アクリート
【東証グロース:4395】「情報・通信業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、2022年8月に発表し、2024年7月に修正した中期経営計画(2023/12~2025/12)において、「デジタル社会に、リアルな絆を」というビジョンを掲げ、「コミュニケートするすべての人に、セキュアで最適なプラットフォームを提供する」というミッションのもと、SMS市場のリーディングカンパニーとしてメッセージングサービス事業を中心に事業展開しており、中長期的には「安心」、「安全」、「信頼」につながる「リアルな絆」を創出してまいりました。
しかしながら、当社を取り巻く市場環境の変化、事業体制の立ち遅れ等により、当初の計画を達成するに至らず、経営及び事業への取組み体制を刷新し、新たな経営体制への移行を行いました。また、新体制による新たな中期経営計画(2025/12~2027/12)の策定を行いました。
当社はSMS事業においては業界のパイオニアとして「通数」において今期もトップシェア争いを続けており、今後も一定のシェアを確保した事業展開は可能であると判断しておりますが、競争の激化、不安定な国際情勢や社会情勢、それに伴う為替市場の混乱や物価の高騰など、事業環境は大きく変化しており、当社においても SMS 事業での単価の下落は収益を直撃しており、通数の伸びが収益に直結しない事態となっております。こうした事業環境の変化に対する対応策、事業リスクに関する管理について、徹底した「構造改革」に取組み、収益構造改革を具現化してまいります。
(2) 経営環境及び経営戦略
当社グループの事業は、国内市場にて事業活動を行う当社及び国内子会社2社、海外市場にて事業活動を行う海外子会社1社がそれぞれ各市場に適した経営戦略を立案し、事業活動を展開しておりますが、SMS事業に依存した事業体制から、事業領域の拡大と新たな柱となる事業構築、M&Aを含む組織再編を図る事業方針として、コミュニケーション事業、ソリューション事業、投資・インキュベーション事業の3つの事業セグメントを設定し、M&Aを含む組織再編・新たな事業領域を構築いたしました。
こうした事業多角化戦略により、「収益」、「企業」及び「事業」の改革を進め、新たな企業価値の創造と向上を図ってまいります。
①コミュニケーション事業
当社グループの主たる事業であるメッセージングサービスの市場環境は、配信通数の伸びが見込まれるものの、競合他社参入による価格競争のため配信単価の下落傾向が続いており、営業利益については厳しい環境となっており、海外アグリゲーター経由のサービスを含め、速やかに対策を講じることが当社グループの課題であると認識しております。
当連結会計年度において、SMS配信サービス市場の拡大が予測される中、SMS配信プラットフォーム「SMSコネクト」を主力サービスとして展開しつつ、セキュリティサービスにおけるソリューション開発、新たな認証領域の用途提案などでマーケットの拡大に注力するとともに、新たな事業展開として、RCS(リッチコミュニケーションサービス)メッセージ市場、SNSメッセージングサービスへの取組みなど、より幅広い顧客ニーズに対応するマーケティング活動を展開し、新たな事業アライアンスの構築に取り組んでまいりました。
②ソリューション事業
「新たな収益源となる新規事業」をソリューション事業として、次代のアクリートへの転換の為の事業多様化戦略の下、当社の営業資産を活用して、既存事業に関連・派生する事業と成長因子の代表であるAIをキーワードとしたビジネスモデルやサービス提供などを中心に取り組んでまいりました。
国内だけでなく、アジア全体、世界全体に目を向け信頼性の高いAIサービス事業者との連携に加え、安価なクラウドサービス、ハードウェア、データセンターを提供出来る事業者と連携することにより、ソリューションとしてのサービス提供を模索してまいりました。
③投資・インキュベーション事業
次代へ向けた取り組みとして、投資部門を新設し、当社とのシナジーのある技術・テクノロジーを発掘して投融資を行い、事業アライアンス及び子会社化後のインキュベーションを実施してまいります。有望な開発系やAIベンチャーへの投資を通して、当社でのリソース活用やインキュベーションを行なう事で投資先の事業育成支援並びに事業収益面の取込みを目指しました。これまでも当社のSMSメッセージングサービスのソリューションとしてSMS付帯サービスとなる可能性のある投資先候補を発掘しております。
また、「技術はあるが営業が弱い」「資金調達に苦労している」スタートアップ企業やベンチャー企業を先行投資対象先として、事業成果を求めてまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、以下の事項を今後の事業展開における重要な課題として認識し、取り組んでまいります。
① コミュニケーション事業を取り巻く事業環境の変化
当社はこれまで社会変化とともに現れる前例のない情報社会の課題や変革、DX化やそれに伴う個人情報の
扱いなど、激変するデジタル社会において、解決策を提供していくことが当社の成長ドライバーになり得ると認識しており、メッセージングをコミュニケーションサービスとして再フォーカスし、新たな可能性を追求する姿勢で、「セキュリティ×コミュニケーション×行動変容」を軸に、SMSをはじめとしたメッセージ手段を用いた社会課題解決への取り組みを推進していく事で利用用途の拡大を推進してまいります。
② 多様なメッセージングチャネルとの連携強化
新たな事業セグメントである「ソリューション事業」及び「投資・インキュベーション事業」と連動して、RCS(リッチコミュニケーションサービス)、SNSメッセージ市場など、より幅広く顧客ニーズに対応することで新たな市場を開拓し、独自のマーケットのシェアを確保することが増収益に繋がるものと考えております。連携を一層強化することにより、SMS配信サービスの営業体制を強化し、市場拡大とシェア拡大を図ることが重要な成長戦略であると認識しております。
③ 「ソリューション事業」における新サービス開発や新事業領域への進出
SMS事業との親和性を図りながら、当社の営業資産を活用して事業の多様化を図ってまいります。「ハード・アンド/プラス・サービス」を継続展開し、生成AIサービスの取り扱い開始することで、「コミュニケーション事業」、「投資・インキュベーション事業」に関連・協業可能な事業領域の拡大に取り組みます。
社内プロジェクトやグループ会社によるメディアミックス事業の推進、SMS関連のソリューションの開発など、他事業との連携・協業による相互補完体制を構築することが当社の成長因子となるものと認識しております。
④ 「投資・インキュベーション事業」からの企業構造改革・収益構造改革
新たな企業グループの構築、既存子会社の組織改革・統廃合、戦略的M&A、新サービス開発、事業提携を遂行してまいります。事業の多様化戦略のもと、係る資金調達の実施を含め、積極的な投融資とインキュベーションに取り組み、企業構造改革を図ります。新たな企業体制の構築が当社グループの業容拡大、企業価値向上に寄与するものと認識して、機動的な事業活動を展開してまいります。
⑤ 人員体制の強化
営業部門においては、新規顧客獲得や新サービスの開発・推進などセールスマーケティング体制の強化、及び既存顧客や新規顧客予備軍に対するカスタマーサポート体制の強化、システム開発部門においては、新サービスの開発や新事業領域への進出のための技術開発力の強化、事業開発部門においては、投資・インキュベーション事業拡大のためのM&Aや事業提携、新事業領域へ進出するためのマーケティング調査・研究開発力の強化、並びに経営管理部門では、企業規模の拡大の基礎となる経営管理体制の充実とコーポレート・ガバナンスの強化が必要であると認識しております。
各部門での課題を解決・対応するための人材の確保や育成に努めてまいります。
また、グループシナジーの創出や子会社事業の成長戦略など、子会社経営を任せられる人材の確保や育成についても今後の当社グループの持続的な成長において重要な課題であると認識しております。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
成長性と収益性及び企業価値の向上が経営上の重点課題と認識しており、成長性につきましては売上高対前年比率、収益性につきましては売上高経常利益率等の経営指標を重視しております。
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