TOKYO BASE
【東証プライム:3415】「小売業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「日本発を世界へ」を企業スローガンとして掲げ、企業理念「日本発を世界に発信するファッションカンパニーを創造するとともに、事業拡大を通じて、顧客、従業員、取引先、株主の幸せと夢を実現します」の達成に向けて行動しております。
この企業理念の下、当社では「全世界顧客感動」、「ファッションプロフェッショナル集団」、「Next Made in Japan」、「世界10大都市展開」、「最速売上1,000億円/EC売上500億円」の5つのVISIONを掲げ、商品力強化、店舗開発、サービス向上、人材育成、社会貢献をしていくことで、企業価値の向上を図ることを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、資本効率を重視した経営の実現に向けて、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画における主要な財務指標として位置づけており、2028年度に20%超の達成を目標としております。
また、ROE単体ではなく、資本コストとの関係性(ROE>資本コスト)にも着目し、株主資本コストを上回るリターンの創出を通じて、企業価値および株主価値の持続的な向上を目指してまいります。
あわせて、事業運営上は営業利益額を主要なマネジメント指標として注視しており、本業における収益力の向上を通じたROEおよび資本効率の改善を推進してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
中長期的には、当社の強みである「日本発・日本製」にこだわったブランドポートフォリオを基盤とし、海外展開および新業態の開発を通じて、成長の持続性と収益構造の強化を図ってまいります。特にアジア主要都市を中心とした海外市場への出店や、現地パートナーとの連携を通じて、グローバルな収益基盤の多様化を推進していきます。
セレクト事業では、「STUDIOUS」「THE TOKYO」「CONZ」など既存業態に加え、新たにスタートした「GOOD EDITION」を通じて、TOKYOカルチャーの発信力を高め、海外展開を見据えたブランド力の強化を図ります。
自社ブランド事業では、「UNITED TOKYO」「PUBLIC TOKYO」「CITY TOKYO」に加え、30〜40代女性をターゲットとした新業態「RITAN」など、多様なブランドの展開により、国内外での販売チャネルを広げてまいります。今後は、WOMENS市場を中長期的な成長ドライバーと位置づけ、顧客基盤の拡充とブランド価値の向上を目指します。
さらに、デジタル投資やCRM強化による顧客体験の向上、M&A・資本提携による新規領域・市場への参入などを通じて、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は、国内の人口減少や少子高齢化、消費者ニーズの多様化、D2Cブランドの増加といったアパレル業界の構造的変化に加え、グローバル市場における競争激化など、複雑かつ多面的な変化が進行しています。一方で、外国人観光客の増加によるインバウンド需要や、アジアを中心とした日本ブランドへの関心の高まりは、新たな成長機会であると捉えております。
こうした環境のもと、当社グループでは、中長期的な企業価値向上を見据え、収益性と成長性のバランスを取りながら、下記6点を優先的に対処すべき重要課題と認識し、戦略的に取り組んでまいります。
①戦略的な店舗展開および出店強化
国内市場では、東名阪エリアに出店を集中させ、ブランドとの親和性の高いエリアでのドミナント出店を推進します。加えて、インバウンド需要の拡大に伴い、訪日外国人の動向に合わせた路面店の強化を行い、収益機会の最大化を図ります。立地選定においては、収益性や投資効率を定量的に評価し、優良な物件取得を進めてまいります。
②海外都市への事業拡大および継続的な新業態開発
当社は、低価格帯・マスブランドではなく、限定的な商圏・顧客に対して高付加価値を提供する戦略を取っております。今後は、海外の主要都市への展開と新業態の継続的な開発を通じ、エリア密度と事業規模の拡大を図り、グローバルな成長エンジンの強化に取り組んでまいります。
③中国事業の再成長
2025年1月時点で不採算店舗の撤退を完了し、北京・上海・深圳・広州に絞った6店舗体制を構築いたしました。今後は、大型店から中規模店舗への移行を進め、ミドルリスク・ミドルリターン型の出店を基本戦略とし、安定的な成長を目指してまいります。
④商品力の強化
日本国内の有力ブランドとの連携強化、優秀デザイナーの採用・育成、マーチャンダイジング体制の拡充により、商品開発力とプロパー消化率(定価販売比率)の向上を推進してまいります。あわせて、在庫回転率の最適化や仕入・販売のPDCA強化を通じて、ブランド価値と収益性の向上を図ってまいります。
⑤人材の確保と育成
労働力人口の減少や業界特有のイメージを背景に、人材確保が課題となっております。当社は業界トップ水準の給与体系を目指すとともに、生産性向上・人材定着率の改善に資する人事制度・評価制度の整備を進めております。実力主義・成果主義に基づいた教育・報酬制度の強化を通じて、持続的な組織力の向上を図ってまいります。
⑥M&Aの検討と実施
業界再編の進行に伴い、後継者不足や業績不振による事業譲渡ニーズが増加しております。当社は、事業との相乗効果が期待されるブランド・企業を対象に、慎重なデューデリジェンスを実施の上、戦略的なM&Aを推進してまいります。特に、M&Aを通じたブランド補完・海外展開・商品力強化により、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
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