UBE
【東証プライム:4208】「化学」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。
パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」
「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」
UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」
UBE経営方針
(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。
(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。
(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。
(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。
(2)経営戦略等
当社グループは、「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」に続く中期経営計画として、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定しました。2030年に向けて、「スペシャリティ化学企業」へ進化するとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。
◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿
「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」
◆中期経営計画の行動計画
2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しました。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。
<UBEグループのマテリアリティ>
(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大
(ⅱ) 多様な人財の活躍
(ⅲ) 労働安全・保安防災
(iv) 地球環境問題への対応
(v) 誠実で公正な企業統治
(3)経営環境
当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締めにもかかわらず米国景気が堅調に拡大したことで想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。
こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。
(4)優先的に対処すべき課題等
中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミド原料BPDA、ポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得するなど、将来の成長に向けた施策を進めています。
さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、日本とタイの製造設備の縮小・停止を決定しました。
これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。
(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大
ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業を確実に統合することで、グローバルに、かつシナジー創出により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。
さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については株式上場により自立化を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。
また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州拠点を整備し4極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。
(ⅱ)多様な人財の活躍
スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍できるような人事制度を構築します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。
(ⅲ)労働安全・保安防災
ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。
(ⅳ)地球環境問題への対応
これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。
(ⅴ)誠実で公正な企業統治
取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。
スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。
さらに、企業活動全体を網羅的に、顧客/社会価値連鎖をデジタルの力で連携させ、ビジネススタイルを変革します。
<事業ポートフォリオ>
市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~2nd Stage~」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。
<数値計画主要項目>
| 2030年度目標 |
売上高 | 5,500億円 |
営業利益 | 600億円 |
<2030年度目標主要項目>
| 2030年度目標 |
EBITDA | 1,000億円以上 |
売上高営業利益率(ROS) | 10%以上 |
自己資本利益率(ROE) | 8%以上 |
投下資本利益率(ROIC) | 6%以上 |
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