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【東証グロース:280A】「卸売業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針
《Mission/経営理念》
当社は「Technology Makes Happiness」を経営理念として掲げ、先端技術で豊かな社会を創ることを目指しております。
《Vision》
最高のバリューを提供し続けること
①社員第一主義、②最高のバリュー提供、③コンプライアンス遵守
(2)経営環境
半導体は身近な電化製品から電気自動車、生成AIなど、あらゆるテクノロジーに用いられており、半導体市場全体としては、全世界の市場規模が2030年には160兆円(1兆ドル 1ドル=160円で換算)にも成長することが見込まれています。
出所:SEMI, May 9, 2022 ISS 2022: Semiconductor Industry Market Outlook and Prospects for Reaching $1 Trillion by 2030
経済産業省(2021.3.24)「第1回半導体・デジタル産業戦略検討会議」
WSTS 2024年春季半導体市場予測
半導体市場が拡大する中で部品や装置の調達が困難になっており、当社の属するアフターマーケット市場においても半導体工場の老朽化が進み、アフターマーケットの需要が拡大しております。一方で、装置の搬入や部品の選定・修理ができるエンジニアが工場に不足している状況にあります。2021年には2.7兆円であったアフターサービス市場規模が2024年には4.1兆円に拡大するものと見込まれております。中古半導体製造装置市場においても年々拡大しており、2023年には潜在市場として3.8兆円(240億ドル 1ドル=160円で換算)にまで拡大しているものとみております。
そのような状況の中、部品・装置情報を集約した越境ECプラットフォームとエンジニアリング力の両方をトータルソリューションとして提供しております。
世界のポストセールス市場の売上推移と予測 単位:百万円
事業分類 | ウエハサイズ(注) | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
中古装置 | 200mm以下 | 242,705 | 256,490 | 281,370 | 293,469 |
300mm以下 | 298,571 | 328,732 | 368,180 | 404,998 | |
中古装置合計 | 541,276 | 585,222 | 649,550 | 698,467 | |
アフターサービス | 2,726,699 | 3,108,437 | 3,574,703 | 4,110,908 | |
総合計 | 3,267,975 | 3,693,659 | 4,224,253 | 4,809,375 |
出所:Global Net Corp. 半導体製造装置・ポストセールス市場年鑑2021
(注)ウエハサイズについて:ミリとは、半導体チップを製造する材料であるウエハの直径サイズを意味しております。200㎜ウエハは、過去に広く使われてきた標準的なサイズですが、現在では生産効率の高いより大きな300㎜のウエハが主流になっております。200㎜ウエハを使っている工場は、古い技術を使っていることが多く、レガシー工場と呼ばれることがあります。
(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社は、半導体製造装置のフィールドソリューションに注力し、国内の半導体メーカーの支援を行ってまいりました。今後も継続して顧客ニーズにフレキシブルに対応し、より強固な経営基盤を築いていくには、以下に掲げる課題に対処していかねばならないと考えております。
① 人材の育成・確保
当社の事業を強化していくためには、営業力強化が必須であると考えております。そのためには、エンジニアリング力およびソリューション営業力の強化が必要であり、優秀な人材を確保・育成させることを事業展開における主要な課題と考えております。そのために、定期採用(新卒採用)・期中採用(中途採用)の適切なバランスを念頭におきながら積極的な人材確保に努めております。また、当社は優秀な人材を育成・定着させるため、個人の成長を重視した人事評価制度を導入しております。
② プラットフォーム(デジタル)ソリューションの拡張
当社は、半導体製造装置に知見のある技術営業人員が多数在籍し、より多くの商談を重ねることにより受注を拡大してまいりました。一方で、ソリューション営業力を強化していくためには、エンジニアリング力に加えて当社越境ECサイト「LAYLA-EC」をはじめとしたプラットフォーム(デジタル)ソリューションを融合させたサービスを提供していく必要があります。この課題に対応するため、当社越境ECサイト「LAYLA-EC」の更なる国内浸透に加え、当社競売サイト「LAYLA-Auction」を開設し、差別化を図ってまいります。
③ 収益力の向上および内部留保の確保
当社の収益構造のうち、エンジニアリング力を活用した装置販売サービスについては、装置の需給により利益率が装置により異なります。また越境ECプラットフォーム等を利用した部品販売・修理サービスと比較して、売上高が高く、仕入原価率が高い傾向にあります。そのため相対的に売上総利益率が低下する要因となっております。
しかしながら、利益額としては一定額を確保でき、なおかつ新たな顧客開拓にも繋がるために積極的に営業展開を行っております。
また、長期的には、サービスラインナップの拡充や顧客深耕により、収益力の向上に取り組み、内部留保を確保することで財務基盤の安定化を図ってまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では中長期での事業成長および企業価値向上を最優先として経営を行っております。今後も、事業の安定的かつ継続的な成長を軸に、投資を継続することが当社の企業価値向上にとって最重要であると考えております。
当社では事業成長の指標となる売上高・営業利益の絶対額、収益性を計る指標となる売上総利益率・営業利益率を重要視しています。なお、中長期的な目標として売上総利益率は25%、営業利益率は15%を掲げております。
当社は成長過程にあるため、売上や営業利益の絶対額が過去と比較して成長しているのかをモニタリングすることは成長性という観点で重要であると認識しています。また、事業全体の収益性を示す利益率は、事業サービスの価値を示す指標にもなるため、重要指標として判断しております。成長と収益性の両輪をモニタリングすることで企業価値向上に繋げております。
(5)中期的な経営戦略
当社が対応すべき主な経営戦略は、以下の項目であります。
① 既存事業の拡大
半導体メーカーで遊休化する中古装置が増加するなか、2023年7月に立ち上げた半導体製造装置に特化した競売プラットフォームシステム「LAYLA-Auction」を新たなソリューションとして、半導体メーカーの保管スペースや廃棄コスト削減ニーズに対応すべく、サービスを展開してまいります。
また、TSMC(JASM)およびSONYによって熊本に大規模投資が行われるなか、両社工場に隣接したエリアに営業拠点を設置し、ソリューション営業を展開し、受注拡大を狙ってまいります。
② 新規事業の推進
2024年12月に、当社の専門性・事業領域を活かした半導体工場向け半導体人材プラットフォーム「LAYLA-HR」を構築し、専門性に特化した人材紹介サービスを開始いたしました。
本サービスは、半導体業界における知見とネットワークを活用し、企業と専門人材を効率的にマッチングする革新的なソリューションを提供します。これにより、業界の人材不足問題の解決に寄与するとともに、当社の長期的な収益基盤の確立を目指します。
また、半導体工場に関わるあらゆるサプライチェーン課題を解決すべくプラットフォーム力を活かしたサービスをさらに拡大してまいります。
③ 事業販路の拡大
装置延命のトータルソリューション(エンジニアリング力×プラットフォーム力)を活かし海外展開し、さらなる飛躍を目指してまいります。
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