企業TENTIAL東証:325A】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションとしております。個々人が持つ潜在的な能力を発揮するためには、いつまでも挑戦を続けられる身体であることが必要不可欠です。その実現のため、当社は、「コンディショニングを実装する」というビジョンを掲げております。

(2)経営環境

 近年、日本では少子高齢化の進行を主な背景として、国民医療費が2000年度の約30兆円から2022年度には約46兆円まで増加する等、国民健康保険の安定的運用に係る諸問題が顕在化しております(※1)。そのような環境のもと、厚生労働省による健康増進法に基づいた「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(健康日本21)」(2012年)の公表や、経済産業省による健康優良法人認定制度の開始(2016年)等、国民の健康意識の向上に関する取組みが行われてまいりました。これらの取組みや外的環境の変化を端緒として、国民の健康への意識が高まっており、「セルフケア(※2)」「プレゼンティーイズム(※3)」「健康寿命(※4)」「健康経営(※5)」等といった、健康に関するキーワードが浸透しつつあります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の蔓延による人々の生活意識や行動の変化によって、ウェルビーイング(※6)に係る認知も高まっており、健康増進・維持に関連するサービスやツールを提供する事業者に対しての追い風となっていると認識しております。

 また、日本においては約4人に1人が健康課題の自覚症状があるとされており、慢性的な疲労感・睡眠の質の低下・心身パフォーマンスの低下等の問題が顕在化しております。特に疲労感は働く世代の約8割が慢性的に抱えているとされ、それを背景としたニーズの高まりを受け、当社が属する市場の規模が拡大していると考えられます。

 一般社団法人日本リカバリー協会の調査(※7)によれば、リカバリー領域において当社が対峙する市場の規模は2023年において約9,000億円と推計されております。中でも、当社のリカバリーウェアが直接的に属する衣服(スポーツ以外)カテゴリーの市場規模は2023年において1,438億円と推計され、2019年の867億円から1.66倍に成長しております。

 当社ではミッション・ビジョンに基づき、当社が展開するコンディショニングブランド「TENTIAL」において、2019年にインソールの販売を開始したのち、現在主力とするリカバリーウェアの「BAKUNE」シリーズをはじめ、取扱商品を徐々に拡大し、2025年1月末現在において100点以上の商品を展開しております。

※1 <出典>厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」

※2 セルフケア…自己の健康と幸福を維持・向上させるための自己管理活動

※3 プレゼンティーイズム…体調不良等により本来のパフォーマンスが発揮できない状態ながらも職場に出勤する状態

※4 健康寿命…生活に支障をきたす病気や障害なしに過ごせる期間。質の高い健康状態を維持できる寿命

※5 健康経営…従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながるとの期待

※6 ウェルビーイング…体も心も元気で、社会との関係も良好である状態を意味する概念

※7 <出典>一般社団法人日本リカバリー協会「休養・抗疲労白書2023」

 リカバリー市場は「休養」や「抗疲労」に関連する製品やサービス全般を含む市場として定義されており、当社のリカバリーウェアが直接的に属している「衣服(スポーツ以外)」カテゴリーについては、和服、洋服、シャツ・セーター類、下着類、履物類が集計対象のカテゴリーであり、2019年には867億円、2023年には1,437.8億円と推定されている。

※8 <出典>厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」、Ⅲ世帯員の健康状況、1自覚症状の状況において「病気やけが等で自覚症状のある者は人口千人当たり276.5となっている。」という記載をもとに算出。

※9 <出典>一般社団法人日本リカバリー協会「休養・抗疲労白書2023」を基に当社作成。

 調査期間:2023年4月18日~5月23日、SCR調査対象:全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)、本調査対象:1,248人(男女各624人)、方法:インターネット調査

(3)経営戦略等

 当社の経営戦略は以下のとおりです。

① 基本方針

 当社は「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションとして掲げ、現在は主にコンディショニングブランド「TENTIAL」を運営しております。

 国民医療費が46兆円を超える現在、健康維持及び増進に係る活動は、国民医療費の抑制や健康寿命の延伸への貢献も期待されております。さらに新型コロナウイルス感染症の蔓延やそれに伴う行動様式の変化等により、これまで以上に健康や運動に対する人々の意識が高まっており、当社のリカバリーウェアが属する休養・抗疲労(リカバリー)に係る市場規模が成長している状況にありますが、当社は今後も、これまでの事業活動を通じて培った情報や技術等の資産を活用し、予防医療や休養・抗疲労(リカバリー)分野に還元していくエコシステムの実現に向け、事業を展開してまいります。

② 豊富な商品ラインナップ

 当社は、「コンディショニングを実装する」というビジョンのもと、展開すべき商品を幅広く取り扱っており、その品目数(サイズ違い及び色違いを考慮しない集計)は2025年1月末現在100点を超えております。その結果として、自身の健康を意識して当社商品を購入する顧客のほか、親類や友人等に対するプレゼントとして購入する等、様々な目的・用途に合わせて当社の商品を購入いただいております。今後は、顧客が求める商品のラインナップを適時適切に把握し、取扱品目数を継続的に拡大していくことで、顧客基盤・収益基盤の拡大を図ってまいります。

③ 顧客ロイヤリティの向上

 顧客ロイヤリティ(顧客が当社の提供する商品やその提供価値に対して感じる信頼や愛着)の向上により、当社商品の継続的な購入・利用と、周囲への推奨、さらにSNSや口コミサイトの評判を通じて、効率的な新規顧客の獲得を目指してまいります。

④ 新市場の創出

 ナイトウェア、寝具、サンダル、衣類といった既存市場に対して、着用時や使用時の効果効能について科学的なエビデンスを有しており、体調を整える「コンディショニング」に効果が見込めるという、新機軸を掛け合わせることで、新たな市場を創出してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 前記の経営方針を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

① 継続的な新商品開発のための商品開発体制の強化

 当社は設立以来、継続して増収を実現しておりますが、持続的な企業価値の向上を実現するためには、新商品を継続的に市場へと展開していくことが重要であり、そのためには商品開発体制の強化が必要であります。当社では、当社のミッションやビジョンに共感した商品開発人材の採用・育成及び商品開発の型化・高度化を行い、商品開発に係るノウハウを蓄積し、活用していくことで継続的な新商品開発に努めてまいります。

② 事業領域を拡大するための投資活動・海外展開の開始

 当社のミッションである「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」を実現するため、当社は引き続き業容の拡大に取り組む必要があります。そのため、現在展開するコンディショニングブランド事業のほか、業務提携等を含め、新規事業への投資を強化してまいります。また、現時点において、当社は国内を中心に事業を展開しておりますが、当社の継続的な成長には、より大きな市場が存在する海外への進出が重要であると認識しております。当社では、これまでの国内におけるマーケティング・商品開発・データ分析・研究開発等のブランド価値の創造に係るノウハウを活かして、海外事業の開始・拡大に努めてまいります。

③ 商品ラインナップ(SKU※)の拡大戦略による継続成長

 性別・季節性・着用感等のニーズに基づき商品を細分化し、網羅的に商品を揃え、ターゲット層を拡大することで、顧客基盤・収益基盤の拡大を図ってまいります。

※ SKU…Stock Keeping Unitの略。受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位を指す

④ 顧客接点の拡大

 オフラインの販売チャネルである直営店舗の出店を推進し、実店舗での販売を行うことで、オンラインで購入に至らなかった顧客や、オンラインで認知を獲得できなかった顧客層に対して、オフラインで当社商品を実際に試着、試用していただくことを通じて、売上の拡大に努めてまいります。

 また、家電量販店等の小売店における取り扱い増加等による販路拡大により、ニーズが顕在化していない潜在顧客層に対する接点を創出し、市場拡大を図ってまいります。

⑤ 顧客ロイヤリティ向上施策の推進

 当社は、2019年8月のインソールの販売開始以来、累計既存顧客46万人(2025年1月末時点)を有しております。2025年1月期における自社EC売上高において、既存顧客由来の売上高(※1)は30%超の割合で、安定的に積み上がっております。こうした既存顧客やロイヤルユーザーのリピート購入が安定的な収益基盤となり、着実に成長してまいりました。

 そのため、顧客ロイヤリティを形成することが事業運営において重要であると認識しており、会員ステージと購入金額等に応じて特典を付与するポイントプログラム「TENTIAL Club」を導入し、本プログラムの実効的な運用によって顧客ロイヤリティの向上を図ってまいります。

※1 自社ECサイト又は直営店舗チャネルからの購入で、会員登録や商品購入時に入力された情報から同一性を判断し、各事業年度までに一度は購入したと認められる顧客による購入を指す。

⑥ マスプロモーションの実行

 当社ブランドの認知率は高まりつつあり、今後も認知率の向上が見込めることから、テレビコマーシャルなどのマスプロモーションの推進を通じて、コンディショニング領域におけるマーケットリーダーとしての認知と第一想起の獲得に努めてまいります。

⑦ 内部管理体制の整備・強化

 当社では、急激な業容の拡大や従業員数の増加に伴い、組織運営及びプロジェクト管理に関する業務負担が増加傾向にあり、内部管理体制の強化及び継続的な運用が課題となっております。

 これを踏まえ、当社では、中間管理職の育成に努めるとともに、業務のマニュアル化による属人化の防止や当該マニュアル等に基づいた運用体制の強化、リスク情報等が適時に報告される体制等、内部管理体制全般の整備・強化に努めてまいります。

⑧ 情報セキュリティを確保するための体制整備

 当社は、当社ECサイトを通じた売上が全体売上高の約45%を占めること、購入時の会員登録等により重要な顧客情報を保有していること、また、業務のあらゆる場面で情報ツールを利用していること等から、情報セキュリティ体制の継続的な強化及び運用が必要となります。

 当社では、2022年6月に情報セキュリティに関する国際規格であるISMS認証(ISO27001)を取得し、セキュリティ対策アプリケーションの導入、拠点のセキュリティ対策、社員教育など情報セキュリティ体制強化に係る様々な取組みを実施しております。

⑨ 財務基盤の強化

 当社は、2023年1月期、2024年1月期及び2025年1月期において、営業利益・経常利益ともに黒字を計上しており、現状において財務健全性に係る特筆すべき課題は認識しておりません。しかしながら、業容拡大とともに、人材採用やオフィスの拡張等に係る支出、売上規模の拡大に伴う一時的な運転資金が発生する可能性があるため、これらに備えた資金調達及び財務基盤の強化に努めてまいります。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高、営業利益、売上高営業利益率を重視しております。

 売上高は、当社に対しての市場や顧客の直接的な評価であり、当社の存在価値を最も表している指標であると認識しております。

 営業利益は、当社がもたらした世の中への付加価値を最も表している指標であると捉えております。なお、営業利益の目標には、販売費及び一般管理費の水準を適正に維持することを含んでおります。

 売上高営業利益率は、当社の営業活動の効率性を最も表している指標であると認識しております。

 上記の指標に加えて、当社の売上高を構成する指標として、オンライン販売チャネルにおける受注件数(※1)と受注単価(※2)を設定しております。

※1.受注件数は、当該事業年度のオンラインチャネル(自社EC及び他社ECモール)におけるのべ購入者数から算出。

※2.受注単価は、当該事業年度のオンラインチャネル(自社EC及び他社ECモール)における売上高から受注件数を除することにより算出。

より抜粋
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