エスケー化研
【東証スタンダード:4628】「化学」
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企業概要
当社研究技術開発グループは、建築用、土木用、住宅用、並びに建材用等の各分野において、材料の基礎研究から、先進技術をベースに材料の高機能化、高級化による付加価値向上、さらには省力化を目指した新製品、新工法の開発を推進し、新市場への需要開発を進めるとともに、近年の資源高騰、規制強化などの影響から不安定な原料供給問題に対し、関連部署との連携強化を図り、市場に向け安定した材料提供を維持し続けました。
なお、当連結会計年度の研究開発活動は、当社において、従来の技術開発を主に行う第一技術研究所と耐火被覆材、高機能材料等の新規分野の研究開発を行う第二技術研究所が相互に連携し合い、各種建築仕上材料の開発を中心に各分野の開発を推進しております。
当連結会計年度における各事業分野の研究の目的、主要課題、研究開発成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は、984百万円であります。この中には、各事業部門に共通の基礎研究及び開発費用206百万円が含まれております。
(1)建築仕上塗材事業
主力分野である建築仕上塗材事業では、世界的な資材・物流問題が継続する中、製品の安定供給を最優先に取組むとともに、近年のトレンドである「快適・健康・安心・安全・環境」をコンセプトに製品開発に注力してまいりました。
継続して「リニューアル市場を拡大する高耐候・環境対応製品」をテーマに、戸建住宅向けに超耐候形ハイブリッドシリコン樹脂多彩模様塗料や二液弱溶剤形屋根用遮熱無機塗料を上市し、好評であるプレミアムシリーズの拡充化に努めてまいりました。また、卓越した超耐候性で建物の長寿命化を実現し、かつバイオマス原料を活用しカーボンニュートラルに貢献する次世代型超耐候性塗料の開発にも成功し、業界で初めてバイオマスマークの取得を実現しております。この他、これまで人気を博したサンドセラミック調装飾仕上塗材に多彩模様塗料の意匠を融合した新型サンドセラミック調装飾仕上塗材を開発するとともに、同仕上塗材にリサイクル骨材(廃ガラス・ホタテ貝殻)を活用し環境負荷低減化にも努めてまいりました。
引き続き建築仕上材分野における新築及び改修分野において顧客満足度を高め、シェアアップ、資産価値向上に対応してまいります。
当事業に係る研究開発費は、638百万円であります。
(2)耐火断熱材事業
耐火断熱材事業では、従来の一般建築物(ビル、ホテル、商業施設)に加え、EC(エレクトロニック・コマース)市場の拡大や組織、各企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)により、大型物流倉庫やデータセンターなど新たなプロジェクトが進行しており、昨今の防災意識の高まりも受け、これら建築物に対し、セラミック系耐火被覆材や発泡系耐火塗料、及び不燃断熱材の更なる需要拡大に努めてまいりました。
特に今期は、速乾性、厚膜塗装を特徴とした反応硬化型耐火塗料について、建築基準法の改正から、いち早く中層階エリアでメリットの得られる90分耐火認定取得を重点的に進めたことで、低層から高層階すべてにおいて、最適な仕様提案が可能となりました。
一方、薄膜シート状耐火被覆材においては、乾式材料として優れたハンドリング性、クリーンで安全な施工が可能なことから、多方面から様々な用途で引き合いを受け、それらの防火、耐火検証、認定取得を進めてまいりました。
今後も新規材料の調査、基礎研究、並びに新工法、新仕様の開発に取り組み、更なる技術力向上を図ることで多様化する防耐火被覆材料の用途拡大に向け、より一層、市場ニーズを的確に捉え、人命にかかわる建物の耐火断熱分野において貢献してまいります。
当事業に係る研究開発費は、139百万円であります。
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