企業兼大株主西松建設東証プライム:1820】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社は技術研究所を中心として、社会や顧客からの要求・要望、社内の各事業部門からの課題解決の要請などに応えるべく、基礎研究から実践的な技術開発まで幅広く研究開発活動を行っております。

(土木事業・建築事業)

 当社では、省力化・生産性向上・高品質化に寄与する技術をはじめ、社会インフラのリニューアル技術、国土強靭化に資する防災・減災に関する技術、省エネ・脱炭素社会に貢献する各種の環境関連技術に関する研究開発を行っております。また、戸田建設株式会社との共同研究をはじめとして、大学などの研究機関や異業種・同業種企業、公共機関との共同研究も積極的に進めており、多くの分野において効率的な研究開発を推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動に要した費用総額は2,038百万円で、主な成果は以下のとおりです。

(1) 生産性向上技術

①トンネル坑内における油圧ショベルの無線遠隔操作システム「Tunnel RemOS-Excavator」を開発

~山岳トンネル無人化施工システム「Tunnel RemOS」の全要素技術の現場実証を開始~

 ジオマシンエンジニアリング株式会社と共同で、山岳トンネル施工に用いる油圧ショベルの一連の作業を無人化する「Tunnel RemOS-Excavator(トンネルリモスエクスカベータ)」の開発や実証確認を行いました。当社では、かねてより山岳トンネルの切羽作業の無人化に向けて、主要施工重機の遠隔操作技術・自動化技術を組み合わせた山岳トンネル無人化施工システム「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」の開発を進めております。今回はその中の油圧ショベルに対する遠隔操作システムを開発し、現場にて油圧ブレーカの切羽への移動や切羽作業といった一連の作業の遠隔操作を実証確認しました。今後は油圧バックホウやホイールローダとの共同作業を遠隔・自動化させたトンネル掘削作業の完全無人化への取り組みを続け、更なる生産性及び安全性向上、省人化を目指してまいります。

②AIモデルを活用したシールドマシンの掘進方向制御の支援システムを開発

~熟練オペレータの技量を学習し掘進方向を推測、制御の自動化を目指す~

 シールドマシンの掘進方向制御をAIモデルで支援するシステムを開発し、国内のシールド工事現場への導入を始めました。本システムの導入により、施工の効率化(生産性向上)、掘削精度の向上(品質向上)を図るだけでなく、個人差があった熟練オペレータの操作技術を数値化し、AIモデルの学習を通じ踏襲することで、熟練者から細かい技術を学ばなくても操作が可能になります。

③杭基礎の合理化・省コン化を実現する「杭頭部に後打ち部を有するパイルキャップ構法」を開発

~パイルキャップの約30%の工期短縮とコンクリート使用量約15%削減を可能に~

 上部構造物の荷重を杭によって地盤に伝えるために設けるパイルキャップの施工の合理化、及び既製コンクリート杭の地震時の損傷を軽減できる「杭頭部に後打ち部を有するパイルキャップ構法」を開発しました。本構法により、パイルキャップの施工において安全性や生産性の向上が期待できるとともに、約30%の工期短縮とパイルキャップのコンクリート使用量を約15%削減することが可能になります。さらに杭頭部に作用する地震時曲げモーメントを低減し地震による損傷を軽減できます。

(2) 省人化・省力化技術

①準天頂衛星システム「みちびき」測位技術のダム工事への適用性を実証

~ケーブルクレーン自動運転制御での利活用に向けた測位精度、受信安定性を検証~

 準天頂衛星システム「みちびき」の高精度測位情報をダム工事に活用する実証実験を行いました。実証実験は、当社JVが熊本県で施工中の立野ダム(国土交通省九州地方整備局発注)で行い、「みちびき」から送信される高精度測位情報を用いて、高い安定性を保持しながら精度10cm以内(水平:約4cm、垂直:約9cm)で測位出来ることが検証できました。この実証実験の結果から、高精度測位情報をダム工事におけるケーブルクレーンの自動運転システムに適用できることを確認しました。

②鍵管理システムの開発による現場作業の効率化を推進

~現場における鍵の開閉情報の可視化、解錠・施錠操作を省力化~

 株式会社ファイバーゲートと共同で、鍵管理システムを開発しました。共同住宅の工事現場では、内装工事中、侵入者により室内の仕上げ等が損傷されることのないよう管理する必要があるため、現場技術者は毎日、膨大な戸数の玄関扉の鍵の解錠・施錠を行っています。本システムでは、各住戸の玄関扉にスマートロックを取り付けることにより、専用アプリケーションで鍵の開閉情報を可視化し、鍵の解錠・施錠の遠隔操作を行うことが可能になります。現場技術者が携帯端末から各住戸の鍵の開閉情報を確認、遠隔操作できるため、管理業務の省力化を実現できます。

(3) 品質向上技術

①近赤外LED・カメラによる土の含水比測定装置の開発

~一般土工事における品質管理の省力化~

 西華デジタルイメージ株式会社と共同で、一般土工事などに使用される土砂の含水比測定方法について、近赤外線LEDと近赤外線カメラを用いて現場で迅速かつ簡易に測定できる含水比測定装置を開発しました。本装置の開発により、土工事に使用する土砂の含水比を迅速かつ簡易に高精度で計測でき、一般土工事の品質管理業務の精度向上や省力化を図ることが可能になります。

②生コンクリートの材料分離抵抗性を簡便に定量評価する手法を考案

~材料分離によるトラブル発生を抑制し、コンクリートの品質向上に貢献~

 国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学との共同研究により、施工前に生コンクリートの材料分離抵抗性を簡便な方法で定量的に評価する手法を考案しました。現場に持ち込んで扱える小型の評価試験器を製作し、容器内に詰めたコンクリートに振動エネルギーを加えた時の電気伝導率の経時変化で材料分離抵抗性を評価します。現在、現場への実装に向けて、データの採取、判定精度等、生コンクリートの評価の妥当性の検証を行っております。

③「中大規模木造建築物の実現」への取り組み強化

~中高層木造建築構法で日本建築センターの個別評定を取得~

「中大規模木造建築物の実現」へ向けた取り組みとして、10階建て共同住宅のモデルプランで一般財団法人日本建築センターの評定を2022年10月14日に取得しました。本評定は、株式会社市浦ハウジング&プランニングを代表とする「P&UA構法共同技術開発グループ」との共同研究開発により取得しました。認定された本構法は、一方向ラーメン構造と耐力壁を木造で架構するもので、新たに開発した接合技術である「GIUA」と「シアリングコッター耐力壁」を用いることで、高耐力・高剛性・高靭性を有する中高層木造構造物を実現できます。

(4) 環境関連技術

①CO2削減に貢献する新素材コンクリート製品の試験製造に成功

~アルカリ活性材料を用いた意匠性を有する低炭素型プレキャストコンクリート製品~

JFEスチール株式会社、国立大学法人東北大学、学校法人日本大学及び共和コンクリート工業株式会社と共同で、通常のコンクリートに比べて、製造時のCO2排出量を約75%削減可能なアルカリ活性材料コンクリートを用いた、意匠性を有するコンクリート二次製品の試験製造に成功しました。本成果により、さまざまな形状の製品に利用展開が進むことで、コンクリート分野でのCO2排出量の削減が可能となります。試作したコンクリート二次製品は、自然条件が過酷な寒冷環境において試験を行い、早期実用化に向け耐久性の検証を行う予定です。

②ZEB設計技術の検証・向上のための実証スペースを開設

 適用事例が少ない先進的な省エネ技術を用いた設計において、所期性能を担保するには実証や検証が必要となります。そのため、当社意匠設計部ZEB推進室の設計により技術研究所(神奈川県愛川町)の一部を改修し、ZEB設計技術の実証スペースを開設しました。ZEBは省エネ性能と同時に、施設利用者の知的生産性向上にも寄与することが求められております。この実証スペースでは、使い方が異なるいくつかのオフィス空間を設定し、それぞれの空間に適した先進的な省エネ技術を組み合わせることで、省エネ設計技術の試行と知的生産性向上を目指した空間としました。今後は、技術研究所のオフィスとして使用しながら、性能検証及び性能向上を図っていく予定です。

③LPWAの省エネルギー遠隔監視環境モニタリング技術を開発

~水域の環境保全をIoT化へ、DOバイオセンサーでモニタリング実証確認~

 国立大学法人和歌山大学及び国立大学法人群馬大学との共同研究で、貧酸素化しやすいダムや湖沼等の連続計測値観測のために、免許不要で省電力であるLPWA無線装置と一体化した、外部電源不要なMFC式のDOバイオセンサーを開発しました。これにより、連続計測値を遠隔監視することが可能になり、閉鎖性水域での計測、メンテナンス作業の効率化及び省人化によるコストダウンが見込まれます。今後はシステム全体の自立電源化を進め、実際の運用においては規定の数値になったらPCやスマートフォンにアラートを送信するなどアプリケーションの改良を行なってまいります。

(5) 新しい取り組み

 ジオポリマーによる実建物の建設に向けた研究会の発足

~二酸化炭素排出削減と産業廃棄物の有効利用に貢献~

 公立大学法人北九州市立大学と共同で、ジオポリマーによる実建物建設に向けて研究会を発足しました。新しい建設材料であるジオポリマーを、建築物に構造材料として用いる場合には、品質や性能などの技術的課題を解決するとともに、建築基準にも適合する必要があります。そこで、福岡県リサイクル総合研究事業化センターの支援により「浮遊選鉱法によって改質した燃焼灰を使用したジオポリマーコンクリートによる実建物の実証研究会」を2022年5月に発足し、活動を開始しました。ジオポリマーを建築物へ適用するための法律上の課題を整理するとともに、その材料特性、製造・施工方法、費用などの検討を行い、2025年度の実建物建設に向けて活動を進める予定です。

(開発・不動産事業等)

 人工光型植物工場の環境下におけるホウレンソウの促成栽培方法を確立

 玉川大学との共同研究で、LED等の人工光源を使用した人工光型植物工場(以下「植物工場」といいます。)でホウレンソウの促成栽培方法を確立しました。これまでも植物工場でのホウレンソウの栽培は可能でしたが、収穫量を増加させるために日長を12時間以上に延長すると商品価値が失われる抽苔(花芽を形成し茎が急速に伸びる現象)が発生する課題がありました。今回、栽培時の栄養濃度、光の強さ、植え方等の環境条件について検討を重ね、促成栽培条件である20時間の日長及び20~25℃の栽培温度でも抽苔を発生させずに栽培できることを確認しました。将来的に生産性と高品質化を両立させた植物栽培の技術開発を目指してまいります。

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