企業STG東証グロース:5858】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、経営理念として「3つの輝き(お客様の輝き・働く仲間の輝き・社会全体の輝き)」を掲げ、お客様・従業員ともに満足し、社会に貢献できる事業運営を行うことで、事業の発展を遂げたいと考えております。

 期待以上の製品を提供してお客様に喜んでいただくことは当然であり、さらに、社員一人ひとりが能力を発揮できる舞台を提供し、やりがいのある、輝ける場所を作りたいと考えております。また、健全な経営のためのガバナンスを適正に行うことは、企業価値の向上には不可欠です。これらを通じて、事業の発展に注力し、社会へ貢献してまいります。

(2) 経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、米欧の高金利・高インフレと中国の景気減速の下で停滞感が強まる展開となりました。ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、米中摩擦等の地政学的緊張の高まり、中国経済の停滞、エネルギー価格の高止まりやインフレ再燃などがリスク要因となり、世界経済の不透明感は一層高まっています。わが国経済は、経済活動の正常化が進むなか、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、回復基調の動きが見られました。さらに、インバウンド需要の拡大もあり国内景気を押し上げています。一方、長期化する不安定な国際情勢は継続しており、これらによる資源価格の高騰、円安の影響等から依然として先行きは不透明な状況であります。

 このような中、当社グループが属する情報通信機器、精密電気機器、自動車部品業界におきましては、多様な技術革新の必要性は変わらず、新製品への開発投資は一部製品において抑制傾向があるものの、依然として継続されております。当社グループは、これらメーカーを顧客として、新規開発の試作品製造や新製品の量産製造を推進しており、当社一括一貫体制による、金型製作、成型、加工にわたる幅広い製造工程と技術力をベースに、採算性の向上に努め、また、重要事業への経営資源の最適配分にも取り組んでおります。

(3) 経営戦略

 当社グループは、早くからマグネシウムビジネスに参入し、危険で加工が難しいと言われるマグネシウムの取り扱いに強みを有しております。マグネシウムビジネスに関しましては、現状において参入障壁が高いと考えています。参入障壁が高い理由につきましては、マグネシウムは発火しやすいという特徴があり、特に細かい状態だと簡単に燃えることから加工の際には火災や爆発などの事故につながる危険を伴うため、安全確保を行いながらの作業が求められます。また、マグネシウムは腐食しやすいことや、成型加工が難しい素材であることから、複雑な形状の部品を製造するためには高度な技術が必要となります。このため国内での同業他社が少ない状態が続いています。当社グループは、これまで幅広い商品への応用に長年取り組んできたため、加工やコスト低減のノウハウ・アイデアを有しており、競争優位性及び従来の主力素材であったアルミニウムと比較して高い利益率を実現しております。今後普及が見込まれるHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)等、車両の動力に電気を使って走行する車(以下、「電動車等」という。)の拡大の肝となるのが、車体の軽量化及び部品の超精密化であり、マグネシウム合金は軽さや精密化を支える素材として期待されている一方で、取り扱いが難しく高い技術力等が求められます。

 さらに、当社グループは、お客様に高精度の軽量化部品を供給することを事業目的としており、アルミニウムダイカストを希望されるお客様のニーズにも応えることが出来るように、アルミニウムダイカスト事業の拡大を目的として、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)を買収し、事業領域の拡大を図っております。

 当社グループでは、マグネシウムの技術要求に対応できるノウハウ・経験と、アルミニウム・マグネシウム両方に対応できる事業領域、さらには日本、中国、タイ、マレーシアに工場を保有しグローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることなどの相乗効果により、競争力を発揮してまいりたいと考えております。

 この背景を踏まえ、競合企業が少ないマグネシウム事業を中心に、下記を今後の重点的な経営戦略方針としております。

・世界的に電動車や自動運転技術の普及が見込まれる中、当社グループは戦略ドメインを「マグネシウム合金を中心とした電動車・自動運転関連軽量化ソリューション」に定め、市場の成長機会を捉えます。

・電動車等の普及に伴う売上高の増加及びマグネシウムの売上比率の増加により利益率も大きく改善し、高い利益成長を実現するとともに、M&A等を通じてグループ全体の生産能力向上を図り、今後の大幅な需要の拡大に備えてまいりたいと考えております。

(4) 目標とする経営指標

 現時点の当社グループは未だ成長途上であるとの認識であり、より高い成長性を確保することが最優先課題となっております。このことから「売上高」の増収を重視しつつ、「マグネシウム部品売上高」及び「EBITDA」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の拡大を目指しております。

(5) 優先的に対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 資金調達の多様化

 当社の資金調達は、大半が金融機関からの借入となっております。電気自動車等に代表される軽量化の波が大きく、またマグネシウムダイカストへの期待が大きいほど、競合する相手は資金調達能力が高い海外部品メーカーとなります。このため、資金調達の更なる多様化を早急に図ることは今後の成長戦略を描くうえで、喫緊の 課題であります。

② 社会的信用・知名度の向上

 当社グループは最終製品を製造するメーカーから見て、2次下請けになることが多々あります。国内でマグネシウムダイカストを扱うメーカーが非常に少数であるため、技術的にマグネシウムダイカストを利用したいメーカーはたくさんあると思われますが、取引先の選定において、知名度が十分でないことから取引開始に至るまでには、時間がかかることがあります。

 顧客サイドから見れば、取引業者への信頼性及び社会的信用力は重要な要素であります。

 当社グループの継続的な企業価値の向上を実現 していくには、当社グループの知名度の向上、信頼性及び信 用力の向上が重要な課題であると認識しております。

③ 優秀な人材の確保

 企業の成長には、人材は必須です。しかしながら、中小企業を取り巻く採用環境は非常に厳しいものがあります。ものづくりをしたいと考えていただける人材に、当社グループを知っていただきたいという想いが強くあります。

④ 経営基盤の充実強化

 経営基盤の充実強化には、ヒト・モノ・カネが欠かせません。また、コーポレート・ガバナンスが十分に機能している組織、ステークホルダーに対する充実した情報開示、コンプライアンスを徹底的に意識した経営など、当然にあるべき姿が根付くための体制の充実・持続を図ってまいります。

より抜粋
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