YKT
【東証スタンダード:2693】「卸売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは金属を加工する工作機械、および電子部品実装機などの電子機器を中心とした生産設備の販売を行なう機械専門商社です。創業以来「産業の西と東を結ぶ橋」として、国内外の生産設備をお客様へ提供し利潤をあげていただくことで発展・成長を遂げてきました。
機械設備の総合プランナーとして適切な提案を行なうセールスエンジニアと納入する生産設備の試運転・修理を担う技術部門が連携することで、信頼と感動を与える商品・サービスを提供することを基本方針としています。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年に創業100年を迎えました。そして次の100年を見据えて確かな歩みを進め、更なる成長を遂げるため、次の10年に対する中長期ビジョン「YKT Vision2034」を策定いたしました。さらにこのビジョンを実現するために、必要な戦略や取組みをバックキャストした「第13次中期経営計画」を策定しております。
中長期ビジョン「YKT Vision2034」及び「第13次中期経営計画」の目標と戦略
当社グループは100年を超える経験と実績をもとに、ものづくりを支える機械専門商社として、機械販売に留まらず、システム提案、技術支援を含む総合力でお客様に寄り添い、時間という経営資源を提供する存在を目指します。
目標
新商品、新サービスの育成を行い、連結売上高は2027年度に130億円、2034年度には200億円の達成を目指します。
資本効率の向上により、自己資本利益率(ROE)は2027年度に5.0%以上、2034年度には12.0%以上を目指します。
基本戦略
① モノ売りに留まらない、付加価値型ビジネスへのシフト
ものづくりに関して、お客様が直面している課題・ニーズに向き合い、機械販売に留まらず、システム提案や技術支援も含めた総合的な視点から付加価値を提供するビジネスへの転換を目指します。
② 100年を超える経験と実績を礎とした組織的活動の推進
100年を超える経験や実績を土台としながら、組織として提供する価値を最大化するべく、グループ一丸となった組織的な活動を推進します。
③ 商社ビジネスの屋台骨である人的資本のさらなる拡充
各人材が有する能力や資質を最大限発揮できる職場環境を構築し、人的資本のさらなる拡充を目指します。
(3)経営環境について
当社グループの主力商品である、電子機器、工作機械及び測定機器の主たる販売先はいずれも製造業であります。
電子機器の販売市場では、当社は主として電子部品実装機及びその関連機器を販売しております。具体的にはパナソニックコネクト㈱製モジュラーマウンター、スクリーン印刷機及び国内メーカーの液晶ボンダーであります。パソコン、スマートフォンなど情報機器の小型高性能化、人工知能(AI)技術を活用した電子機器の普及、そして自動車の電動化、安全技術の高度化の進展により、電子部品の高精度な実装及び高速化が望まれております。当連結会計年度においては中国経済減速の影響により、中国市場の設備投資需要が停滞いたしましたが、今後も引続き自動車や人工知能(AI)関連、そして省力化を目的とした設備投資は増加傾向にあり、国内外の設備投資需要も拡大するものと推測いたします。
工作機械の販売市場では、当社は主として高精度な微細加工が特徴であるロロマティック社(スイス)製の工具研削盤の輸入販売を行っております。お客様である切削工具メーカーは、当社が販売した工具研削盤により、金属の精密微細加工を行い、超硬小径エンドミル(工作機械へ装着し、鋼材、ステンレス、アルミなどを加工する工具)などを製造しております。切削工具は電子部品や情報通信機器、自動車、航空機関連などの製造分野で使用されております。今後も製品の小型化・微細化が進展する方向にあり、そのための切削工具、そしてそれを製造するための高精度な工具研削盤は欠かせないものであります。当連結会計年度のおいては、中国向けの工具需要が停滞し、生産量に伸びがなかったため、設備投資も低水準となりましたが、景気の回復とともに需要が回復するものと推測いたします。
測定機器の販売市場では、当社は主として光学式三次元測定機の輸入販売を行っております。製品の形状を精度高く容易に測定することができ、業界を問わず試作品や完成品検査には欠かせない装置であります。米国のQVI社の製品であり、同社は画像による非接触測定機のパイオニアとして世界65ヵ国以上に納入実績があり、高度な技術力と長年の信頼性の確保とともに、日本では同製品に特化したソフトウエア企業と連携し、日本での使い勝手の良さを追求した商品となっております。今後も品質管理の観点から一定のニーズがあるものと考えております。また、新たな機能を付加した商品の提供により販売の拡大に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度は、第12次中期経営計画の最終年度として計画を実践してまいりましたが、中国経済減速による設備投資需要の低迷や、歴史的円安水準の進行による仕入価格の高騰などにより、厳しい受注環境が続き、特に欧州からの輸入取引である工作機械販売が低下する結果となりました。
当社グループでは2025年度から次の10年を見据えた中長期ビジョン「YKT Vision2034」を策定しており、これまで積み上げてきた100年の強みを生かし、お客様の多様化するニーズ、事業環境に対応すべく、モノ売りに留まらない付加価値型ビジネスへのシフトを実践し、業績の回復、向上に努めてまいります。
また、当社グループは事業活動におけるサステナビリティに関しては、人的資本に対する取組を重要視しており、人材の育成に注力し、教育制度の充実、職場環境の整備などにより社員のエンゲージメントの向上に努めてまいります。そのほか、サステナビリティ委員会等によるコンプライアンス、環境等に関するリスク管理を行ない、経営環境の変化に対応してまいります。これらの実践により、自己資本利益率(ROE)及び株価純資産倍率(PBR)の向上に努め、経営効率と株式の市場価値を意識した経営を進めてまいります。
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