項目 | 将来的に想定される事象 | 事業への影響(リスク/機会)と当社対応 | リスク/機会の潜在的な財務影響評価(レベル) | |
4℃シナリオ | 1.5℃シナリオ | ||||
気 候 変 動 に よ り も た ら さ れ る 物 理 的 な リ ス ク | 急性 | 異常気象の激甚化による物理的被害の増加 | 洪水・高潮の被害による自社拠点への物理的被害の発生および、サプライチェーン寸断による調達難の発生 ・事業継続計画(BCP)の整備と定期的な見直し | 中 | 中 |
慢性 | 降水・気象パターンの変化による水不足や穀物等の生育不良 | 水使用制限による操業制限や、原材料の調達難の発生 取組み | 中 | - | |
節足動物を媒介とした畜産への感染症の増加 | 食肉生産の停滞や停止による、牛骨や豚皮などの調達難の発生 ・サプライチェーンの多様化 | 中 | - | ||
機 会 | 政策・規制 | フッ素系物質に関する排出規制 | DCP(第2リン酸カルシウム)のフッ素固定材としての活用機会の増加 | - | 大 |
4)指標及び目標
気候変動に関する課題については、当社はパリ協定の目標を参考に、二酸化炭素削減に関する基本方針として「温室効果ガスの削減に関する基本方針」を掲げており、2030年度までに当社Scope1,2の46%削減(2013年度比)および、2050年カーボンニュートラルを目標としています。また、製造プロセスにおいて必要となる水資源やエネルギーの使用量削減はもとより、原材料調達から生産まで無駄なく循環するビジネスモデルの構築を通して、地球環境の保全や地域との共生を図りながら、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(2)人的資本
1)当社は、「愛と信(まこと)を基盤とし、最高の技術と最大の活力により、社業を発展させ、もって社会に貢献し、希望ある人生をきずこう。」という社是の元に「挑戦を良しとする組織風土を築き、新たな市場を開拓・創造します」というビジョンを掲げています。その実現に向けて、人事ポリシーを制定し、従業員一人ひとりが「働きがい」や「働きやすさ」を感じることで主体的に業務に取組み、個々の能力を十分に発揮できる環境整備に取組んでいます。
2)人事ポリシー
①個人・組織
多様な個性や能力をもつ社員が互いを信頼し、共通の目標に向かって協働することを支援します。
②評価・処遇
透明性の高い評価により、社員の挑戦意欲を高めます。
③教育・研修
全社員に教育研修の機会を用意し、更なる成長を目指す人を支援します。
3)戦略
①働きがいの追求(人材開発)
当社は、従業員一人ひとりに期待する役割を明確にし、その役割の達成度に応じて評価する人事制度の構築と、その役割を果たせられるよう教育研修制度を充実させることで従業員の「働きがい」の向上を目指しています。
a.研修制度の充実
・理念研修や次世代を担う中堅社員研修、管理職研修など各階層別研修は、受講内容や受講状況を上司にも共有することで、上司から従業員へ成長機会を支援する仕組みとしております。また、グローバル人材育成に向けた語学研修や約300の研修テーマの中から自由に受講テーマを選ぶことが出来るオンライン研修を導入することで新入社員から経営幹部まで全ての従業員に研修の機会を提供し、成長を支援しています。
②働きやすさの向上(環境整備)
当社では、柔軟な働き方が出来る環境整備や健康増進に取り組むことで、従業員が「働きやすさ」を実感でき、健康で活躍できる取組みを推進しております。
a.多様性の確保
・国内において女性を積極的に採用するとともに、入社後の女性従業員に対して、人事部による産休前ガイダンスや産休後のフォローを実施し、職場復帰のサポートを行っています。
・国内において女性が生き生きと活躍できる環境を整える様々な取組みを行っており、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく優良企業として、厚生労働省より「えるぼし認定(2つ星)」の認定を2022年3月に取得しました。更に取組み内容を充実させて参ります。
b.ワークライフバランスの推進
・国内において当社はフレックス勤務、テレワーク勤務、時間有休取得制度の導入によりフレキシブルな働き方と、法定を超える最大有給休暇日数付与により、ワークライフバランスを推進することで場所や時間の制約があっても一人ひとりが活躍できる環境を整えています。また、業務効率化の推進の見地から、Web会議の積極的な活用やそれを支えるネットワーク環境整備の推進に取組んでいます。
c.健康増進への取組み
・従業員のQOL向上の見地より、当社では健康管理を従業員それぞれに委ねるだけでなく、法定外の健康診断受診や追加検診の推奨、従業員本人以外に家族の体の不調や悩みを気軽に医師へ相談できるチャット型医療相談・TV電話医療相談を導入し、従業員や従業員の家族の健康維持管理に努めています。
4)指標及び目標
当社グループでは、上記3)戦略において記載した方針については、当社においては関連する指標データ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社のものを記載しております。
①人材開発
a.階層別研修・自己啓発の実績
研修内容 | 2021年度 | 2022年度 |
中堅社員研修 | 15人 | 13人 |
管理職研修 | 16人 | 17人 |
ベテラン研修 | 11人 | 11人 |
オンライン英会話 | 11人 | 15人 |
オンライン研修 | - | 74人 |
TOEIC受験者 | 49人 | 42人 |
②環境整備
a.女性活躍推進法に基づく目標および実績
指標 | 目標 | 実績 (当会計年度) |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2027年3月末時点 15%以上 | 8.2% |
男性労働者の育児休業取得率 | 2027年3月末時点 100% | 28.6% |
労働者の男女の賃金差 | 2027年3月末時点 55%以上 | 51.9% |
採用した労働者の女性労働者の割合 | 2027年3月末時点 40%以上 | 40.0% |
b.制度導入の実績
導入年度 | 制度名 |
2019年度 | フレックスタイム制度、時間有給休暇制度 |
2020年度 | テレワーク制度、看護休暇・介護休暇制度 |
2021年度 | 配偶者転勤休業制度 |
2022年度 | 出生時育児休業制度 |
c.健康管理の実績
項目 | 2021年度 | 2022年度 |
健康診断受診率 | 100% | 100% |
ストレスチェック受検率 | 97% | 84% |
歯科検診受診人数 | 149人 | 115人 |
インフルエンザ予防接種受診人数 | 180人 | 175人 |
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