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企業概要

 当社グループの研究開発活動には、基礎的な要素技術の開発と、現在の製品の改善のための開発があります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は938百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウエア開発費用1,724百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は2,663百万円であります。当連結会計年度における研究開発活動の主なものの概要は、セグメント別に以下のとおりです。

(1)ITセキュリティ事業

ITセキュリティ事業の研究開発費は569百万円であります。主要な研究開発項目は以下のとおりです。

[製品]

① NetAttest EPSの新バージョン(V5.2)の開発・リリース

NetAttest EPSの新バージョンの開発・リリースを行いました。NetAttest EPSは、電子証明書による強固なセキュリティを実現し、導入と運用面を考慮した製品として、2002年の物理版アプライアンス製品としてリリース以降、時代とIT環境の変化に応じて仮想アプライアンスを開発し、最適な形態で提供することで業種や導入規模を問わず多くのお客様から高い評価を受けています。今回の新バージョンでは、仮想アプライアンスの動作サポート環境としてMicrosoft Azure に対応しました。これにより、EPSを導入する企業は、仮想基盤の運用負担を低減しつつ、自社のセキュリティポリシーに柔軟に対応できる認証サーバーを構築できるようになります。

② FileZen S の新バージョン(V1.4)の開発・リリース

FileZen S の新バージョンの開発・リリースを行いました。FileZen Sは、異なるネットワーク間でのファイルのやり取りをシンプルかつ安全に実現する製品として、ネットワーク分離環境を運用している多くの自治体・企業で採用されています。今回の新バージョンでは、持ち出しファイルの原本保存が求められる金融業界からの要望に対応した「ファイルアーカイブ機能」を追加し、ファイルの原本保存や、厳密な証跡管理をおこなうことができます。また、現場でのきめ細かな運用を実現する「承認機能の強化」をおこない、無害化処理の結果に基づいて承認先を動的に変更することが可能となり、更に使いやすい製品となっています。

[クラウドサービス]

① Soliton SecureGateway(SSG) の新バージョン(V2.0)の開発・リリース

 視認性と操作性の向上を目的としたUIの再設計と機能強化を行った新バージョンの開発・リリースを行いました。SecureBrowser(当社製品)、WrappingBox(当社製品)の動作を設定するプロファイル設定画面においては、設定項目数の増加に伴い、操作の繁雑さや設定項目の分かりにくさが課題となっていましたが、設定項目の名称や画面上の配置からUIの再設計を行い、管理画面の刷新を実施しました。また、画面上から設定項目のヘルプを表示する動作に対応するなど、管理者による設定作業が直感的に操作できるようになりました。この他、接続可能なSecureBrowser、WrappingBoxのバージョンを指定する機能や、WrappingBox V1.4の機能強化に伴うリモートデスクトップ設定項目の追加などの対応を行いました。

② WrappingBoxの新バージョン(V1.4)の開発・リリース

 リモートアクセス環境での利便性を向上させるため、リモートデスクトップ機能を大幅に強化した新バージョンの開発・リリースを行いました。Windowsのデスクトップに作成するショートカットからWrappingBoxを起動し、ログインからリモートデスクトップ接続までを自動で実行する機能や、2回目以降の接続における自動ログインに対応することで、ユーザーが日常的に利用する機能における操作回数を減らし、より快適に利用できるようになりました。また、複数の接続先設定への対応や、画面サイズやローカルデバイスの利用に関する設定への対応など、ユーザーの利用環境に応じた柔軟な設定ができるようになりました。

③ Soliton OneGate(クラウドサービス)の新バージョンの開発・リリース

 ネットワーク認証から社内外のアプリケーション利用までの多要素認証に対応したID認証サービス「Soliton OneGate」の機能追加を実施した新バージョンの開発・サービス提供を実施しました。今回の新バージョンでは、お客様のセキュリティと利便性をさらに向上させるために以下の機能を追加しました。

1)ICカード対応

 ユーザー認証や追加認証方式にICカードを追加することで、なりすましや不正アクセス防止の選択肢を拡大し、より幅広いニーズに対応できるようにしました。

2)SAML連携機能強化

 連携機能強化により、より多くのサービスとの連携が可能になり、シングルサインオン (SSO)の利便性をさらに向上させました。

3)SASE(Secure Access Service Edge)対応:任意CA証明書配布

CA証明書配布機能によりSASEとシームレスに連携することで、ゼロトラストセキュリティを実現し、お客様のIT環境をより安全に守れるようにしました。

4)URLスキーム対応

URLスキームを使ってSoliton KeyManager(当社製品)と連携することにより、証明書配布操作を簡易にし、お客様の運用コストを大幅に軽減しました。

5)一次パスワード・機能停止コード対応

Windowsサインイン機能のスマホ忘れ対策として一時パスワード機能、機能停止コード機能を追加することで、PCログイン時のOneGate認証を必須とすることができるようになり、利便性向上とPCログインの認証強化の両立を実現しました。

(2)映像コミュニケーション事業

 映像コミュニケーション事業の研究開発費は0百万円であります。

(3)Eco 新規事業開発

Eco 新規事業開発の研究開発費は218百万円であります。主要な研究開発項目は以下のとおりです。

①アナログ方式エッジAIチップの開発

 超低消費電力でありながら、端末において高度な認識を可能にする、アナログ方式によるエッジAIチップの開発を継続しました。また、当該チップを用いた学習処理に関して宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究を開始いたしました。

②Zao SDKの開発

 建設機械等の遠隔操縦について、これまで放送局向けに開発した「Smart-telecasterシリーズ」のアプライアンス製品を建設機械等に搭載していましたが、カスタマイズ要望に十分対処できないという欠点がありました。この問題を解消するため、米国のNVidia社のJetsonシリーズに当社のRASCOW2を移植し、建設機械をはじめ、車両、ロボットに組み込めるZao SDKを開発しました。

(4)その他

 その他の研究開発費は150百万円であります。主要な開発項目は以下のとおりです。

① 「遠隔運転システム」の開発と空港内での専用貨物車に対する走行実験の実施

 遠隔地から自動車を運転操作できる「遠隔運転システム」を、日本航空(JAL)の空港専用貨物牽引車に搭載し、中部国際空港エリア内で名古屋市内から遠隔運転する実証実験を、前連結会計年度に続き実施しました。当連結会計年度の実験では、我が国の公式空港内では初めてドライバー無人の牽引車に、実際と同様、複数の貨物車を連結して遠隔走行し、また、連結された貨物車を航空機の所定位置に遠隔操縦で横付けする操作も実施し、十分な実用性が確認されました。

② 自動運転(レベル4)向け「次世代遠隔システム」の経産省からの受託開発

 自動運転(レベル4:ドライバー無人)に必須となる「次世代遠隔システム(基盤となる車載用通信システムを含む)」の開発について、前連結会計年度に続き経済産業省から当連結会計年度も受託し、開発が完了しました。その開発成果により、福井県永平寺町の道路で、わが国で初めてのドライバー無人(レベル4)の自動運転が実用化され、乗客輸送に当たっています。

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