ポーラ・オルビスホールディングス
【東証プライム:4927】「化学」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループでは、創業100周年にあたる2029年を見据え、Missionとして「感受性のスイッチを全開にする」、Visionとして「ブランドひとつひとつの異なる個性を生かして、世界中の人々の人生を彩る企業グループ」、更にこれらを実現するための5つの行動指針を加えたグループ理念を掲げております。この企業理念のもと、個性・特徴を持ったブランドを複数保有し、それぞれの事業が成長することでグループ全体の企業価値向上を図っていく「マルチブランド戦略」を展開しております。グループ各社の自主自立した経営を志向し、持株会社である当社はグループ各社の経営に対するモニタリング機能を持つことで、グループ全体の経営の健全性確保と効率性向上に努めております。
(2) 目標とする経営指標
2026年時点で目標とする経営指標は以下の通りです。
・連結売上高 2,000億円(CAGR年平均5%:国内+4%・海外+12%、海外売上高比率20%)
・連結営業利益率 12~13%
・ROE 10%以上
・配当性向 60%以上
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後のわが国の経済は、雇用・所得環境が改善するもとで、緩やかな回復が続くことが見込まれます。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響等の海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスク、物価上昇、アメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響について十分注意が必要な状況です。また、消費者の価値観やニーズ、ライフスタイルの多様化が益々進む今日では、これらの変化に柔軟かつ速やかな対応を実現すべく、デジタルテクノロジーの応用や消費者ニーズに応える新製品・新サービスの提供は勿論、新規事業開発、新領域の開拓といった取り組みの重要性は更に高まってくると考えております。
このような状況の中、2024年から始まった今中期経営計画は、長期経営計画・VISION 2029の実現に向けた2ndステージとして、「再挑戦と成長基盤確立の3年間」と位置づけ、ブランドをより先鋭化して国内利益創出力を強化し、海外や新事業等の成長領域への投資に取り組んでおります。重点戦略として4つの事業成長戦略「国内事業の顧客基盤強化、持続的成長と収益性改善」「海外事業の更なる成長と新市場での基盤確立」「育成ブランドの成長を伴う黒字化による持続的収益貢献」「ブランドポートフォリオ拡充と事業領域拡張」と、それを支える持続的な経営基盤の強化として「新価値創出に向けた研究開発力強化」「社会課題対応と独自性を兼ね備えたサステナビリティ強化」と掲げ、事業成長を加速させるべく以下に取り組んでまいります。
① 国内事業の顧客基盤強化、持続的成長と収益性改善
●POLAブランド「成長軌道への回帰に向けた事業基盤の構築」
・委託販売チャネル
ポーラサロンのブランド価値向上を実現。コンセプト及び出店地域の成長性を精査し、新サロン出店計画
をアップデート、2027年に累計180店の展開を目指す
・百貨店・EC・BtoB・新チャネル
カウンセリング、タッチアップを通じたブランド体験を軸に新規顧客獲得、エンゲージメントを強化
ホテルアメニティの取り扱い施設数を増加
化粧品専門店への出店による顧客接点の拡充
・ブランドプレゼンス向上
強力な新商品投入と各シリーズのミッション・ターゲット、商品の位置付けをより明確化した商品展開
で新規顧客獲得とクロスセルによるLTV向上を図る
・チャネルシームレスな顧客体験の実現
顧客データの活用やOMO推進により顧客体験を拡張。チャネルをまたいだ購買導線を整備し、顧客継続率
を高める
●ORBISブランド「顧客定着とLTV向上に注力することで更なる高収益体質を目指す」
・顧客とのタッチポイント拡大
新たな戦略商材の投入による更なる高付加価値化及びブランドプレゼンス向上
ベースメイク拡充によるクロスセル強化
外部チャネルの専用商材拡張及び顧客接点拡大による認知拡大・潜在顧客獲得
・顧客基盤の強化
顧客データを活用し、購買履歴ベースのコミュニケーションから行動・価値観ベースのコミュニケーショ
ンへ転換、エンゲージメント強化とLTV向上を図る
② 海外事業の更なる成長と新市場での基盤確立
●POLAブランドの中国事業における戦略再構築
・景況影響及び不採算店の整理により2025年は減収見通し、中国事業は収益性改善を優先
・出店戦略を見直し、ハイプレステージ層との接点創出によるターゲット顧客の獲得とLTV向上を狙う
●POLAブランドのASEANにおける事業拡大
・顧客接点の拡大を進め、海外事業の成長ドライバーとする
・各地域の文化や習慣に合わせたコミュニケーションによる顧客獲得
●Jurliqueブランドの早期黒字化に向けた構造改革
・構造改革:損益分岐点の引き下げに向け徹底的なコストの見直し
重複する機能の集約等による組織体制の簡素化・縮小
不採算店舗の閉鎖
在庫管理プロセスの改善
SKU数の最適化
・ブランドプレゼンス確立
商品の効能・効果の訴求
フェイスオイルのスター商品化の推進を継続
スパのリニューアルによるブランド体験の向上
③ 育成ブランドの成長を伴う黒字化による持続的収益貢献
●DECENCIAブランド
・顧客データを活用した顧客定着施策の実行を推進、更なる成長に向けて安定した顧客構造を構築
・新規顧客獲得の好調を維持しながら、スター商品の育成や敏感肌に関する発信強化によりロイヤリティの
高い顧客獲得に注力
●THREEブランド
・顧客基盤強化に向け、差別性である「精油」によるホリスティックなアプローチを推進し、高い継続率と
LTVが見込める顧客獲得に注力
・SKU数の絞り込み、「精油」を軸とした商材拡充でホリスティック商材強化
・顧客接点の見直し、体験型店舗をオープンしブランド価値への共感につながる顧客接点づくり
●FUJIMIブランド
・2024年に黒字化を実現、更なる事業規模の拡大を目指す
・女性の美容と健康意識を捉えたパーソナライズプロテインを軸にオフライン接点も強化し、新規顧客獲
得、新商品の継続投入で顧客稼働率を向上
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