理研ビタミン
【東証プライム:4526】「食品業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な製品を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、米国の政権交代に伴う政策転換、欧州や中東の地政学リスク、金融資本市場の変動、物価上昇などによる各国経済状況の先行き不透明感が強まっている状況です。このような状況において、これらの変化に対応していくことが重要であり、当社グループ各社とのさらなる連携のもと、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されていると認識しております。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制のより一層の向上が求められております。
食品業界におきましては、国内市場では原材料価格や人件費をはじめ各種コストの上昇により価格転嫁が進んでいます。物価上昇で消費者の節約志向がますます強まっていく中、原材料価格、人件費、物流費等が今後も上昇していくことが想定され厳しい環境が続くものと予測されます。このような激しい事業環境の変化に対し、顧客のニーズに合った製品・サービスを機動的かつ的確に提供していくことが重要と認識しております。また、サステナビリティの観点からフードロス(食品ロス)問題への取組みも重要であると認識しています。成長が見込める海外市場においても、米国の政権交代に伴う政策転換、物価上昇等により各国経済の減速も予測されます。
このような事業環境下、当社グループは成長ドライバーと位置付けるアジア・北米市場への取組みを強化してまいります。アジア市場におけるさらなる営業体制の強化のために、新たな販売子会社(RIKEVITA(THAILAND)CO., LTD.(タイ)およびRIKEVITA VIET NAM CO., LTD.(ベトナム))を設立しました。また、製造子会社である天津理研維他食品有限公司(中国)やGUYMON EXTRACTS INC.(米国)の生産能力増強による生産体制の強化を進め、事業の展開を加速してまいります。
当社グループでは、従前より3年間を対象とする中期経営計画を策定しております。本年4月より2028年3月までの3年間を対象とする新中期経営計画を策定しました。
新中期経営計画の概要は以下のとおりであります。
(1)中長期ビジョンと新中期経営計画の位置づけ
当社グループは、2030年度をゴールとする中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を掲げていますが、今回、中長期ビジョンのゴール年度を変更し、10年後の2034年度に営業利益135億円、海外売上高比率35%、ROE10~12%という定量目標を定めました。この目標達成に向け、新中期経営計画では前中計の2.5倍となる250億円の設備投資を行います。国内では老朽化や人手不足に対応し生産性向上と省人化のための投資に注力します。また、海外ではスペシャリティ製品の生産拡大に向けた投資に加え、生産・販売・開発・管理部門が国内外の垣根を取り払い、海外事業成長に向けた新体制構築に取り組みます。
あわせて、バランスシートや株価を意識する経営にシフトし、株式市場との対話を進めることで、中長期的な企業価値向上を目指します。
(2)経営目標・キャッシュアロケーション
①経営目標
|
| 2025年3月期実績 | 2028年3月期目標 |
成長性 | 売上高 | 955億円 | 1,100億円 |
収益性 | 営業利益 | 87億円 | 100億円 |
EBITDA* | 119億円 | 142億円 | |
効率性 | ROE | 12.1% | 10%以上 |
株主還元 | 配当性向 | 30.3% | 40%以上 |
財務規律 | 自己資本比率 | 70.1% | 60~65% |
ガバナンス | 政策保有株式純資産比率 | 19.0% | 10%未満 |
為替前提:150円/$
*EBITDA:営業利益+減価償却費
②キャッシュアロケーション
・営業キャッシュ・フロー、政策保有株式縮減による売却益と現預金を活用し、積極的な投資と株主還元を実行
・インオーガニックも含めた戦略投資は必要に応じて負債を活用
(3)事業戦略
①事業環境認識
②国内食品事業
| 2025年3月期実績 | 2028年3月期目標 |
売上高 | 648億円 | 719億円 |
営業利益 | 66億円 | 75億円 |
・加工食品市場全体より少し高い伸び率を目指す
・生産性向上・省人化のための設備投資
・家庭用食品:市場創造型商品の開発・育成、既存商品群の活性化
・業務用食品:中食・即食市場、人手不足に起因して拡大する新市場への提案強化
・加工食品用原料等:調達不安定な原料の代替機能、生産効率向上、フードロス削減につながる提案強化、健康関連市場への提案強化
③国内化成品その他事業
| 2025年3月期実績 | 2028年3月期目標 |
売上高 | 79億円 | 97億円 |
営業利益 | 8億円 | 9億円 |
・得意分野に絞り込んだ国内市場の深掘り
・海外展開する日系企業への提案強化
④海外事業
| 2025年3月期実績 | 2028年3月期目標 |
売上高 | 241億円 | 300億円 |
営業利益 | 11億円* | 16億円 |
* セグメントの利益調整額の計算方法を変更(2025年3月期実績は遡及適用した数値)
・スペシャリティ品の市場拡大局面に備え、スピード感を重視した先行投資を行う
・基幹工場であるRIKEVITA(MALAYSIA)SDN.BHD.に投資額を重点配分
・国内部門を巻き込み、新体制を構築
・中国で生産ラインを再編し、新工場の早期稼働率拡大に注力
(4)非財務戦略
・社会課題の解決につながる中長期的な研究開発
・人財方針にもとづく人事制度の構築
・グループ・ガバナンス強化
米国の政権交代に伴う政策転換、金融資本市場の変動、人件費や物流費等の各種コストアップなど先行き不透明な事業環境においても、中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」の実現に向け、新中期経営計画初年度の取組みを推進してまいります。
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