企業兼大株主SGホールディングス東証プライム:9143】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ

 当社グループは、経営の考え方のベースとして「ステークホルダー経営」を掲げており、第1に「顧客」に対してサービスレベルの持続的な向上、第2に「従業員」とその家族の生活基盤の安定と向上、第3に「地域社会」に対して安全、環境、さらに様々な事業活動、社会活動を通じた貢献、第4に「株主」に対して企業価値の向上、第5に「取引先」に対して公平・公正な取引を行うことにより、様々なステークホルダーの期待に応える事業活動を推進しております。また、当該ステークホルダー経営の実現のためには、環境や社会への配慮、コーポレート・ガバナンスの充実・強化といったサステナビリティを実現する経営管理体制の構築こそが最重要課題の一つであるとの認識のもと、各体制整備を行っております。

① ガバナンス

 当社グループは、ESGを含む経営上の重要課題(マテリアリティ)として特定した中期経営計画の重点戦略に含まれる気候変動、人的資本、サプライチェーン、コンプライアンス・ガバナンス等に関する施策や管理体系について議論し、それらの持続的な改善活動の推進を目的としたサステナビリティ委員会を設置しております。本委員会は、当社の代表取締役会長を委員長、常勤取締役を委員とし、原則年4回開催しております。

 このサステナビリティ委員会での議論の結果は、取締役会での脱炭素施策の予算承認など具体的な施策の意思決定に反映されております。

② リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ関連リスクについて、当社グループのリスクマネジメント機関であるグループリスクマネジメント会議において、他の事業リスクと同様に評価・管理しております。これらのリスクは、当社グループのリスクマネジメント評価基準(1~9段階評価)を基に、影響度「小」=2、「中」=5、「大」=8を基本として、各リスクをレーティングし、定期的にモニタリングを行っております。

 2022年度は、「気候変動への適応と緩和」のほか、「労働時間管理」「ハラスメント」「人材不足・人材流出」「人材投資」といった人権・人的資本関連リスク及び不正・不祥事関連リスクを当社グループの重点対策リスクとして特定し、リスクマネジメントを行いました。

 2023年度は、「気候変動への適応と緩和」を継続するほか、マテリアリティとして特定した「アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」「グローバル化に対応したガバナンス基盤・体制の整備」をサステナビリティ関連リスクに特定しております。

 当社グループのリスクマネジメント評価基準

影響度

評価の目安

定性評価

定量評価

人の安全・衛生

民事・刑事・行政上の処分

社会的批判

営業利益の

計画に対する

損失の割合

9

・人命に関わるレベル

・全事業所での活動停止レベル

・営業所単位での活動停止レベル

・新聞、テレビ等の主要マスメディアで全国的に報道されるレベル

・消費者団体等にボイコット(不買)運動されるレベル

5%以上

8

7

・重傷レベル

6

・軽傷レベル

・活動停止には至らないレベル(改善命令・罰金レベル)

・一部メディア、地域で報道されるレベル

・苦情、問合せがコールセンターに多数寄せられるレベル

1%以上

5%未満

5

・体調不良につながるレベル

4

3

・無傷レベル

・注意指導レベル

・報道の対象とならないレベル

・世間の人々は知らないレベル

1%未満

2

1

※大=8、中=5、小=2の評価を基本とし、各々±1の調整を可能とする。

※定量評価は、想定される損失の大きさを金額に換算することが可能な場合に任意に実施する。

(2)その他の項目

 当社グループが掲げる長期ビジョンでは、営業収益の成長イメージとともに、2050年カーボンニュートラルに向けた中長期の温室効果ガス排出削減目標を当社ホームページ上にて公表しており、2030年度においては、CO2排出量を基準年度である2013年度比で46%削減することを目標としております。なお、バウンダリ(対象範囲)は国内グループ会社のスコープ1・2としており、海外グループ会社については順次対応を検討してまいります。本目標は、第6次エネルギー基本計画における2030年度の電源構成の実現を前提条件としており、社会情勢により国の削減水準や前提条件に変更があった場合は、排出削減目標を再検討する可能性があります。また、中期経営計画では、KPIに営業収益・営業利益と合わせて温室効果ガス排出削減目標を設定するとともに、重点戦略に「脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進」を掲げ、気候変動課題に対する方針「SGホールディングスグループ脱炭素ビジョン」と整合性をとった内容にしております。

 さらに、中長期にわたる気候変動関連リスク・機会について、今後の経営判断の一助とするべく、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿ったシナリオ分析を行い、結果をTCFDレポートにまとめ、当社ホームページ上にて公表しております。

① 気候変動

 イ.ガバナンス

 当社は、サステナビリティ委員会の下部組織として専門部会「TCFDワーキンググループ」を設置し、TCFDの枠組みに沿った気候関連のリスクと機会の分析・検討等を行い、サステナビリティ委員会へ上申・付議することとしております。その後、サステナビリティ委員会での検討を踏まえ、分析結果を取締役会へ報告し、管理・監督を行う体制を整えております。

 ロ.戦略

 シナリオ分析では、1.5℃、4℃の2つのシナリオを使用し、定性分析・定量分析を行いました。定性分析では、事業と関連する社会経済の動向予測を参照し、気候変動により想定されるリスク・機会の洗い出しを実施いたしました。定量分析では、特定した気候関連リスク・機会のうち、影響度が大きくかつ定量化可能な項目について財務影響を試算いたしました。

 当社グループは、貨物自動車を使用するデリバリー事業を中核とすることから、化石燃料由来のCO2排出量が多いため、1.5℃シナリオの移行リスクにおける「炭素税によるコスト増加」「車両の脱炭素化に伴うコスト増加」の影響度が大きいと評価し、重要リスクに位置付けております。それらの影響額を試算した結果、CO2排出削減による炭素税回避額は、気候変動対策に伴うコスト増加額を上回ることとなり、気候変動対策の推進が当社グループの事業においてプラスの影響を及ぼすことが判明いたしました。

 今後は、これまでの排出削減の取組みを継続しながら、気候関連のリスク・機会を重要な経営課題と捉え、中長期のネガティブインパクト低減と新たな事業機会創出に向けた効果的な施策を検討してまいります。

 ハ.リスク管理

 気候関連リスクは、当社グループのリスクマネジメント機関であるグループリスクマネジメント会議とも情報連携し、他の事業リスクと同様に評価・管理を実施しております。当社グループのリスクマネジメント評価基準(1~9段階評価)を基に、影響度「小」=2、「中」=5、「大」=8を基本としてレーティングし、定期的にモニタリングを行っております。

 ニ.指標及び目標

 日本でも脱炭素社会への移行が加速する中、当社グループは、脱炭素に取り組む意思表明として「SGホールディングスグループ脱炭素ビジョン」を掲げました。同ビジョンの中で、中長期のCO2排出削減目標と排出削減策の方向性を明示し、社会インフラを担う物流企業グループとして取り組んでまいります。

■温室効果ガス排出削減目標

スコープ1・2

2030年度:CO2排出量46%減(2013年度比)

2050年度:カーボンニュートラルを目指します

スコープ3

サプライチェーン全体での排出削減に取り組みます

■削減水準・前提条件

削減水準

・日本の排出削減目標に沿うものとする

・カーボン・クレジット等の活用によるオフセット分も含める

前提条件

・第6次エネルギー基本計画における2030年度の電源構成(※)の実現

(※非化石59%:再エネ36~38%、原子力20~22%、水素・アンモニア1%)

※社会情勢により国の削減水準や前提条件に変更があった場合、排出削減目標を再検討する可能性があります。

■温室効果ガス排出削減実績(2022年度 国内グループ会社)

スコープ1・2

基準年度(2013年度)比較削減率・量:13.4%(57,414t-CO2)

2022年度排出量:370,847t-CO2

※上記数値は第三者保証前の暫定値であります。

■移行計画(佐川急便株式会社)

 

2022年度実績

2030年度目標

EVを含む環境対応車導入率

64%

98%

電力使用量に占める再エネ率

30%

40%

※2022年度実績のうち「電力使用量に占める再エネ率」は四捨五入した数値であり、かつ、第三者保証前の暫定値であります。

(3)人的資本

① 戦略

 当社グループが掲げる長期ビジョンでは、宅配便事業の収益性維持、生産性向上による事業基盤強化、宅配便以外のTMS、3PL及び国際事業などを成長エンジンとする事業規模の拡大により、2030年度営業収益2兆2,000億円を目指しております。人的資本の側面におきましては、事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材を「オペレーション人材」、成長エンジンとするTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う人材を「ソリューション人材」として戦略を策定しております。当社グループのマテリアリティの一つにも「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」を据えており、次の図で示した「経営人材」「ソリューション人材」「オペレーション人材」からなる人的資本ピラミッドを軸に、その達成を目指してまいります。

 まず、成長エンジンとしてのTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う「ソリューション人材」の育成が急務と考えております。

 特にソリューション人材の中でも、総合物流ソリューションの高度化を支えるGOAL人材やDX人材及びグローバル人材の層を更に厚くする必要があります。そのため、「SGHグループ新卒採用」を窓口として素養のある新卒を採用後、5年間で主力事業をローテーションし早期育成を図っております。新卒採用だけではなく、専門知識を持った人材を確保するため、中途採用にも力を入れております。それらの人材は、OJTで学び、「フォローアップ研修」「海外赴任研修短期派遣」「DX研修」を取り入れて育成、スキルの可視化、評価、配置を考慮したタレントマネジメントを実行しております。

 併せて、当社グループの経営方針の策定やその舵取りに必要な「経営人材」の育成・登用も重要課題と捉えております。部長職及び役員への登用に至る過程において、能力と意欲のある多様な人材を育成・登用するべく、「新規GM認定者セミナー」(GM:グループマネジャー)「経営者育成プログラム」「次期リーダー研修」「女性キャリア支援研修」等、様々な人事施策を行っております。さらには、年功序列や経験年数を重視する考え方から脱却する施策の一環として、優秀な人材については2階級上の役職への登用を図り、早期に挑戦と成長する機会を得られる「チャレンジ制度」を導入いたしました。

 他方、事業基盤としての宅配便事業の収益維持及び生産性向上のために、既存の宅配便事業を担う「オペレーション人材」の維持・定着も必要であります。少子高齢化に伴い人材の採用・確保が難しくなっている中、限られた人材で効率的に収益を維持するためには生産性の向上が必要であり、IT・先端技術を活用したオペレーションの見直しや人員配置の最適化と併せて、働き方改革を中心とした就労環境の整備が、人材の維持・定着及び生産性向上に必要な人材の長期育成につながると考えております。

 これらの実現には、多様な人材が活躍できる、働きやすく働きがいのある職場環境が必要であります。そのため、多様性(D&I:Diversity and Inclusion)を尊重し、女性活躍推進を中心に、働き方や組織風土を変革するための取組みを継続的に実施しております。

 上記の人的資本への投資及び人的資本ピラミッドを取り巻く社内環境の整備が、従業員のエンゲージメントを高め、挑戦ができる企業風土を醸成するものと考えております。そして、従業員エンゲージメントと風通しの良い企業風土により、人材の価値を最大限に引き出すとともに、組織と従業員の結びつきを強め、人材の成長や維持・定着を目指してまいります。

※グループマネジャー:グループ経営人材である部長級の従業員を指しております。

② 指標及び目標

 上記①に記載のある戦略を実現するためには、従業員エンゲージメント、従業員を活かす環境、女性の活躍を含む多様性といった人的資本ピラミッド全体を取り巻く社内環境の改善・整備が必要となります。

 2022年度に実施した従業員意識調査では、従業員エンゲージメントが57.0%、従業員を活かす環境が54.0%(両指標とも肯定的回答率)という結果になりました。また、女性従業員比率は33.1%、女性管理職比率は10.5%というそれぞれの指標結果となりました。2023年度については、従業員エンゲージメント58.0%、従業員を活かす環境55.0%、女性従業員比率及び女性管理職比率は現在の数値を維持することを目指してまいります。

※これらの指標は、「5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ③ 国内グループ会社」に記載の国内グループ会社を対象範囲としております。

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