TOKAIホールディングス
【東証プライム:3167】「卸売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループの基本理念「TOKAI-WAY」
当社は、2011年4月、「企業理念」、「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」の4層から成る「TOKAI-WAY」を理念体系として策定し、当社グループ全体で共有することで、新たなスタートを踏み出しました。
社会環境や顧客ニーズが急速に変化する中で、当社グループが一体となって運営し、「顧客力」、「総合力」、「機動力」を十分に活かし、グループ全体で持続的成長を図ってまいります。
① 企業理念(当社グループの信条)
「お客様の暮らしのために。地域とともに、地球とともに、成長・発展し続けます。」
私たちは暮らしを総合的に支える企業体として、創業以来培ってきた自らの力と可能性を原動力に、地域そして地球とのつながりを深めながら、お客様の幸せへの貢献を続けていきます。
② ミッション(当社グループが社会・顧客・株主に対して果たすべき使命)
「変革し、挑戦し、実現する。」
私たちは、お客様のお役に立つ強い信念のもと、自己変革に絶えず挑戦して暮らしのニーズを先取りし、「安心・安全」「便利・快適」「喜び・生きがい」のご提供を実現します。
③ ビジョン(当社グループが目指すべき長期事業目標)
「全国展開から世界への持続的な歩みを通してお客様の求める商品サービスをワンストップで提供する。」
グローバル化する社会環境の中でグループの総合力をさらに強化し、生活密着・地域密着の多彩なサービスを次々とお届けします。
④ バリュー(当社グループの社員が行動する上で大切にするべき共通価値観)
「ずっと、あなたとともに笑顔と感動を。」
・みんなをつなぐコミュニケーションで。
身近なパートナーとして、大切にするのはコミュニケーション。チームの力を活かして、皆様に新たな感動を生みだします。
・安心・安全・充実をあなたのそばに。
安心・安全を第一に、常に感謝の心と、最善のサービスをお届けします。
・心にいつもプロの熱意と誇りを持って。
いつまでも選ばれ続けるプロフェッショナルであるために、日々自己を磨き、自由な発想で仕事を面白くしていきます。
・地域と共に未来につなぐ成長を。
子供からお年寄りまで安心して暮らせる地域環境、自然環境づくりや地域活性化に貢献します。
(2) コーポレートメッセージ・コーポレートスローガン
① コーポレートメッセージ
私たちは、自由な発想とチャレンジで、暮らしに、社会に、笑顔を広げていきます。
② コーポレートスローガン
暮らしに社会にもっと笑顔を。
(英文:More smiles for a better life)
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「中期経営計画2025」を2023年5月に公表しております。この中計では①事業収益力の成長、②持続的成長基盤の強化、③人財・組織の活力最大化について、当社グループの持続的成長に向けて取り組むべきテーマとしております。そして、事業成長と収益基盤の拡充により、売上高・各利益項目は増収増益、顧客件数も安定的な増加を見込んでおります。また、営業キャッシュ・フローの配分については、事業の成長投資に積極的に振り向けるとともに、株主還元は配当性向40~50%の範囲で安定的に行い、自己株式取得についても機動的に実施していく方針です。資本効率(ROE:自己資本利益率、ROIC:投下資本利益率)についても市場の期待に応えるよう取り組んでまいります。
中期経営計画2025の経営指標は以下のとおりとなります。
2023年5月公表中期経営計画
| 2023年3月期 実績 | 2024年3月期 予想 | 前期比 | 2025年3月期 計画 | 前期比 | 2026年3月期 計画 | 前期比 |
売上高 | 2,302億円 | 2,400億円 | +98億円 | 2,500億円 | +100億円 | 2,600億円 | +100億円 |
営業利益 | 149億円 | 150億円 | +1億円 | 160億円 | +10億円 | 175億円 | +15億円 |
経常利益 | 133億円 | 150億円 | +17億円 | 160億円 | +10億円 | 175億円 | +15億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 65億円 | 85億円 | +20億円 | 90億円 | +5億円 | 100億円 | +10億円 |
営業CF | 212億円 | 217億円 | +5億円 | 230億円 | +13億円 | 244億円 | +14億円 |
顧客件数 | 330万件 | 338万件 | +8万件 | 348万件 | +10万件 | 357万件 | +9万件 |
配当性向 | 64.8% | 49.2% | △15.6pt | 40~50% | |||
ROE | 8.2% | 10.3% | +2.1pt | 10.4% | +0.1pt | 10.8% | +0.4pt |
ROIC | 8.3% | 8.0% | △0.3pt | 8.2% | +0.2pt | 8.7% | +0.5pt |
②2025年3月期実績、2026年3月期予想について
| 2023年3月期 実績 | 2024年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 前期比 | 2026年3月期 予想 | 前期比 |
売上高 | 2,302億円 | 2,315億円 | 2,435億円 | +120億円 | 2,530億円 | +95億円 |
営業利益 | 149億円 | 155億円 | 168億円 | +13億円 | 175億円 | +7億円 |
経常利益 | 133億円 | 155億円 | 174億円 | +18億円 | 175億円 | +1億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 65億円 | 85億円 | 92億円 | +7億円 | 100億円 | +8億円 |
営業CF | 212億円 | 301億円 | 258億円 | △43億円 | - | - |
顧客件数 | 330万件 | 336万件 | 342万件 | +6万件 | 346万件 | +4万件 |
配当性向 | 64.8% | 50.8% | 48.2% | △2.6pt | 44.4% | △3.8pt |
ROE | 8.2% | 10.0% | 10.1% | +0.1pt | - | - |
ROIC | 8.3% | 8.2% | 8.4% | +0.2pt | - | - |
2025年3月期の連結業績は、グループ顧客件数の増加、情報通信法人向け事業でキャリアサービス及びクラウドサービスの順調な推移等による増収により、売上高が2,435億円となり、前連結会計年度比120億円(5.2%)増となり、過去最高を更新しました。各利益項目についても、顧客件数増等により営業利益が168億円となり同13億円(8.6%)増、親会社株主に帰属する当期純利益が92億円で同7億円(8.7%)増となりました。なお、売上高については8期連続の増収、各利益項目については2期連続で増益となり、いずれも過去最高を更新いたしました。
2026年3月期の連結業績は、売上高については主要事業を中心に顧客件数の増加やエリア拡大を図り2,530億円(前連結会計年度比95億円(3.9%)増)を計画しております。各利益項目についても、営業利益175億円(同7億円(3.9%)増)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(同8億円(8.5%)増)を計画しております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題
当社グループにおいて認識している対処すべき課題及びそれらの課題に対する取組については、以下に記載するとおりであります。
(全社共通)
「中期経営計画2025」では、3つのキーメッセージ「①事業収益力の成長」、「②持続的成長基盤の強化」、「③人財・組織の活力最大化」を掲げています。2026年3月期は、同計画の最終年度として、目標を達成してまいります。エネルギー、情報通信、CATV、建築設備不動産、アクアなどの多様なサービスを通じて、お客様や地域社会に寄り添い、暮らしや社会に不可欠なインフラを安定的に提供いたします。それとともに、顧客基盤の拡大や新たな付加価値の創造に努め、一層の成長を目指してまいります。更に、様々な社会課題、地域課題、気候変動などの環境課題にも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。これらの活動をより効果的に推進するためには、人財・組織の活力を最大限に発揮することが重要です。人財育成やダイバーシティの推進、働きがいのある環境整備に注力し、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスを高め、組織全体の持続的な成長を促進いたします。
そして、グループ一丸となって、コーポレートメッセージ「私たちは、自由な発想とチャレンジで、暮らしに、社会に、笑顔を広げていきます。」を実現してまいります。
また全社共通の対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。
① 事業ポートフォリオ経営への取組
当社では企業価値向上に向けた取組の一環として、資本収益性と市場成長性・当社の期待の二軸による事業ポートフォリオ経営を実施しております。事業ごとの状況を数値で的確に把握し、各事業が抱える課題解決と併せて進めていくことで、経営資源の効率的な活用につなげるとともに、当社グループの企業価値の向上に寄与するよう取り組んでおります。
② 内部統制・コンプライアンスに関する取組
当社は、コンプライアンス遵守とガバナンス強化が定着した組織風土の醸成に取り組んでおり、経営層及び従業員に対する研修や内部統制を強化し、組織のコンプライアンス意識の向上やガバナンスの浸透に努めております。また、グループ監査室及びコンプライアンス・リスク管理統括室が、内部統制機能が有効に機能しているかを監視・検証しております。
③ 健康経営について
当社は、従業員の健康増進を経営の重要課題として捉えております。
『人財戦略(理想の個、理想の組織)を実施することで
従業員のウェルビーイング向上により、働きがいのある元気な企業集団へ』
をテーマに掲げて人的資本への投資を進めており、その一環としてトップレベルを目指した健康経営を推進しています。
経営トップを最高健康責任者(CHO)として健康経営大綱を制定し、「安全衛生」「健康増進」「働き方改革」の3つの柱を中心に様々な健康経営施策を実施し、従業員一人ひとりが働きやすく活き活きと輝ける環境づくりに積極的に取り組んでおります。
(各事業)
各事業の対処すべき課題は以下のとおりであります。
① エネルギー事業
LPガス・都市ガス事業につきましては、「中期経営計画2025」で掲げたGX(グリーントランスフォーメーション)の推進策に基づき、低・脱炭素化への取組を推進しております。
当社グループは、都市ガス事業においてJクレジットを活用したカーボン・オフセット都市ガスを自治体や企業向けに販売を行い、LPガス事業においても、カーボンニュートラルLPガスの販売に取り組んでおります。2024年度には、家庭用戸建向けに新料金メニュー『カーボン・オフセット都市ガス(New G Life)』の新設や、PPAモデルを活用した「TOKAI ZERO SOLAR」サービスにおけるJクレジット制度の登録認証取得などに取り組みました。今後もエネルギー事業者として培ったノウハウや技術力を活かしながら、再生可能エネルギー、高効率ガス機器の販売等と掛け合わせて、持続可能な低・脱炭素社会の実現に向け努力してまいります。
また、気候変動以外にも、人口の減少やエネルギー事業者間での競合など事業環境は厳しく、これらへの対応が課題と認識しております。そのため、業務の効率化(DXの活用)やコスト低減、顧客の利便性向上による差別化などに取り組んでまいります。
② 情報通信事業
コンシューマー向け事業につきましては、ブロードバンドやスマートフォンは日常生活に不可欠であり、市場は成熟期を迎えております。事業者間競争の激しさは常態化しておりますが、当社グループにおいては、お客様のニーズに合わせた最適プランの提案、獲得ルートの選定や解約率の低減に努めるなど、効率的な事業運営に取り組んでおります。
法人向け事業につきましては、技術革新の変化への対応とそれを実現する技術者の確保・育成が課題と認識しております。当社グループにおいては、従来からの自社光ファイバーネットワークとデータセンター、システム開発を三位一体で提供するソリューションサービスに加え、クラウドサービスを取り込むなど、ストックサービスの拡充に取り組んでまいりました。また、発展著しいAI・IoT・ビッグデータを活用したサービスの商品化についても進めております。このような新しい技術に対応するため、技術者の確保・育成については、教育・研修プログラムを充実させるなど、より一層力を入れて取り組んでまいります。
③ CATV事業
CATV事業につきましては、大手通信事業者との競合が年々激しさを増している状況にあります。
このような状況に対し、当社グループは、コミュニティチャンネルについて、お客様の暮らしに寄り添う番組作りを念頭に、行政と連携した地域の日々の出来事から災害情報の発信、地元を巡る視聴者参加型番組、イベント・スポーツの生中継など、地域と一体となって取り組んでおります。今後も地域の皆様の暮らしを支える、地元の活性化につながる番組作りに取り組んでまいります。
また当社グループは、放送・通信セット加入による割引サービス、大手携帯キャリアとの連携によるスマホセット割引、大手動画配信事業との提携による番組コンテンツの充実などに取り組んでおりますが、今後もお客様のニーズに合わせたサービスを取り込み、CATV事業者としての価値を高め、顧客基盤の強化、拡充にも取り組んでまいります。
④ 建築設備不動産事業
建築設備不動産事業につきましては、住宅のネット・ゼロ・エネルギー化に向けた住宅設備機器の提案や耐震リフォーム・介護リフォームを展開するなど、お客様の暮らしの基盤づくりに取り組んでおります。また、オフィスビルや大型店舗、公共施設などにおける主要設備3工事(空調、給排水、電気)の総合提案を推進しており、引き続き総合建設事業者としての事業拡大に取り組んでまいります。
⑤ アクア事業
アクア事業につきましては、顧客先より引き上げたウォーターサーバー、ボトルの取扱いを取組課題の1つにあげて、環境に配慮した材質の使用、自社再生工場による循環再利用の促進に努めております。
また、宅配事業者からの配送単価の値上げ要請や製造原価の上昇等、コスト管理についても事業課題と捉え、顧客獲得の強化と並行して同業他社とのアライアンス等、コストの抑制に努めてまいります。
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