企業東邦システムサイエンス東証プライム:4333】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 当社は、2022年度より9ヶ年の「長期経営ビジョン2030」及び第Ⅰ期、第Ⅱ期からなる「中期経営計画(2022-2027)」を策定しました。当事業年度は「中期経営計画2027」の第Ⅰ期終了年度となり、目標数値はクリアしております。そして、当初計画から3年が経過したことにより、社会環境が大きく変貌していることも踏まえ、新たな長期経営ビジョン「TSS Economic Vision500」(以下「Vision500」という。)と第Ⅱ期にあたる「中期経営計画2027」を策定いたしました。

(1) 「Vision500」

 不変のスローガンである「お客様と共に未来を創る」をもとに、事業成長にフォーカスした長期経営戦略「Vision500」を策定し「To-Be(なりたい姿)」を見据えた経営を進めております。

① To-Be(なりたい姿)

(お客様や社会に対して) 社会課題解決プロデューサー

(社   員   と  し  て)  業務×IT×コンピテンシー

(市   場  に 対 し て)  東証プライム市場での確かなプレゼンス

② 基本方針

M&A、業務提携による規模拡大

 人的資本の抜本強化

 新たなサービス展開、品質・生産性の抜本向上

③ 計数目標

2030年度目標値 売上高500億円、営業利益60億円、ROE20%

(2) 「中期経営計画2027」

 当社は、「Vision500」を実現するためのマイルストーンとして、「中期経営計画2027」を策定しております。

 主な取り組み事項は下記のとおりとなります。

課題項目

方向性

取り組み

①ストック収益の向上

・通信、製造及び物流等非金融領域における受注拡大

・公共系案件の受注安定化

・非金融の割合30%程度を目指す。

・金融/非金融問わず、エンドユーザ向けの保守を狙う。

・提携先企業との協業

②デジタルビジネスの注力

・付加価値の高いDX開発への進出を図る

・アプリ開発と基盤の両面で展開

・DX基盤の要となる「クラウド構築」

・DX開発における標準プロセスとも言える「アジャイル開発」

・「生成AI」を活用したビジネス展開

・デジタル証券他新規ビジネス創出

③サービスビジネスの拡大

・アライアンスの強化・M&Aの進行

・国内外のプロダクトの調査、研究

・提携企業先とのプロダクト活用

・新規サービスの推進

・国内外プロダクトにおける融合ソリューションの開発

④エンドユーザ取引の拡大

・エンドユーザとの人的交流(共創視点)

・顧客の内製化支援

・創造性を持ち、協業強化へ臨み、直接請負案件数の増大推進。

・社会課題解決型企業に向け、収益基盤のさらなる拡大。

⑤ソフトウェア品質及び生産性の拡大

・請負開発で品質を担保するための運用の確立

・AIの活用

・TSS開発標準(TSS-Way)による再構築

・ソフトウェア開発の自動化推進

・デジタル技術活用による社内生産性の向上

課題項目

方向性

取り組み

⑥資本コストや株価を意識した経営

・東証ルール改変に伴う対応

・事業規模拡大に伴う時価総額引き上げ

・株価向上(現株価のアウトパフォーム)

・株主還元施策の検討

・戦略IR(次期TOPIXへの組み入れ)

・アライアンス強化及びM&A推進

・キャピタルアロケーション策定

・株主構成の適正化

⑦人的資本の抜本強化

・人財開発体制の見直し(育成、採用)

・給与引き上げ、賃金体系等見直し

・DE&Iの推進

・人財開発本部新設(人財の資質、志向、経験等活用)

・人事制度の抜本改革(やりがい醸成)

・女性の割合増加(管理職、役員)

⑧ガバナンス強化、環境経営の推進

・買収にかかる対話(検討・協議)

・開示における英訳対応

・サステナビリティ評価機関(CDP)の対応

・サイバーリスクへの課題認識

・アクティビスト動向認識,対応体制構築

・広報(対話の促進によるブランディング)

・バリューチェーンエンゲージメント

・サイバーリスクガバナンス体制構築

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、長らく売上高、営業利益額、売上高営業利益率、ROE(自己資本利益率)、配当性向を用いておりましたが、この度配当性向を総還元性向に変更しております。長期経営戦略「Vision500」では、売上高500億円、営業利益額60億円、売上高営業利益率12%、ROE20%、総還元性向50%としております。

(4) 経営環境

 今後の日本経済は、賃金上昇や各種政策支援により個人消費の活性化が期待されるものの、物価上昇や金利の影響等から、先行きは不透明な状況が継続する見込みです。一方、喫緊のマイグレーション対応に加え、生成AIを活用した企業変革・ビジネスモデル変革の推進により、今後もDX投資は益々加速していくものと思われ、情報サービス産業を取り巻くマーケットは引続き堅調であると予想されます。

 このような環境のもと、新たな長期経営戦略「Vision500」及び新「中期経営計画2027」を達成することにより確かな事業成長を目指してまいります。

(5) 対処すべき課題

① 金融以外のストック収益の向上

 当社が強みとする金融ソリューションをより一層強化するとともに、更なる収益基盤の拡大を図るためにDX対応が活況な非金融領域におけるソリューション提供を積極的に推進してまいりました。今期は、大型の金融ソリューション案件に対応しつつ、行政手続きのオンライン化を中心とした公務に加え、DX投資が活況な運輸、医療福祉、情報サービス等幅広くビジネス変革を推進し、売上を拡大してまいりました。

 今後も、リスクコントロール経営による安定収益の確保を目的に、業務提携契約を締結した日鉄ソリューションズ株式会社及び株式会社ランドコンピュータとの戦略的互恵関係をより一層強化し、非金融領域の保守拡大を推進することで事業ポートフォリオの変革を図り、更なる事業拡大に努めてまいります。

② デジタルビジネスへの注力

 様々なデジタルコンテンツを自動生成する「生成AI」、DX基盤の要となる「クラウド構築」やDX開発における標準プロセスとも言える「アジャイル開発」、データドリブン経営を支える「データの取得・蓄積・分析」、これらをキーワードに案件を受注してまいりました。

 今後も、不確実性の高い社会情勢を的確に捉え、高付加価値ビジネスへの転換を図るために、データの利活用やネットサービスビジネス等、顧客にとって付加価値の高い開発エリアに注力し、更なる売上・利益の確保を図ってまいります。

③ サービスビジネスの拡大

 新たな収益モデルの確立を図るために、人月ビジネスからの脱却を図り、ボラティリティの高い労働集約型の受託開発だけでなく、安定的な収益確保が見込めるサービス提供型ビジネスの創出を図ってまいりました。具体的には、スマートフォンを活用した証券業務の運用ビジネス、災害対策システムのサービス化、海外を含む他社プロダクトとの融合によるソリューション提供、生成AIやメタバースを活用した研究開発等を推進してまいりました。

 今後も、これらの独自戦略に加え、顧客に対してビジネス価値を提供するため、自社のみならずパートナー企業との戦略的な互恵関係を築きながら、新たなサブスクリプション型ビジネスモデルを創出し、更なる売上・利益を確保してまいります。

④ エンドユーザ取引の拡大

 高付加価値ビジネスを推進するため、エンドユーザからのシステム開発受注や社員代替による顧客業務支援を強化してまいりました。今後、顧客によるシステムの内製化が加速することに伴い、既存顧客とより一層の関係強化を図るとともに、新たなエンドユーザ開拓を積極的に推進してまいります。その実現に向けては、今般、構築した営業マネジメントシステムを活用し、戦略的な営業活動を展開するとともに、DX時代に不可欠である顧客の課題解決や付加価値創出といった新たなビジネス価値提供を目的とした提案型営業に注力し、企業競争力の向上を図ってまいります。

⑤ ソフトウェア品質及び生産性の抜本的向上

 高品質なソフトウェアを提供すべく、PMO組織によるプロジェクト監視を徹底し、品質の向上を図ってまいりました。今後も、継続的な改善活動を通じ、不採算プロジェクトの予兆検知や低利益プロジェクトの改善を行い、収益性の向上を図ってまいります。さらに、生成AIを活用しソフトウェア開発プロセスの自動化に加え社内の業務プロセスを最適化することで、生産性の抜本的向上を実現し、更なる売上・利益の確保を図ってまいります。

⑥ 資本コストや株価を意識した経営の推進

 これまで培ってきた資産およびケイパビリティを活かしながら、自社単独での事業拡大に向けた各種施策とともに、アライアンス強化を目的としたM&A投資や自社株式の公開買付など、株主還元施策を積極的に推進してまいりました。また、株主通信や決算説明会による対話機会の創出、開示資料の英訳化等、広報IRの強化も行ってまいりました。

 今後、飛躍的に事業を拡大させるためには、DX人財の確保・育成に加え、新たな事業領域や技術領域を獲得することが必須と考えており、当社単独で10%成長を遂げるとともに、より一層のM&A投資を積極的に推進し、2027年度までに300億円、2030年度までに500億円の売上規模達成を目指してまいります。そして、プライム市場への継続的かつ安定的な上場維持とともに次期TOPIX構成銘柄への採用を目指し、資本を戦略的かつ効率的に配分することで、成長投資の最大化と、株主還元のバランスを実現し、長期的な価値創造を実現してまいります。

⑦ 人的資本の抜本強化

「全ての社員がいきいきと働ける職場・組織を追求する」という目的のもと、働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいりました。その結果、女性活躍推進認定企業として、厚生労働省より最高位である「えるぼし認定3つ星」を取得しました。また、社員の働きがい向上とともに、生産効率をより一層高めることを目的に、今般、人財開発本部を新設しました。

 今後も、DE&Iの推進を継続するとともに、今般、構築した人的資本マネジメントシステムを活用し、採用から教育、実践までをシームレスにつなぎ、社員の能力を早期かつ飛躍的にアップデートすることで、社員の成長実感を醸成するとともに、飛躍的な事業成長を図ってまいります。

⑧ ガバナンスの強化、環境経営の推進

 実効性の高い経営体制を構築するとともに取締役会の機能向上を図り、プライム市場における上場維持基準の継続的かつ安定的な適合に努めてまいりました。また、環境経営の推進として、新たな価値創造と社会貢献に向けたESG活動を推進するサステナビリティ委員会にてKPI を設定し、その達成に向けた活動を行うとともに、サステナビリティサイトを通じて 投資家との対話を促進してまいりました。当社は、地球環境問題に関する国際的な非営利団体であるCDP(Carbon Disclosure Project)を活用することで気候変動への対応を推進することとしており、今般、前回 よりも高い評価である「B」スコアを獲得するに至りました。

 今後も、長期経営戦略「Vision500」ならびに新「中期経営計画2027」の実現のため、ガバナンス強化を継続的に推進しながら、CDPの対応促進として、バリューチェーンエンゲージメント活動の検討やカーボンニュートラル実現に向けた省エネ活動等を実施し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

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