森永乳業
【東証プライム:2264】「食品業」
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企業概要
(1)研究方針
乳で培った技術を活かし、「おいしさ・楽しさ」「健康・栄養」「安全・安心」の面から研究開発に取り組むことで、サステナブルな社会の実現と世界中の人々の笑顔あふれる生活に貢献していくことをミッションとしています。
当社グループの研究開発体制は、以下のとおりです。
〔研究本部〕
◆ 研究企画部
研究本部における機能横断的部門として、研究開発の発展に必要な学術情報の収集発信、臨床試験支援、研究広報活動や庶務、設備メンテナンスなどの管理業務を行っています。
◆ 食品開発研究所
独自の製造技術やノウハウを活かして、「おいしさ・楽しさ」と「健康・栄養」の両立を目指した飲料やヨーグルト、アイスクリーム、チーズ、デザート、ウェルネス食品、それらの品質を守る容器包装の研究開発に取り組んでいます。
◆健康栄養科学研究所
年代別、病態別に必要な栄養および健康に関する研究を行い、国内外向けの育児用ミルク、妊産婦向け食品、流動食、栄養補助食品など医療・介護施設向け食品の研究開発に取り組んでいます。
◆ 素材応用研究所
ビフィズス菌や乳酸菌、ラクトフェリン、ペプチド、ラクチュロースなどの機能性素材や乳糖、各種乳タンパク素材の開発、および製造・分析・評価などに関わる技術開発をしています。また、それらの素材を応用した高付加価値サプリメント製品の研究開発に取り組んでいます。
◆ 基礎研究所
ビフィズス菌や腸内フローラを中心に世界で通じる基礎研究を行い、プロバイオティクスやプレバイオティクス、ラクトフェリン、乳ペプチドなどの新たな機能性素材の探索から、新規機能性の発見、エビデンスの取得、健康との関連性について研究し、機能性表示食品などの開発に取り組んでいます。
◆ フードソリューション研究所
自社製品をどう活用できるか、お客さまの視点で味覚や食感を評価し、レシピを提案して、より良い商品づくりに繋げています。また、バターやクリーム、脱脂粉乳などの乳製品開発や豆腐を中心とした植物性食品の開発も行っています。
〔生産本部〕
◆ 技術開発部
商品を安全に効率よく生産し環境にも配慮する「生産技術(装置・システム)」の研究開発を行っています。「AI・IoT、ロボットなどの先端技術を応用した生産ラインの自働化・省人化」、「省エネ・水資源・廃棄物などの環境負荷低減への挑戦」、「ローコストオペレーション」、「高品質とおいしさの両立」などに取り組んでいます。
(2)研究開発費
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は6,183百万円であり、セグメント別には以下のとおりです。
食品 | 6,148 | 百万円 |
その他 | 34 | 〃 |
計 | 6,183 | 〃 |
(3)主な研究開発活動
流行を取り入れつつ、高級感、贅沢感、食感、風味、満足感といった嗜好性を重視した商品、当社独自の素材や技術を活かした“おいしさと健康・栄養”を兼ね備えた商品、他社とのコラボレーション商品を開発・発売すると共に、これらの商品群を支え、研究方針に掲げるミッションの達成を目指して研究開発活動をしてまいりました。
① 飲料
◆「マウントレーニア」シリーズ‥‥「カフェラッテ 無糖ラテ」(2025年4月発売)と「カフェラッテ メープル&ハニー~しあわせYELL」などの期間限定商品や「スペシャリティ エチオピアモカ100%」の数量限定商品
◆「リプトン」シリーズ‥‥「しあわせ咲くらミルクティー」などの期間限定商品
◆「森永トリプル」シリーズ‥‥機能性表示食品「森永トリプル BLACK」〔機能性関与成分「トリペプチドMKP」には収縮期血圧を下げる機能、機能性関与成分「難消化性デキストリン(食物繊維)」には糖や脂肪の吸収を抑えて食後血糖や血中中性脂肪の上昇をおだやかにする報告あり〕
◆機能性表示食品「森永マミー」‥‥機能性表示食品としてリニューアル〔機能性関与成分「ラクチュロース」にはビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える報告あり〕
◆「毎朝爽快」シリーズ‥‥機能性表示食品「毎朝爽快スキンケア+アップル味」〔機能性関与成分「ラクチュロース」にはビフィズス菌を増やし腸内環境を整える報告あり〕(2025年4月発売)
◆「ビヒダス」シリーズ‥‥機能性表示食品「発酵酢ドリンク ざくろ味」「発酵酢ドリンク マスカット味」〔機能性関与成分「ビフィズス菌BB536」には大腸の腸内環境を改善し腸の調子を整える機能、機能性関与成分「酢酸」には日常生活で生じる運動(5~6METs)程度の疲労感の軽減と肥満気味の方のおなかの脂肪(内臓脂肪、腹部総脂肪)を減少させる機能の報告あり〕(2025年4月発売)
◆「inPROTEIN(インプロテイン)」シリーズ〔森永製菓株式会社(本社:東京都港区)とのコラボレーション〕‥‥「マスカット」(2025年4月発売)「ピーチ」「すっきりメロンオレ風味」「ベリーミックス風味」「抹茶風味」
◆「森永サプリメントウォーター」シリーズ(2025年4月発売)‥‥「鉄分 香るもも水」「マルチビタミン 香るレモン水」「コラーゲン 香るりんご水」
◆「森永ミルクキャラメルオ・レ」〔森永製菓株式会社(本社:東京都港区)とのコラボレーション〕
◆「サンキスト 100%パインアップル」
◆「管理栄養士推奨 肉専用レモン水」
② デザート
◆「森永の焼プリン 発酵バターキャラメル」
③ ヨーグルト
◆「ビヒダス」シリーズ‥‥機能性表示食品「便通改善 1日分の鉄分 ドリンクタイプ」〔機能性関与成分「ビフィズス菌BB536」には大腸の腸内環境を改善し腸の調子を整える機能、機能性関与成分「ラクチュロース」にはビフィズス菌を増やし腸内環境を整える報告あり〕(2025年4月発売)「もぐ盛り いちごとバナナ&オートミール」と「はちみつレモン風味 4ポット」などの期間限定商品
◆「ギリシャヨーグルト パルテノ」シリーズ‥‥「クリーミーバニラ味」と「マンゴー&パインソース入」の期間限定商品
◆「森永アロエヨーグルト」シリーズ‥‥機能性表示食品「W」〔機能性関与成分「イヌリン(食物繊維)」は肌の保湿力を高める機能や腸内環境を改善する機能の報告あり〕「森永アロエ&ヨーグルト つぶ数3倍」(2025年4月発売)
◆「森永マミー のむヨーグルト ピーチ風味」
④ アイスクリーム
◆「ピノ」シリーズ‥‥「ザッハトルテ」などの期間限定商品と「沼いちご」などの数量限定商品
◆「PARM(パルム)」シリーズ‥‥「ダブルチョコ クレイジーナッツ&ノワールショコラ(1本入り)」と「カフェラテ(6本入り」などの期間限定商品
◆「MOW(モウ)」シリーズ‥‥「華やぐジャスミンミルクティー」などの期間限定商品や「リッチチョコ&ミルク」などの数量限定商品
◆「MOW PRIME(モウ プライム)」シリーズ‥‥「クッキー&チョコクリーム」などの期間限定商品
◆「あずきモナカ」シリーズ‥‥「抹茶あずきモナカ」
◆「森永 れん乳氷 塩キャラメル」
◆「リプトン」監修シリーズ‥‥「ミルクティーバー」と数量限定商品として「れん乳ミルクティーバー」など
◆「Variche(バリッチェ)」シリーズ‥‥「チョコ&バニラ」「チョコ&ストロベリー」の地域限定商品
⑤ チーズ
◆「クラフト フレッシュモッツァレラ」シリーズ‥‥「瀬戸内レモン&ハーブモッツァレラ」(2025年4月発売)
◆「クラフト 小さなチーズケーキ」シリーズ‥‥「森永ミルクキャラメル味」などの数量限定商品
◆「クラフト グリルチーズ」
◆「フィラデルフィア」シリーズ‥‥「デザート6P クリームチーズと2種のドライフルーツ&ナッツ」と「デザート6P クリームチーズと2種の柑橘ピール&ナッツ」の期間限定商品
⑥ 育児用食品
◆「森永 はじめてのベビーフード」シリーズ‥‥「緑黄色野菜とさつまいも」「ぶどうとりんご」「りんごとかぼちゃ」
◆「森永 オーガニックのベビーフード」シリーズ‥‥「りんごとにんじん」「にんじんとぶどう」
⑦ 妊娠・授乳期のママ用食品
◆「森永はぐくみカフェ」シリーズ(育児用ミルクブランド「森永はぐくみ」シリーズの新展開粉末飲料)‥‥「ミルクティー風味」「カフェオレ風味」「抹茶ミルク風味」
◆「森永はぐくみサプリ」シリーズ(ママ用サプリメント)‥‥「ママのビフィズス菌」
⑧ ヘルスケア・健康食品
◆「森永 クリアDHA」(通販限定商品)
◆機能性表示食品「スッキリオリゴ」‥‥機能性表示食品として新発売〔機能性関与成分「ラクチュロース」にはビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える報告あり〕(2025年4月発売)
⑨ 生産技術開発
工場内の衛生レベルの維持向上を目的に、微酸性次亜塩素酸水生成装置「PURESTER(ピュアスター)」を開発し、自社・関係会社の工場で使用し品質確保に役立てています。社外に向けては、工業向けの「PURESTER」シリーズを1996年より販売しています。食品添加物の殺菌料の指定を受け(2002年)、活用用途がますます拡大しています。
◆シリーズ史上最小型の「コンパクトピュアスターCP-180」を開発し、大型スペースが確保できない福祉施設、介護施設、保育園などにもお使いいただけるようになりました。
⑩ 学術・研究
〔ビフィズス菌関連〕
◆京都大学と産学共同講座「ヒト常在性ビフィズス菌(HRB)研究講座で実施した研究において、ヒトにすむ種類のビフィズス菌が、有害物質の前駆体を有益な物質へ変換することを確認した研究成果が、科学雑誌『Gut Microbes』に2024年5月5日掲載されました(論文名:Human gut-associated Bifidobacterium species salvage exogenous indole, a uremic toxin precursor, to synthesize indole-3-lactic acid via tryptophan)。
◆京都大学と産学共同講座「ヒト常在性ビフィズス菌(HRB)研究講座で実施した研究において、潜在的に病原性を示す可能性がある悪玉菌の一種Clostridium perfringens(ウェルシュ菌)が母乳に含まれるヒトミルク由来オリゴ糖(HMO)の一種である2’-フコシルラクトース(2’-FL)を利用し増殖すること、この増殖を一部のビフィズス菌が抑制することを明らかにした研究成果が、科学雑誌『Gut Microbes』に2025年3月18日に掲載されました(論文名:In vitro competition with Bifidobacterium strains impairs potentially pathogenic growth of Clostridium perfringens on 2′-fucosyllactose)。
◆乳製品中のビフィズス菌数をより安定的に測定することを目的に、当社が主導して国際標準法の改定に取り組み、新たなビフィズス菌数測定法改定案が国際規格に採択・発行されました。
◆森永乳業/宮城学院女子大学/ヨークベニマル/魚国総本社/宮城県100名以上の地元学生のアイデアから選ばれた「ビヒダスプレーンヨーグルトと地元食材を使用したレシピ」を店頭や宮城県の県庁食堂メニューなどを通じ2025年春より順次発信。
〔ラクトフェリン関連〕
◆和歌山県立医科大学との共同研究により、ラクトフェリンがプラズマサイトイド樹状細胞に作用して免疫を調節するメカニズムを確認した研究成果が、科学雑誌『International Journal of Molecular Sciences』に 2024年12月13日に掲載されました(論文名:Bovine lactoferrin enhances Toll-like receptor 7 response in plasmacytoid dendritic cells and modulates cellular immunity.)。
◆日本初の「のど」を部位として表示する「健康な人の、空気の乾燥に伴う一時的なのどの乾燥感を軽減する機能」で、ラクトフェリンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出が、2024年6月24日に消費者庁に受理されました。
〔健康関連〕
◆地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターとの共同研究において、高齢者のたんぱく質摂取量と血中アルブミン酸化還元バランスとの間に関連があり、血中アルブミン酸化還元バランスが高齢者の低たんぱく質栄養状態を反映する指標となり、新しい健康の「ものさし」となる可能性が示された研究成果が、科学雑誌『Clinical Nutrition ESPEN』に2024年6月22日に掲載されました(論文名:Serum albumin redox state as an indicator of dietary protein intake among community-dwelling older adults.)。
◆当社と包括連携協定を締結している長野県松本市において松本市立病院、松本ヘルス・ラボとの産官連携で実施したトリペプチドMKPの摂取によって血圧が高めの方の収縮期血圧だけでなく、拡張期血圧も下げることが明らかとなった研究成果が、科学雑誌『Nutrients』に掲載されました(論文名:Effects of Casein-derived Peptide Met-Lys-Pro on Systolic and Diastolic Blood Pressure: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Study)。
◆インドネシア行政機関と「生物遺伝資源を用いた共同臨床研究」に関する基本合意文書を締結しました。共同臨床研究を通じてインドネシアにおける乳幼児の健やかな成長に貢献します。
◆当社と株式会社ファンケル(本社:神奈川県横浜市中区)は、両社製品を使ったコラボレシピを共同開発しました。
⑪ 表彰
◆「PURESU(ピュレス) 発酵酢 ドリンク」が「国際女性デー表彰式HAPPY WOMAN AWARD 2025 for SDGs」にて企業部門「女性応援ブランド賞」を受賞しました。
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