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【東証プライム:3681】「情報・通信業」
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企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、主に連結子会社TEN Holdings, Inc.の業績悪化の継続と、NASDAQ上場準備に伴う費用負担等により2期連続で連結営業損失を計上し、さらにソフトウエアの減損損失等の影響も加わったことで、純資産が毀損いたしました。これにより、金融機関と締結した借入契約における財務制限条項に抵触いたしました。当該財務制限条項が適用され、期限の利益喪失請求権が行使された場合、資金繰りに影響が生じるため、当連結会計年度末においても、前連結会計年度に引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在しております。
このような事象又は状況を解消するために、当連結会計年度は財務体質の改善施策の一環として、第三者割当による新株式の発行の他、プロフェッショナルワーク事業の事業譲渡を実行してまいりました。さらに、今後は様々な施策を推進し、収益性をより一層改善した経営基盤の再構築を目指してまいります。
具体的には、会社法に基づく連結計算書類作成時点においては、以下の施策の推進を想定しておりました。
・選択と集中による開発投資の適正化と継続的な固定費の削減
・2025年2月に実施したTEN Holdings, Inc.のNASDAQ市場への上場と、それに伴う追加の資金調達及び同社株式の一部売却
しかしながら、2025年3月に入り、TEN Holdings, Inc.のNASDAQ市場における株価が当初の想定を上回る変動幅で推移し、売却の実施判断が困難な状況が続いたことから、追加的な資金調達施策として、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、連結子会社であるWizlearn Technologies Pte. Ltd.が保有する投資有価証券の売却を行うことを決定いたしました。また、当社は金融機関との連携を強めており、上記の施策に加えて、金融機関と協議の上で財務体質の改善に向けた施策を実行してまいります。これにより、今回の財務制限条項への抵触に関しても、期限の利益の喪失の権利行使をせず、事業継続に必要と認められる支援を継続していく旨の同意を得ております。以上により、当面の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
2.当社の事業及び業界固有の重要なリスク
項目名 | 影響度 | 評価 | 前年 比較 |
2.当社の事業及び業界固有の重要なリスク | |||
(1)AI技術の進展による事業への影響について | 中 | 重要 | ― |
(2)イベントDX事業の収益性低下に関するリスク | 大 | 重要 | → |
(3)サードプレイスDX事業の市場環境の変化に関するリスク | 中 | 注視 | → |
(4)エンタープライズDX事業の不確実性に関するリスク | 中 | 注視 | ― |
(注) 上記リスクはいずれも年間を通じて常時発生する可能性があると認識しております。
(1) AI技術の進展による事業への影響について
AI技術の急速な進展により、当社グループが提供するコミュニケーションツールやソリューションが、AIエージェント等の新技術により代替される可能性があります。このような競合環境の変化は、当社グループの競争力に影響を与え、事業戦略の見直しや既存サービスの陳腐化リスクを引き起こすおそれがあります。当社グループでは、AI関連技術の動向を注視しつつ、新たな技術との連携や独自価値の訴求に努めております。
(2) イベントDX事業の収益性低下に関するリスク
オンラインイベント市場においては、需要の鈍化やリアルイベントへの回帰傾向がみられており、当社グループのイベントDX事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。特に、特定の大型顧客や大型イベントへの依存度が高い収益構造においては、顧客方針やイベントの有無が業績に大きく影響することが懸念されます。また、価格競争の激化により、案件単価の値下げにより利益率が低下するリスクも存在します。当社グループでは、オンラインイベントへの付加価値の提供、ハイブリッド対応サービスの強化や案件ポートフォリオの見直しを通じて、収益の安定化を図っております。
(3) サードプレイスDX事業の市場環境の変化に関するリスク
出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークが定着する中で、社内外でのウェブ会議の実施機会が増加しており、静かな個室空間を求めるニーズが高まっております。当社グループが展開するサードプレイス型サービスは、こうしたニーズを捉えて拡大してきましたが、一方で一部企業ではオフィスへの完全回帰の動きもみられ、設置先の稼働率や導入意欲に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、設置環境の最適化や用途拡大に向けた取り組みを進めることで、稼働率と収益性の改善を図っております。
(4) エンタープライズDX事業の不確実性に関するリスク
企業の働き方が対面中心に戻る動きが広がった場合、当社グループが提供するオンライン会議・配信ソリューションの利用率に影響を及ぼす可能性があります。特に、ZoomやQumu等のサブスクリプション型顧客の解約が進行した場合、売上高が減少し、収益性が悪化するリスクが懸念されます。これに対し、当社グループは機能改善や顧客接点の強化を図り、継続的な価値提供を目指しております。
3.技術及びシステムリスク
項目名 | 影響度 | 評価 | 前年 比較 |
3.技術及びシステムリスク | |||
(1)技術革新及び市場変化のリスク | 中 | 重要 | ― |
(2)システム障害及び情報セキュリティのリスク | 中 | 注視 | → |
(注) 上記リスクはいずれも年間を通じて常時発生する可能性があると認識しております。
(1) 技術革新及び市場変化のリスク
インターネット関連市場では、新技術の導入やサービスモデルの転換が急速に進んでおります。当社グループのサービスがこれらの変化に迅速に適応できない場合、競争力が低下し、収益に影響を与える可能性があります。また、AIや先端技術への対応には、追加的な開発費用や人材投資が必要となることから、費用対効果の管理が課題となります。当社グループでは、先端技術のモニタリング体制を整備し、機動的な事業開発を推進しております。
(2) システム障害及び情報セキュリティのリスク
当社グループが提供するサービスは、外部クラウドインフラに依存しており、これらの障害が発生した場合には、サービスの提供が一時的に停止し、顧客満足度や信頼性の低下につながる可能性があります。また、サイバー攻撃や内部不正等により、顧客情報の漏洩やデータ改ざん等が生じた場合、法的責任やレピュテーションリスクが顕在化するおそれがあります。これらに対しては、継続的なシステム監視体制の整備や外部監査の活用などを通じて、リスク管理の強化に取り組んでおります。
4.財務リスク
項目名 | 影響度 | 評価 | 前年 比較 |
4.財務リスク | |||
(1)有利子負債の水準と財務制限条項に関するリスク | 大 | 重要 | → |
(2)TEN Holdings, Inc.の事業・財務リスク | 大 | 重要 | ― |
(注) 上記リスクはいずれも年間を通じて常時発生する可能性があると認識しております。
(1) 有利子負債の水準と財務制限条項に関するリスク
当社グループは、過年度から続く業績の悪化により、財務制限条項に2期連続で抵触しております。これにより、新規の資金調達や借換交渉等における柔軟性が制約される可能性があり、資金繰りへの影響が懸念されます。金融機関との関係強化や負債圧縮の施策を講じるとともに、収益性の改善を通じて自己資本比率の回復に努めております。
(2) TEN Holdings, Inc.の事業・財務リスク
連結子会社であるTEN Holdings, Inc.は、2期連続で営業赤字を計上しており、同社の成長性や収益性が当社グループ全体の財務状況に影響を及ぼしております。今後、成長加速のための資金調達が必要となる見込みであり、資金調達手段の選択や条件次第では当社の連結財務に一定の影響を及ぼす可能性があります。
なお、本報告書に記載したリスク要因は、当社グループの持続的な成長を図る上での重要な課題であり、取締役会等においても随時検討を行いながら、引き続き適切な対策を講じてまいります。
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